医療の進歩、最新の医療を正しく理解し
玉石混淆の情報で怪しい治療に流されない
ためには、
まず、「標準治療≒保険診療」を
知っておこうよ、押さえておこうよ、
ガイドラインをツールとして
それぞれの治療のメリット、デメリットを
主治医と話し合って
(場合によっては、セカンドオピニオンも
受けて)
患者自身が納得して治療選択する、
場合によっては、人によっては、
先進医療や臨床試験も検討してみる、とか
その上で、代替療法(補完療法)は、
追加で、考えようよ
※その上で、
年齢や基礎疾患や、癌の種類、状態や
それぞれの価値観で、
選択は変わってくるのだと思います。
という主旨で
⚫標準治療(≒保険診療)とは何か、
乳癌治療の目的と概要
⚫標準治療(≒保険診療)の
具体的な治療手段、各論として、
手術、薬物療法、放射線療法
について、過去記事を再掲してきました。
タイミングよく、ブログ上のご縁があった
広島大学病院乳腺外科ブログで
術後補助薬物療法の目的
についての
解説記事が発信されていましたので、
ご紹介リブログさせていただきました。
⬆リンクを貼っておきました。
お読みでない方は、先にこちらをご参照下さい。
目的は、
「将来の再発転移の可能性を低くするため」
ですが、
再発転移の可能性も
乳癌患者によって異なり、
再発転移の可能性を低くする薬物も
乳癌患者によって異なります。
では、どうやって治療方針が提案される
かという点について、
をご紹介しました。
医師にお任せ、ではなく、
自分の命、自分の癌なのですから、
患者も、周囲も、将来の罹患者も、
その程度のことは理解した上で、
過剰な期待を医師に求めすぎて
期待通りでなかった時に
心が折れてしまったり、
石や藁やインチキ医療に
騙されないようにしましょうね、
という主旨で、
2017年に書いた記事なので、
若干古いですが、
考え方の基本は変わっていないので、
こちらも再掲します。
ただし、再発転移リスク因子から
過去の患者集団の統計数値を基に
リスクを予測するモデルは
例えば上記でご紹介した
愛知県がんセンター公開講座
(をレポートしたがんナビさんの記事)
では「predict」をご紹介していますが、
知りたい方は、
適宜のモデルを検索して、
各因子にご自分の値を入力して
(当てはめて) 予測してみて下さい。
※あくまで患者集団としての数値ですが、
私の値をpredictに入力してみていただければ
初期治療が終わったからといって、
安易に根治または寛解したと思えない状態で
あった(ある)ことが、ご理解いただけるかと
思います。
ハッキリ書きましょうか、
ベースライン5年生存率11%、
10年生存率は数値が読み取れないグラフの幅😢
ハーセプチンと抗がん剤治療をして5年生存率
30~40%と予測される、
経験豊富な医師から聞いた数値的な感触も同様、
そんな感じでしたよ…。
そして、残念ながら10年生存率が5年生存率から
横バイ、一定か(5年て一安心か)というと、
このモデルでも、そうでもないのも見てとれるかと…。
(だいたい、どの統計、予測モデルでも
似たりよったりかな、数字の差はありますが…)
その少ない生存率に入ればよい、
ということで、苦笑。
(統計は参考にするけれど、統計だから…)
しこりに気付いてからは5年は経過しているし、
診断・告知・治療開始からも、もうすぐ5年、
術後からの経過年数であっても、あと1年は
生きている可能性が非常に高い状態ではあるので
私について言えば、とりあえず
5年生存率の30~40%の中には
入ったと思うな。
繰り返しになりますが、
私は標準治療、すなわち、
西洋医学の三大治療
(術前化学療法:昔ながらの抗がん剤、分子標的薬
アンスラサイクリンFEC
➡タキサン ドセ+抗HER2分子標的薬ハーセプチン
手術: 乳房切除術(全摘)
+レベル2までの腋窩リンパ節郭清
放射線:胸骨傍を含む胸壁+鎖骨上領域 2×25グレイ
術後補助化学療法:ハーセプチン1年)
+ α(ハーセプチンと合わせての
免疫細胞療法:活性化自己リンパ球療法
⬆お勧めするわけではありません)
全ての治療に感謝しています。
(私の乳癌については、治療を受けずに今の状態が
あるとは到底思えないですし…
HER2、トリネガ
~乳癌の中では両方合わせて3割程度かな~
は似たような感じの人、すなわち、放置したら
速く進行しちゃう人が多いよ、一方で抗がん剤や
特に抗HER2薬の効果のある確率は結構高いよ
~治るか治らないか、0か100かしか考えない方々
が言うほどの効果ではないかもしれないけれど~
知った上で判断した方がよくない?
