COLDシリーズ最終話です!!

このFEVERを書きたいがために
前2作を書いたという木原さん。

ああ、なんかそれはわかるかも。。。

前二作のレビューはこちら
  やじるし
COLD SLEEP
COLD LIGHT


前巻を読んで、
2人のラブラブで糖度が上がっている分、
その反動が怖い・・・・(((゜д゜;)))と書いたけど
マジ、その不安的中!


1巻目で
記憶を失った透と彼の友人と言う藤島との
奇妙な共同生活がスタートし、透の過去が断片的に浮き彫りに。
2巻目で
透と藤島の過去がわかる。
それでも藤島のことが好きだという透とアマアマな日々に・・・・。

記憶を失う前と失った後では別人のような透。
そして今回、目が覚めたら透は記憶を取り戻していた・・・・。


木原 音瀬著「COLD FEVER」
COLD FEVER (ビーボーイノベルズ)/木原 音瀬
¥1,050
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ある朝目覚めた時、透の時間は六年の月日が経っていた—。事故でなくした記憶を取り戻したものの、周囲に愛されていた“もう一人の自分”の影に苦しみ、さらに誰よりも憎んでいた男・藤島と同居していたことに驚愕する。藤島に見守られ、失くしかけた夢と歳月を取り戻そうとする透だが、藤島の裏切りが明らかになり—。シリーズ新装版、ついに最終巻。同人誌発表作に大幅加筆し、「同窓会」シリーズも連動して同時完結。



やっぱりやっぱり、この巻は透の記憶が戻ったところから始まってしまった!
絶対、そうだと思ったのよねww

で、やっぱり記憶が戻った透は藤島に対して
これでもか!!ってくらい
痛めつけるのだ。


ひー、痛い、痛すぎる(>_<)あせる


前回までの甘い雰囲気はどこへやら。
晴れ渡った空が一瞬で暴風雨と大地震と大噴火に見舞われたという感じか。

ここらへんが本当に読んでいて辛いのよね。

藤島の身体の痛みも辛いけど
透のどうしようもない憤りと戸惑いもわかるだけに
こちらも心の痛みが辛い。

記憶が戻った透は当然にして藤島と恋人として共にいた6年間を
綺麗さっぱりと忘れている。

藤島もいつも多分どこかではこういう日がくることを
覚悟しながら過ごしていたと思う。
でも6年間は長すぎた。
甘い生活を送った日々をなかったものにするには長い。

藤島には一度透を捨てたという負い目があるため
今度は殴られ、蹴られされても
逃げることはしないのだ。
あまりのことに離れて暮らした方がいいんじゃないかと提案こそすれ
逃げようとは思わない。

それにこれは透との約束でもあるのだ。

藤島さんを好きな俺と嫌いな俺が闘っていたら俺に加勢して欲しい。
俺は藤島さんのそばにいるのが一番幸せなんだよ。それはわかっている。

そう言っていた、記憶喪失中の恋人。
彼との約束でもあるんだよね。

それでもやはり精神的にも肉体的にも辛いだろう。
だけど6年間の透の存在が藤島を支えてもいたんだと思うのね。
だからこそ2人をたくさん写した写真が捨てられた時、
あんなにパニックに陥ってしまった・・・・というのもあるんだと。

ところが透自身は
皆から好かれている透、料理上手でパティシエの透のことを言われる度に
自分なんかいらない存在なんだとその透に嫉妬をし、そして不安になり
不安になるからまた藤島に手をあげてしまうという悪循環に陥っている。

木原作品の凄いなと思うところは
こういう痛さがリアルに伝わってくるところなんだよ。
藤島を痛めつける時の身体的な痛みももちろん、
透の心の痛みも自分の痛みのように感じる。

目を背けたくなるけど背けられない。
逸らしちゃいけないとも思ってきちゃう。

透だってただただ乱暴者ではないのだ。
透はいつだって本当は暖かい家庭で暖かい愛情に包まれ
皆と仲良く暮らしていきたい、そんな平凡なことを
小さい頃から望んでいたはずなのだ。
でもそれは手に入れたくても入れられなかった。

だけど、自分の知らない6年間の自分は
その渇望してやまなかったものを簡単に手に入れていた。
自分を決してみてくれない藤島とも相まって
感情をコントロールできなくなっていく透の気持ちが伝わってくるんだよ。

顔をみたいけどみたくない、
そばにいたいけどいたくない、
本当に藤島に捨てられたと思った瞬間、
気がふれてしまったかのような透がただ憐れで・・・・

藤島が今の透を本当の意味で受け入れた瞬間、透の中で何かが変わった。


それからはまた前のように・・・とはいかないけど(なんせこっちの透は天の邪鬼なんで)
2人の生活が新しく始まった。

2人ともに愛情に関してはかなり歪んでしまったと思う。
母親からの過度な愛情という支配に長いこと縛られていた藤島と
誰からも愛されず、そして唯一信じていた藤島に裏切られたと思っていた透。
どうやって愛情を示し、愛し愛されていいのかわからない2人だけに
かなり遠回りしてしまったけど
今は静かにその愛情を育てていっているんだなと最後は感じさせてくれるのだ。

あのパティシエの透が見れないのは寂しいけど
カメラマンの透もまた、彼の作品は見る人に感動を与えていくんだろうな。

それにしても!
単なるコンビニ兄ちゃんかと思っていた楠田が
こんな大事なことに絡んでくるなんて!
これが一番のビックリか??w

そしてずっとどうリンクしていくんだろうと思っていた同窓会シリーズと
本作品が見事に合体!

そうだった、忘れていたけど
谷口ってカメラマンだったよね!ww
そうか、そうきましたか!

これって当初の本には載っていないの??
もしそうならば、旧版で読んで終わっている方には
この新装版を読むことをオススメしたいです~!!


H度ドキドキドキドキドキドキドキドキ(痛さのあるH)
ストーリー度満月満月満月満月満月

COLD FEVER
¥4,935
楽天

■CAST
高久 透:羽多野 渉、藤島啓志:野島裕史、他

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