ウォーカーのブログ 永久保存版に『マイクロ波聴覚効果を利用した脳内音声送信 V2K(Voice-to-Skull)』というブログ記事が掲載されている。
マイクロ波聴覚効果を利用した脳内音声に関する多種多様なウェブサイトがリンクされており、なかなか便利である。光栄なことに私が管理しているヤフーブログにもリンクが張られている。ありがとうございます。
さて、ウォーカーのブログでは、脳に送信される音声には、『生放送、録音音声、人工知能による音声、これらの組み合わせが利用されているそうです』と記載されている。
残念ながら、この点は間違いでしょうね。
マイクロ波聴覚効果を応用した無線通信では、極めて高度な音声合成技術が使われています。音声合成技術の歴史は18世紀のドイツ人、ヴォルフガング・フォン・ケンペレンまで遡ることができます。18世紀というと、日本はまだ江戸時代であり、当時は鎖国をしていました。長崎を通じて西洋の事物は伝わってきていましたが、さすがに音声合成技術までは伝わっていないかったのではないのかな。
音声合成技術は19世紀から電子化が始まっていますが、21世紀の現在では誰の声であっても自由自在に合成できます。また、声に感情を込めることもできます。
要するに、音声合成技術があまりにも進化したので、人間が耳で聞いただけでは、人間の声なのか、機械で合成した声なのか区別できません。
次にウォーカーのブログでは、防御方法として『マイクロ波が送られてくる部分を網目の細かい金属で防御することで、音声が止む』とされており、1962年に公表されたアラン・フレイの論文から画像が引用されています。
残念ながら、この防御方法もまちがいでしょうね。
マイクロ波聴覚効果を応用した無線通信を使って、受信者の頭部に音声が送信されているといっても、1962年にアラン・フレイが公表した条件と全く同一の条件で被害者の頭部にマイクロ波聴覚効果が発現しているわけではありません。
21世紀の現在に用いられている無線通信システムでは、フレイの時代と比べて遥かに高度な手法でマイクロ波聴覚効果が発現しているので、小さな金網のような単純な防御など成り立たないのです。加害者は2周波レーダーを応用した無線通信システムないし電磁波兵器を用いているのですが、2周波レーダーの説明は難しくなるので、省略します。
いずれにしても金網とかアルミホイルのような簡単で単純な方法で、電磁波兵器から照射されている電磁波ビームを防御することは無理です。
同様に携帯電話の電波を遮蔽できる程度の技術で、電磁波兵器から照射されている電磁波ビームを防御するのも無理です。
電磁気学をキチンと勉強したことがない人達が、金網とかアルミホイルで簡単な防御装置を作成しても電磁波兵器から照射されている電磁波ビームを防御できるわけがないのですが、何の知識もない人は簡単に騙されたり、間違えます。典型的な間違いは下記のようなものです。
アルミホイルを使って携帯電話のマイクロ波が遮蔽できるのなら、同様にマイクロ波聴覚効果が発生するマイクロ波も遮蔽できるに違いない(ここは間違い)。ところが、アルミホイルを使っても、頭の中に声が聞こえる。従って、誰もマイクロ波聴覚効果を応用した無線通信システムを使って、音声を送信していない。
更にウォーカーのブログでは、加害者が被害者に対して超指向性スピーカーを使っている可能性を指摘しています。
しかしながら、加害者が被害者に対して超指向性スピーカーを使っているという事実はありません。
ウォーカーさんが被害を解決するために熱心に周知活動をしている点は評価いたします。しかしながら、加害者が使っている技術に関して間違いが流布したときには、却って被害事実の立証を困難にして、被害の解決を阻害することになってしまいます。
そこで、ウォーカーさんにとっては本意ではないかもしれませんが、間違いを指摘させて頂きます。
文献
ウォーカーのブログ 永久保存版、2019年3月16日
『マイクロ波聴覚効果を利用した脳内音声送信 V2K(Voice-to-Skull)』
2019年11月12日アクセス