と私は思うので、経験者として、一罹患者では
ありますか、ブログ記事を発信してきました。)
ー◆ー◆ー◆ー
(元投稿:2017/8/4)
ご訪問ありがとうございます。
私は、微小転移がないと思える点を見い
出せない、ステージ3Cゆえ、
※強いて言えば、若年じゃないわね、
HER2の場合、年齢は、あまり関係なさそう
ですが、、
転移リスクの判断に悩むこともなく(-_-;)
もっぱら、抗がん剤+分子標的薬が
効く(微小転移を撲滅する)かどうかだけが
気になったのですが、
再発転移予防(再発転移確率低減)が目的の
術(前)後の抗がん剤治療について、
一般的なことを書きたいと思います。
日本乳癌学会の、
「患者さんのための乳癌診療ガイドライン」
にも、かなりしっかり書かれていますが、
重要なことなので、ここでも書きます。
手術可能な(乳)癌患者全体でいえば、
概ね、半分の患者は、
何もしなくても、再発転移しません、
すなわち、術後に微小転移は存在しません。
だから、
微小転移のある人にだけ、
再発転移リスクを下げる
可能性のある
抗がん剤治療をする、
ということができれば
よいのですが、
微小転移が
あるのか、ないのかは、
現代医学では、
判別できません。
※近藤誠先生理論の、がんもどき説が
たとえ正しくても、がんもどきか、
本物の癌かを、転移してからでないと
識別できないのと同じ話。
したがって、
再発転移リスクを予測する因子で、
(これも、絶対ではない)
リスクの高い人全員が、
(微小転移のない人にも)
抗がん剤治療を
勧められます。
だから、患者自身が、
その抗がん剤治療をするか・しないかを
よく考えて、判断する必要があります。
⬛再発転移予測因子(高リスク)
・腫瘍が大きい
・リンパ節転移あり
・癌細胞の悪性度が高い
・Ki67(増殖能)が高い (>13%とか>20%とか)
・HER2陽性
・脈管侵襲あり
では、術(前)後に抗がん剤(+分子標的薬)
治療を受けた場合に、どのくらい、
再発転移率を低減できるか。
説明のための数字は、
「患者さんのための乳癌診療
ガイドライン」 の数字を使います。
再発転移確率が 60%の患者集団では、
抗がん剤を使わなかった場合、
100人中、60人が再発転移し、
残りの40人は再発転移しません。
この再発転移する60人に、
アンスラサイクリン+タキサンの
抗がん剤治療をすると、
再発転移する人は40人に減らせます。
すなわち、20人は抗がん剤のおかげで
再発転移を免れます。
※再発転移低減率は、33.3%と言って
います。
(種類もステージも混在したエビデンス
に近い値を置いているとは思いますが)
「33%低減した」と言われた時に、
60%が27%に減る、と勘違いしない
ようにね。
60%が40%に減る、だからね。
利益を受けるのは20人で残りの80人は
何の利益も受けず、副作用だけは被ります。
副作用は、100人全員に発生します。
(大小は個人差ありますが)
その程度の治療だ、ということは、
理解しておきましょう。
因みに、HER2タイプはハーセプチンの
おかげで、低減率は33%よりは高いです。
また、何度か書いていますが、
アンスラサイクリンの心毒性は、
不可逆性で怖いことも、
認識しておくべきです。
ご自分の
・転移リスク(予測)
と、
・抗がん剤をするメリット(予測)
・副作用の怖さ、デメリット(予測)
を天秤にかけて、
ご自分で、
よくよく考えて、納得した上で
再発率低減の抗がん剤治療を
受けるか、受けないか、
後悔しない判断をしましょうね!
⬛考え方の一助に
・受けずに、再発転移したら後悔するか?
・受けて、重大な副作用を被った場合、
再発転移しなくても、後悔するか?
・受けて、重大な副作用を被り、
再発転移した場合に、後悔するか?
アンスラサイクリンをするかどうかは
議論の分かれるところだと思いますが、
(HER2タイプはアンスラサイクリンの
奏効率も高いという説もあります)
HER2タイプ乳癌は、癌そのものが
怖い(増殖能が高い、進行が速い、
転移しやすい、予後が悪い)ですから
少なくとも、ハーセプチン治療はすることを
私は、強くお勧めします。
※一般的に、ハーセプチンの副作用は、
昔ながらの抗がん剤の比でなく軽いです。
心毒性も可逆性(元に戻る)と
言われています。
パージェタも認可されたら、
ハーセプチン+パージェタ治療をすることを
私は、お勧めします。
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