医療の進歩、最新の医療を正しく理解し
玉石混淆の情報で怪しい治療に流されない
ためには、
まず、「標準治療≒保険診療」を
知っておこうよ、押さえておこうよ、
ガイドラインをツールとして
それぞれの治療のメリット、デメリットを
主治医と話し合って
(場合によっては、セカンドオピニオンも
受けて)
患者自身が納得して治療選択する、
場合によっては、人によっては、
先進医療や臨床試験も検討してみる、とか
その上で、代替療法(補完療法)は、
追加で、考えようよ
※その上で、
年齢や基礎疾患や、癌の種類、状態や
それぞれの価値観で、
選択は変わってくるのだと思います。
という主旨で
⚫標準治療(≒保険診療)とは何か、
乳癌治療の目的と概要
⚫標準治療(≒保険診療)の
具体的な治療手段、各論として、
手術、薬物療法、放射線療法
について、過去記事を再掲してきました。
タイミングよく、
広島大学病院乳腺外科ブログで
術後補助薬物療法の目的
についての
解説記事が発信されていましたので、
ご紹介リブログさせていただきました。
⬆リンクを貼っておきました。
お読みでない方は、先にこちらをご参照下さい。
目的は、
「将来の再発転移の可能性を低くするため」
ですが、
再発転移の可能性も
乳癌患者によって異なり、
再発転移の可能性を低くする薬物も
乳癌患者によって異なります。
では、どうやって治療方針が提案される
かという点について、
先の記事と同様、同じことを
専門医が書けば納得し、私が書けば叩く、
人々も一定数、相当数かな?
いらっしゃるようですので、
以下の記事をご紹介します。
3月名古屋開催では自分で聞きに
行けなかったのが非常に残念でしたが、
愛知県がんセンター公開講座
※HER2陽性乳癌患者は、愛知県がんセンターの情報は
ウォッチしとくといいんじゃないかな、と、
個人的に思っています。
のレポートが、
私が乳癌に関する情報を
いつも読ませていただいている
がんナビ(日経BP社)さんに
掲載されていましたので
ご紹介させていただきます。
2019/3/19
『 愛知県がんセンター公開講座より
「再発リスク・サブタイプ
・患者さんの状況」の3次元
で考える乳がんの治療方針
早期発見と適切な標準治療が治療成績を
向上させる
八倉巻尚子=医学ライター』
⬆こちらに、リンクを貼っておきました
愛知県がんセンターさんの
統計数値が出ていますね。
ステージⅢBまでしか出ていない
※皮膚浸潤だけだったらステージⅢB
(ステージⅢCは手術不能なリンパ節転移があるから、
やはり術後補助薬物療法の数値には使われない、
微妙な立ち位置…)
ですが…。
ステージⅢBともなれば、抗がん剤治療が
主体のはずですが、
28.5%➡60.9%は画期的
※癌と無関係な方々から見れば、
な~んだ、その程度か、と見えるかも
知れませんが、
各癌種への抗がん剤の奏効率を知っている
人(私も)から見たら、
画期的な数字に見えます。
乳癌は、卵巣癌と並んで、
抗がん剤が効きやすい癌腫であり
(ホルモン治療もあるし…
元々、ホルモン陽性/HER2陰性乳癌は
総じて~患者集団では~予後が良い、
上記記事にも書かれている通り)
抗HER2薬ハーセプチンも大きく寄与
しているのではないかと思われますが、
そもそもHER2陽性乳癌は
(増殖能が高いからだと思いますが)
アンスラサイクリン+タキサンだけでの
奏効率、もっと言うと、
アンスラサイクリンの奏効率も高い
臨床研究数値も
初期治療の頃、いくつも見ました。
HER2タイプのCR率67%
(これはハーセプチンが加わった
アンスラサイクリン
➡タキサン+ハーセプチン
の数字だったかと記憶していますが)
は当時私も検索して見た論文かと思います…。
乳癌患者集団の中の
・再発転移リスク(再発転移の可能性)、
・術後薬物療法として使用される薬剤
ーその再発転移リスク軽減率
~効果、メリット~
(再発転移リスクを下げられる可能性)
ーその副作用 ~デメリット~
も、サブタイプに分けた患者集団
(今のところ、ホルモン受容体有無と
HER2タンパクor遺伝子増幅有無によって
4つに分類される
さらに因子と治療が開発されれば細分化していく)
によって異なります。
それが、現在の
乳癌術後補助薬物療法の
エビデンスであり、標準治療です。
(そこまでは、現在でも昔に比べれば
進化しているということ。
HER2に対するハーセプチンの開発は
大きな進歩だと思います。
さらに、昨年10月、抗HER2薬パージェタ
の追加も認可されました。
そして今、さらにゲノム医療の研究が
進み、治療が開発されつつあり、
開発されれば、乳癌診療ガイドラインや
標準治療に組み入れられていく、
はずです)
さらに、重要なことは、
個々の患者の身体状況や生活状況・価値観
によって、
治療する・しない
は変わりうるのです。
乳腺専門医も公開講座で語られています。
ご理解いただけますでしょうか。
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