絶対的な何かとは。 | 俺様の「好きにやらせろ!」 Ⅱ

絶対的な何かとは。

小説 (フィクションもの) は、ちょびり苦手、あくまでも現実主義なる、俺様です。登場人物しかり、筆者しかり、そのワールドに填まるには、まだ経験値が未熟なのかな、とか思ってもみたりして。そんなこんなで、読み逃していた元気くん初の書き下ろし小説。元気くん志向満載にて、本人の実体験っぽさがスムーズに想像されて、あっさり読み進められながらも、要所要所に、独特の哲学論が見え隠れ。 『勝たなきゃ、何も始まらない。でも、勝つことだけがすべてではない。』 またしても結果、「我が中で、感じ、考え、動くべし」 的な命題を、頂戴いたしました。WE ARE ALL ONE。

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「緊張と開放の均衡を保つのが人生というものよ」
「言葉ではわかるんだけど、どうしても勝ちたい気持ちがあるせいか解放できなくなっているよ」
「解放できないのは自尊心が強すぎるからよ。自己愛が強いとロクなことが起きないわ」
「厳しいね」 僕は苦笑いした。
「今のあなたにはこのくらいがちょうどいいの。視点を変えたら?」
「どうすれば視点を変えられるかわからないよ」
「じゃ、今からビーチに行ってビキニ姿の美女でも見てくればいいんぢゃない?」
「それは素敵な案だね」
「楽しんできなさい。浮き輪を忘れずにね」
「がんばるよ」
「別にがんばることではないわ」
「それはそうだ」
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「僕らは今同じ地球に生きているけど、実際のところ見えている世界はそれぞれまったく違うと思うんだよ」
「どういうことですか」
僕は、ベンチに座ってうっとりと手をつないでいる若いカップルに目をやった。
「たとえばあのカップルは、今、世界で一番幸せだということに疑いを持っていない顔をしているだろ」
「はい。えれー幸せそうですね」
「小惑星が今アメリカに向かって落ちて来ている最中であっても、明日の試合で僕の人生が一変するかもしれなくても、彼らの世界には一切関わりがない。あのカップルやここにいる人たちの人生は、お互いに見えてはいるけど、存在していないんだ」
「自分が今、切れ痔で悩んでいることも関係ないんですね」 ゴボウが深刻な顔をして言った。

「切れ痔だったんだね」 僕はゴボウを見つめて言った。
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「なぜお前はこの世界に入った」 (中略)
「シンプルな質問はある意味答えにくいです。」 (中略)
「僕の頭では普通にやっても人生で成功できないと思いまして、強くなるしかないんです」
「成功や強さの意味を間違えるな。相手を打ちのめすのが強さではない。自分の中に寄生しているものと戦うんだ。そうすれば簡単に成功できる」 (中略)
「よく把握できないんですが」
「お前がこの世界で地位を手に入れても、いつまでも強さを実感できることはないだろう。いずれにせよ誰もがここから離れていくときに持っていけるのは一つだけだ」
「それはなんですか」
「自分の在り方だけだ」
「在り方ですか?」
「そうなのよ。カバン一つも持っていくことができないの」 (中略)
「あなたはナーバスになっているようね」
「なぜナーバスだとわかるんだ」
「鏡を見てみなさい。不安でいっぱいな顔をしているから」(中略)
「まあ、誰もがそこからのスタートだがな。お前もそろそろ準備をしろ。もう戦う時間が来ている」
「何か話が飛んでいますね」
「アナタは戦ウ者かもしれない。彼がそうイッテイル」 (中略)
「戦ウ者はほとんど生き残らない。大抵、怪物に食われてしまう」 (中略)
「そのわけのわからないものに食われるのは勘弁してもらいたいですね」
「あくまでも比喩よ。比喩は物事の本質を捉えるの」 (中略)
「では、食われはしなんだね」
「もう、お前はすでに食われているよ。この地上にあるたくさんの話し方の塊にだ。誰もが言いたいことを言い、それを受け取っては傷つくんだ。これを、生きていると言えるか。生きているならば生き地獄だな」 (中略)
「誰もがそう思っていないですよ」
「あまり気にするな。何かを新しく始めるということは常に危険が伴うものさ。すでにこの世界は新しい転換期に来ている。この時期にお前のような不安と戦っている人間がどれだけいると思う。その代表決定戦を行うんだ。運動会は賑やかな方がいい」 (中略)
「人は絶対的な何かを信じて知へおもむく」
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3/15 of Books 2009
須藤元気 「キャッチャー・イン・ザ・オクタゴン」


キャッチャー・イン・ザ・オクタゴン/須藤 元気

★190頁/累計19,301頁
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■始まりは ココ から
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1/15 『竜馬がゆく』全八巻完結。
2/15 情熱あってこその成長。

ふこらさーゆー♪ & ナンクルナイス
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