琉球新報社説2018年5月2日 乗松聡子さんの論評(友人のライン画像より)

 

 

先月の南北首脳会談を見て、一体どれだけの日本人が重要視されたのでしょうか。

 

ジャニーズタレントの不祥事ニュースに噛り付いて、寒い偽善者コメントをしたり、野次馬根性丸出しで、騒ぎ立てる下らない世の中が今の日本の現実ですが、少なからず、心に響く論評を書いて下さった方がいたことを知って、世の中まだまだ捨てたものではないと思いました。

 

今回、琉球新報の社説で述べられた乗松聡子さんのお話を見ていくと、北朝鮮のことを「朝鮮」と明記したり、書き手としては「日本的風味」、いわゆる『西側史観』の歴史にとらわれず、事実、朝鮮半島が日本の植民地支配から解放されたとき、関東軍(朝鮮半島北部~満州地域に駐屯していた日本軍)朝鮮軍(朝鮮半島南部に駐屯していた日本軍)との境に、後者のほうに米軍が進駐してきて、乗松さんが述べられたように「親日派」や、戦前の日本が残していった「在韓日本資産」(これは本来朝鮮半島の民衆に還元されるべきもの)を利用して、李承晩らをはじめとする買弁右翼の育成につなげ、事実上「アメリカ植民地」としての大韓民国を成立させました。

 

当時の国際情勢をみても、ジュネーブ会議を無視し、非民主的な行動を取り続けたアメリカの態度や、すでに社説にも触れられているように、メースB原子砲(アトミック・キャノン)など、核搭載のミサイルや砲弾を韓国(南朝鮮)に持ち込んだアメリカは、『核なき時代』の小国であった北朝鮮に対して恫喝を続け、常に圧倒的物量で威圧してきた歴史を、私たちはしっかりと認識しなければなりません。

 

彼らアメリカ人の本音は、英語ブロガーで拙ブログのアドバイザーでもあるMichikoさんが、自身のブログ『No risk, no say』のサンプリング調査で明らかになっています。

 

Do you think your military should be squatting in east Asia?①

 

Do you think your military should be squatting in east Asia?②

 

 

彼らは絶対的にアジアを見下し、「奴隷」である日本人の上に君臨して、今もなお日本の主権や法を蔑ろにし続けています。この連中ほど、世界に大迷惑をかけようとも知らん振りでいられる、想像力に欠けた生き物は珍しいでしょう。

 

 

現代史が始まった直後に起きた朝鮮戦争は、半島全域に戦争末期の日本全土の空襲の「4倍」に相当する爆弾が降り注がれ、多くの民衆が殺され、また住む家も失いました。

 

つづく朝鮮半島が経験した歴史の中で、日本は「戦後」と称してぬるま湯に浸かってきたのとは対照的に、常に「非日常」を強いられ、熱戦につづく冷戦構造の中で、自国の経済規模から考えても、超大国アメリカと渡っていくには、現実的に考えて「核武装」しかなかったのです。

 

その中で、乗松さんがご指摘されているように、「国民の認識」たる日本のメディアの姿勢は、意図的に先の植民地支配を遠ざけ、戦後のアメリカの傍若無人な振舞いからも目を伏せる形で、90年代をはじめの「ミサイル騒動」や、00年代における「核開発」や「拉致問題」を境に、いかに「野蛮で不気味な国」であることを殊更吹聴し、辺真一氏などの在日コリアン出身の「御用解説者」を使い、自分たちが犯した過去の罪とも向き合うことなく、北朝鮮に対する滅茶苦茶なバッシング報道を繰り返していくことによって、国民世論を扇動し、一切異論が挟めないような異常な空間へと仕立て上げました。

 

『拉致問題』『領土問題』にせよ、本来は二国間のみで解決すべきクローズドな話題を、東アジアが平和になろうとする「その時」に繰り出す的外れさや、空気の読めなささは、もはや致命的と言わざるえなく、「今それ言うか?」という具合に、普段から芸能ニュースや下品な話題ばかりに飛びつく国民性からしても、一度日本人が真剣に直さなければならぬ時期に来ていると思います。

 

じゃなきゃ本当にこの国は終わります。

 

沖縄の問題にしても、中国に対する認識にしても、聞きかじった程度の歴史認識でレッテル貼りを行い、人と人単位で繋がらないで、自らの偏見を滑走させているようでは、永遠に東アジアで孤立し続けるでしょう。今は「お金」があるから、それなりの関係を維持てきていても、費えた先には闇しか待っていません。

 

日本人には「心苦しい」かもしれませんが、事実であり、我が国の先の未来を考えた上でも、在日コリアンの問題にしても、日本は何一つ解決できていない状況で、「その口」で拉致問題や人権を叫んでも、まったく説得力がありません。

 

ましてや、朝鮮半島と日本の問題を語るにおいては尚更です。

 

『板門店宣言』からもあるように、「南と北は、民族分断で発生した人道的問題を至急解決するために努力し」とあるように、なぜ今まで拉致問題が解決しなかったのかと言えば、それはひとえに日本の「態度」にあると言わざるえないでしょう。

 

その詳細は先にも述べた通り、日朝二国間における「コミュニケーション」を構築する前に、相手をディスり、愚弄し、その海外邦民である在日コリアンに対する不当な差別行為を常態化させている国と、どうしてまともな議論ができるのでしょうか。

 

こんなこと、3秒頭で考えればわかることですが、感情に溺れてしまっている日本人を説得するには、「当たり前のこと」ですら通用しない、その反面、どんなにアメリカからは酷いことをされても一切ダンマリとくれば、こりゃ可笑しいぞと、誰もが思うでしょう。

 

 

最後に、乗松聡子さんが述べた言葉を引用する形で、今回の記事を終わりたいと思います。

 

「長い苦悩の末に南北の指導者が手を握り、民族の団結を誓う姿に、一人一人の日本人がどう向き合うべきなのか。ゆるぎない歴史認識こそがその指針を与えてくれると信ずる」

 

 

【追記】

 

Will you accept a presence of foreign military?②

 

このアメリカ人の言葉は、「半分嘘で半分事実」です。

 

くやしいですが、日本が東アジアの平和を望まず、ネチネチ朝鮮や中国に嫌味ったらしい物言いを続けていたら、本当にこのアメリカ人の言う通りになってしまいます。

 

見境もなく「拉致問題」を持ち出して、本来それが北朝鮮と二国間で解決すべき問題にも関わらず、さらには過去の歴史とも直視せず、あまつさえ持ち出すタイミングすら考えることができず、この先金もなくなり、老人ばかりの国となり、正真正銘の「東アジアのボッチ国」となれば、もはや生きていくことはできません。

 

ましてや、そこにアメリカは付け込んでくるのです。

 

彼らは、私たちが想像する以上に、日本の「弱み」を知っていて、「お前友達いねーんだろ?だったらオレの言うこときけや。守ってやるからさw」という具合に、現在進行形で私たちを脅してきます。

 

 

<参考資料>

 

・琉球新報社説朝刊P3 総合I版 2018年(平成30年)5月2日 水曜日 記事 

 

・Michikoさんのブログ『No risk, no say』

https://feckless.hatenablog.com/

 

Do you think your military should be squatting in east Asia?①

 

Do you think your military should be squatting in east Asia?②

 

・同『Cluttered talk blab blab blab』

 

Will you accept a presence of foreign military?②

 

 

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