え~この記事では、2ちゃんねるスレッド「早稲田セミナー(TAC)vs伊藤塾vsLECvs辰巳法律研究所4」(http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1369625889 )における、4A基礎講座等についての批判的書き込み(556、557、559、563、564、568~570、572、581、596、758あたり)に、対抗言論をぶつけてみようかと思います。

かえって火に油を注ぐ気もするし、どうしよっかな~と思っていたんだけど、私も受験生時代は2ちゃんねらーで大好きだったので、おもしろそう!というのが決め手です。

ちょこちょこと書き溜めて来たので、さすがに長くなりました…。


1.不可解な点

まず、

「司法試験受験界で最低ならあらかじめ教えてほしかった。
まんまと司法試験情報局とかいうステマに踊らされたあふぉです。 」(563)

と書き込んだ人は、司法試験情報局の記事(どれだろう…『司法試験予備校講師ランキング 』とか?)を読むだけで受講しちゃったんでしょうか。

少なくとも、『中村充 』の記事の冒頭に「友人の講師を紹介させていただきます。」とあることから、ステマどころかアカラサマな宣伝だと判断できると思うんですが。

この人は、

「少なくともあの情報局とかいう人と友達である以上、情報の客観性に疑問が生じているのは確か」(557)とも書き込んでいるのですが、これは後から気づいたのでしょうか…。


いずれにせよ、TAC各校舎に来てテキスト現物を見たり、ガイダンス動画(http://www.tac-school.co.jp/tacchannel/sicho2934.html とか)添付のテキストサンプルを見たりすれば、

「Wセミナーの中村先生はいわゆるがちがちの人権パターンとかで
新司法試験に全く対応できてないように思った。
正直返品したい。

しかも答案がクソ。

ただ、これでも合格答案だと本人は言うが・・・」(556)

というのは、事前に判断して回避できたはず。

なお、「がちがちの人権パターンとかで新司法試験に全く対応できていない」という根拠は何でしょうか?

人権パターンで上位合格している再現答案だって結構ありますよ?

私は、むしろ、三段階審査論とか判例射程論とか、最近の流行を使いこなせていなくて不合格答案になってしまっている再現答案の方が多い印象を持っています。受験生は、自分以外の不合格答案に触れる機会がほとんどないので、仕方ありませんが…。


2.主に論文解法パターン講義に関して

そして、この人は、「答案がクソ」だという根拠として、

「まず法令違憲適用違憲の区別がまるでだめ いまの試験では通用せず 」
「兎に角中村の方法論は十年前の方法論
書き写ししかしてない
評価を軽視
論証不要とかいうとんでも論」(559)

「問題提起、規範定立、当てはめ、結論が守られていない。
各種合格体験記に真っ向から反する。
きっとご本人はそれでもいいんだっていうと思う。
悪口は言いたくないからこの辺にしておく。 」(564)

と書き込んでいます。


まず、私は、「法令違憲適用違憲の区別」は相対的であるという指摘が、最近の学者さんたちからなされていると“理解”しています(出題趣旨等に、この点が積極的に明示されなくなってきていることとも関係があるのでは?と思います)。

また、ロー入試・予備試験はもちろん、司法試験の再現答案を見ても、「法令違憲適用違憲の区別」が適切にできている合格者の答案は、わずかしかありません。

とすると、この点は加点事由にすぎない以上、合否を分ける点と比べれば、優先順位が落ちるわけです。

というわけで、まずは「法令違憲適用違憲の区別」をせずに合格点をとる方法論を確実に身につけた上で、それでも余裕があれば、司法試験の論文式過去問をくり返しくり返しくり返し解きながら「法令違憲適用違憲の区別」をする方法論をマスターしていけばよい、そう考えています。

なお、別の人?の書き込みで、

「最下位合格を目指せって言うのが不満だったな。」(570)というのがありますが、私は、正確には、このように言っています。

“まずギリギリ合格を確実にする。その上で余裕がある限り、制限時間内でできる限り加点事由を積み上げる。”

上位合格というのは、最初から狙って実現できるのはほんの一握りの人にすぎず、多くの人にとっては、結果論にすぎないのです。私の記事『上位合格を狙う≠合格可能性を上げる 』を読んでも納得いかないなら、どうぞご自由に、上位合格につながると称する講座なり方法論なりをとってくださいな。


