マイクロ波聴覚効果とか、マイクロ波ビームの対策について、既に記事を執筆していたので、再掲いたします。
マイクロ波は波の一種なので何かで遮蔽されても、遮蔽物を回り込み、向こう側に届きます。電波ではイメージがわきずらいので、音波で回り込みについて説明いたします。
例えば、家にいるときに、道路からの騒音がうるさいとか、部屋に置いてあるテレビの音がうるさいという場面を考えます。
一方、音波を吸収する部材、音波吸収材が市販されています。例えば、音波吸収材は、正方形の板形状で一辺が30cmのサイズとします。
それでは、この音波吸収剤、1枚を右耳の傍におき、もう一枚を左耳の傍に置いたときには、どうなるでしょうね。
音波吸収材は板形状という制約のため、耳と音波吸収材の間には、隙間があります。
さて、音波吸収材があるので、道路からの騒音が無くなったり、テレビの音が聞こえなくなったりするでしょうか。やはり音が聞こえるますよね。
音波吸収材1枚を使うのでなく、横3枚、縦3枚になるように並べて、合計9枚を使ったとします。例えば、右耳の傍に音波吸収材9枚、左耳の傍に音波吸収材9枚を使ったとします。
さて、音は聞こえなくなるでしょうか?
部屋の防音工事をしたことがある人は分かるでしょうが、通常、部屋全体を防音にすることが求められます。壁、床、天井のすべてで防音が必要になります。
マイクロ波対策も同様であり、壁、床、天井のすべてで電磁波を遮蔽することが求められます。
ところで、マイクロ波聴覚効果を応用した無線通信システムを使って、送信機から被害者の頭部にマイクロ波ビームを照射している場合、受信機も使って頭部で反射した反射波を受信しています。
要するに、マイクロ波聴覚効果を応用した無線通信システムは同時に対人レーダーでもあり、送信機、受信機などが搭載されています。
被害者が電磁波シールドルームに移動したときには、反射波が通常より微弱になり、観測が困難になります。そこで、送信機から被害者の頭部に照射するマイクロ波ビームの出力を大きくして、反射波の計測を容易にします。
日常生活で例示すると、テレビを視聴していて、音が小さいなと思ったときには、音を大きくして聴きやすくしますよね。
マイクロ波聴覚効果を応用した無線通信システムでも同様であり、受信機が受信する反射波が微弱になったら、反射波が大きくなるように何かを調整するだけのことであり、これが送信機から頭部に照射する電磁波ビームの出力を大きくすることに対応します。
マイクロ波聴覚効果を応用した無線通信システムでは、送信機の出力調整は人間でなく、機械を使って自動的に調整しています。要するに、対人レーダーには自動ゲインコントロールが搭載されているということになります。
電磁波シールドルームに移動したときとか、海の中に潜ったときとか、海底トンネルを自動車で走行しているときなどは、マイクロ波ビームを照射する送信機の出力が自動的に大きくなっているだけのことです。