・バッシングに「論理」は必要ない
僭越ながら、記事を拡散して下さった方々に異議を申し立てるのではありません。
今回記事にさせて頂くのは、私自身がここ20年で体感してきた日本社会の「言論構造」そのものに対する批判です。
当該かっちんさんの記事は、「差別に反対する日本人の声」を取り上げられたものですが、正直なところ、「この国にありがちな切り口」というか、最後に「朝鮮総連の影響下=北朝鮮との繋がり」とネガティブに綴られたあたりで、日本リベラルの『限界性』は確実となりました。
朝鮮学校に対する行政差別に反対することは大いに賛同致しますが、問題の大本である『北朝鮮に対する敵対姿勢』を消し去ることが出来なければ、この問題は“永遠に継続する”わけで、どちらかが消滅するまで繰り返される宿痾(しゅくあ)となるでしょう。
長きにわたるマスコミのイメージ操作によって、『こういう反差別のやり方』しか出来なくなるわけで、差別問題に関心のある日本人の数は「圧倒的少数」である事実を俯瞰した上で、その少数派の認識も「この程度」である状況で、大多数が無関心と負のイメージで構成される日本社会に期待することなど、もはや何一つもない。
シビアですけど、実は皆さま方が“心の底で認識している現実”だと思います。
日本語しか操れず、それ以外の情報を能動的に摂取できない日本人にとって、とにかく自国メディアの影響力は「絶対的」で、自己認識に多大な干渉を及ぼし続ける構造は、ある種の「日本人的鋳型」を作り、その代表例が中国に対する『感情的憎悪』であり、かの国やることなすこと全てに文句をつけ、アメリカのコバンザメをやるのがデフォルトになっている。
『次期衆議院選は神奈川4区から(Live配信2020/9/5)』
https://www.youtube.com/watch?v=TW9IVAo9QcQ
それに付随するのが「北朝鮮憎悪」であり、過去の歴史問題でも、中国や韓国に対してのニュース報道はあっても、なぜか北朝鮮だけスルーされ続けており、ひとたび歴史を振り返れば、大日本帝国の苛烈な植民地被害国であるのに、何かと人々の頭の中では『悪なる存在』として固定化された。
2020年9月17日号 『週刊文春』記事より
所謂、核やミサイル問題でも、近代の朝鮮(大韓帝国)が国防を蔑ろに、大国依存の他力本願な政治に終始した結果、国を奪われ地獄のような奴隷状態を味わった反省から、主権を維持するためのあらゆる努力を惜しまず、この殺伐とした国際社会で生き残るためには、その頂点たるアメリカと対等に渡り合うために、フカシではない胆力の総体として、一度熱戦を経験し、何十年も制裁や軍事的恫喝を受けようとも、ビクともしてこなかった実績がある。
しかしながら、歴史をまるで勉強してこなかった多くの日本人は、北朝鮮に対する基礎的情報を一切持たず、拉致問題を期に「ぽっとでの独裁国」という、そうした強烈な脅威心と被害者意識を保ちつつ、日々のマスコミによるバッシング報道によって強化され、知的に探究する努力を放棄する脳みそを持つに至った。
アメリカや日本であろうが、「絶対権力」を握るオピニオンリーダーたちの承認とバカ高い供託金を通じて、初めて「民意」を名乗れる資格を与えられる。それが選挙制度で「金持ち政治」が固定化される“民主主義の偽善”において、その教条主義で中国やロシアが攻撃されるわけだが、これらを『貴族政治』なり『ディープステート』や『軍産複合体』による政治と、さまざまな表現で描写されようとも、終局は「民衆自身に主権がある」と言える状況ではないのが実情だ。
事実、物理的や心理的にも、果ては「生き方」さえまでも、常に私たちは彼らに『お金』で飼いならされ、何一つ主導権がない状況で、ある種の虚無主義に陥った大衆が「政治的無関心」となり、そうした停滞をよそに、政治は「大企業中心」で動いてきた。
これが『民主主義の真実』という、遠からずの答えであり、バラ色のユートピアのごとく周囲にえばり散らすほど美しいものではない。
話は拡大したが、日本が歴史問題で批判を受ければ「反日」と黙らせようとするかのごとく、「北朝鮮」という言葉は、それと同様の「無条件に絶対優位で相手を攻撃できる」魔法のワードであり、これは左巻きのリベラル勢力でも病的なほど持ち出されている。
すべては空疎なイメージでしかないのだが、ちょっとでも「気に食わない」と感じたら逃げ出したり、上述のレッテル貼りでその場をやり過ごす方法が、この国の閉塞を加速させるわけで、すでに限界が見えている以上、差別問題で誰がなんと言おうと期待する気持ちは起きない。
仮に褒めたところで、日本が良くなるのかと言えばそうではないし、せいぜい一部界隈の共有認識で終わるのが関の山、あまつさえその評点すら低い(その理由は冒頭で述べた)。
<参考資料>
・かっちんブログ「堅忍不抜」 『朝日新聞 声 ご覧ください。朝鮮大学校の「差別」やめよう(日本の方の声)』記事
https://ameblo.jp/sanpurena/entry-12622871383.html
・2020年9月17日号 『週刊文春』記事
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【歴史学を学ぶ大切さを伝えるブログ(ふーくん)】
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