次に、

「兎に角中村の方法論は十年前の方法論
書き写ししかしてない」

とありますが、仮に「十年前の方法論」だとしても、この十年間(ちょうどロー入試→新司制度が始まったころですよね)で、本試験の性質は大きく変わっているのでしょうか?そして、今をときめく“ナウい方法論”って、具体的にはどういう方法論ですか?たぶん、それは、“数十年前の方法論”だと思いますよ。

あと、「書き写ししかしてない」というのは、「真実であることの証明」(刑法230条の2)ができるのでしょうか…。

(cf)http://www.tac-school.co.jp/tacchannel/pdf/3221a.pdf の7~8ページや、http://www.tac-school.co.jp/tacchannel/pdf/2934a.pdf の7~8、15~16ページの答案例


また、

「評価を軽視
論証不要とかいうとんでも論」

「問題提起、規範定立、当てはめ、結論が守られていない。」

とありますが、「評価」「論証」「規範定立、当てはめ、結論」という形式(いわゆる“法的三段論法”?結構この言葉も多義的であてにならないんですよ)が必ずしも必要ないということは、1つ前の記事『解釈と評価の構造・必要性 』で示したとおりです。

そして、必要な箇所ではちゃんとやっているつもりですが…伝わりませんでしたかね。

他方、「問題提起」について、私は、最小限にすべきだと考えています。これは、答案を採点すると分かるのですが、問題提起自体に点数をつけることは、非常に難しいからです。問題提起の出来が非常に良くても、その問題解決の中身を見てみたら、全然ダメじゃん…ということが何度もあったので。

こういった、採点者の立場に立たないと分からないことがたくさんあるので、『4Aクリニック』では、ゼミ生全員に、他のゼミ生の答案(毎回1通ずつ)を添削していただくことにしています。


さらに、

「昔羽広が自分で言ったことに自分で縛られている講師がいるっていう趣旨の
ことを言ってたけどまさにそれだと思う。
自分の方法論に酔ってる感じが否めない。 」(564)

私は、“とにかく過去問をくり返しくり返しくり返し解け、4Aはそのためのサポート手段にすぎない”といったことは、常々言ってますが…。


ただ、この人は、

「4Aとかいう方法論は確かに普遍的ではある
でも恐らくこれはロースクール既習を目指すなら
自然と身につくものだと思うしたいそうなものではない。
司法試験情報局で散々他の講師をこき下ろすわりにはたいしたことない」(572)

ということで、4Aについて一定の評価もしてくれています。ありがとう。

そして、「自然と身につくものだと思う」人は、もちろん受講しなくて結構です。

私には、指導した受講生の成長過程からも、合格者の再現答案を見ても、また『司法試験対策ゼミ 実施予告 』のコメント36からも、到底そうは思えませんが…。

あと、司法試験情報局を書いているのは、NOAさんという実在する私の親友であって、私ではありませんよ~2人で方法論を練り上げてきたようなものなので、同一人物じゃないかという疑いが出るのも分からないではないですが、近いうちにNOAさんとの対談企画があるので、それで証明できるかなあ。



3.主に知識集中完成講義に関して

「実際講義に来る人がかなり減ってるし・・・」(556)ってことは、渋谷校で教室講義を受けていた人なんでしょうか…直接質問・相談をぶつけに来ればいいのに。

はい、知識集中完成講義については、渋谷校の教室講義に来る人は、かなり少ないです。

知識集中完成講義の目的は、

①論文解法パターン講義で学んだ条文の使い方を、条文単位のテキストでハイスピードに整理する

②見たことある・聞いたことある知識を増やすことで、短答式過去問を自力で解く際のハードルを下げる

③論文・短答式過去問をくり返しくり返しくり返し解いて完璧にした上で、本試験直前期等に聞き流すことで、最終チェックをする

点にあります。

つまり、知識集中完成講義は、あくまで、①論文解法パターン講義で問題を解いたり、②③論文・短答式過去問を解くための手段あるいは最後のトドメにすぎません。

とすると、とにかく過去問等の問題を解くことが何よりもまず大事なので、「実際中村先生もインプット講座は役に立たないことを講義で認めていた。過去問をやれと」(568)というように受け取られても仕方のない発言をしたことは事実です(そこでいうインプット講座は、私の講座に限らず、この世界に存在する全てのインプット講座ですが)。

この発言以降、渋谷校の教室講義に来る人が減ったので、皆さん過去問等の問題を解くことを優先してくれているのだなあ、と思っています。実際、講師答案指導の際、そのような理由で知識集中完成講義に出席していないんです…と、ちょっと後ろめたい感じで言ってくれた受講生が数人いました(堂々と欠席していいんですよ!)。


ただ、

「インプット講義はただ条文を高速で読むだけ
何も説明しない。」(568)

というのは、「真実であることの証明」(刑法230条の2)ができないのではないでしょうか…。

ガイダンス動画の「全ての知識は条文にあり!(前半) 」「全ての知識は条文にあり!(後半) 」が、知識集中完成講義のサンプルなのですが、これを聴いていただくだけでも明らかです。


また、別の人?が、

「普通基礎講座のインプットって言ったら、工藤3倍速インプットみたいの
想定するでしょ。 」(581)
と書き込んでいますが、パンフとか読んで分かりませんでした?少なくとも、上記ガイダンス動画とか見れば分かるでしょ。

「じゃあ、論文用論点はどこで説明するんですかね・・・
初学者向けとはなんだったのか
何も身につかない講座ではないか。
なぜ生講座受講生がインプットで消えたのか考えればわかるはず」(581)

論文用「論点」は、知識集中完成講義より先にやる論文解法パターン講義で、主なところは説明済みですが。また、知識集中完成講義でも、論文解法パターン講義で説明済みのところも含めて、出題可能性のある論文用「論点」を網羅的に説明していますよ。

本当に受講したのでしょうか?受講していないから「何も身につかない」だけでは?という疑いを禁じ得ません。

「なぜ生講座受講生がインプットで消えたのか」は、上記で説明済みです。


さらに、別の人?が、

「中村先生は憲法の第三者の主張適格とかテキストに載せてないんだな・・・。
対象者はロー入試までだな。」(758)

はい、知識集中完成条解テキスト(憲法)には掲載していません。

司法試験の公法系第1問の過去の再現答案を見てみてください。上位合格者ですらあまりできていません。

また、今年度の予備試験(憲法)では、この点が問われていたかどうか微妙なところですが、再現答案を見る限り、ほとんどの人が書けていません。

そして、この点は、ある程度の考慮要素は事前に準備できなくはありませんが、結局、ケースバイケースです。だから、それらの過去問をくり返しくり返しくり返し解く中で、現場思考力を鍛えるという形でマスターすべきものと考えています。

というわけで、ロー入試だけでなく、予備試験・司法試験も対象と考えて、それらの過去問も把握した上で、あえて掲載していないのです。


4.感情論

「とにかく司法試験は甘くない。楽して合格したいと思ったら落ちると思う。
記憶力に限界がありますとかいう講師にはついていかないほうがいい。 」(563)
その根拠は?少なくとも、楽して合格したいと思った私は、そう思って受けたどの試験にも合格していますが…むしろ、敵を強いものと思い込みすぎている多くの受験生は、本試験を甘く見た方がバランスがいいですよ。

まあでも、「とにかく司法試験は甘くない。楽して合格したいと思ったら落ちると思」い込んでいる人には、私の講座は敬遠されるんでしょうね。こういう人にこそ、私の講座が最も必要だとすら思うのですが。

もちろん、第一次的には、私のように、楽して合格したい、努力があまりできない、そういう“怠け者”向けの講座ではあります。


別の人?の書き込みですが、

「中村講師の講義は、内容が古いってのもあるけど、
冗長なため、ポイントが分りづらい。おまけに眠たくなるんだよ。

この先生は、教えるのは好きみたいだけど
講師に向いていないと思う。」(596)

人もいるかもしれないので、受講前には、必ず、無料体験講義を受けたり、ガイダンス動画を見たりすることをオススメします。どうしても相性はあるので。


まあ、たぶん、

「正直ローをあまりに軽視しすぎて引く。」(556)という点がショックで叩きたくなった人もいるのかなあと想像され、かわいそうな気もするので、徹底的に叩きのめすことはやめておきます。