市長が市民モニターを対象に行った議員評価アンケートについては、今回の定例議会において山本数博議員が一般質問で追求し、中国新聞にも記事が出ましたので、再度本会の見解を通信に載せます。



なお、「小町さん」が、ツイッターで統計学から算出した必要サンプル数を提示され、この調査を評価していますので紹介します。

また、山本数博議員が統計に詳しい知人から得た必要サンプル数も、同様の数字になっています。



無作為で抽出する場合、一般には許容誤差5%、信頼度95%に設定するので必要サンプル数は300人台後半です。中国新聞の調査はプロがやっているだけあってこれを軽くクリアしています。ついでながら今回の調査は市民モニターという特定の集合だけを対象としていること、そして各議員の活動を知っている人はほとんどいないことから、統計学的には無意味でしょう。




[本会の見解]


① 首長が、市民に個々の議員の評価についてアンケートした例を、インターネットで調べましたが、残念ながら見つけることは出来ませんでした。

全国で例が見つからないということは、今回のアンケートは、異常なことであったことを示しています。



二元代表制の下で、「チェックされる側(市長)」が「チェックする側(議員)」を評価するという常識外なもので、法律に触れなければ何をしてもいいというものではありません。

正直言って、全国の笑いものです。



② 市民モニターの目的は、「安芸高田市が取り組む施策に対する評価や要望をお聞かせいただき、・・・」と明記されており、質問内容からみても、この目的から完全に逸脱しています。

市長と議会が紛糾している中で行われた市民モニターへのアンケートは、市長による公的制度の政治的利用だといわざるを得ません。



③ 市政をチェックしている本会の役員でも、A町の役員はB町の議員の活動についてはほとんど承知していません。

市民モニターも同様の状態でしょう。

したがって、市民モニターは他町の議員の評価をすることはほとんど不可能で、当然調査結果は正確性を欠くものになります。



④ 市民モニターは、行政に対して関心を持っている市民が多いと思われます。

一方で、市長の市政に批判的な市民は、市民モニターになることに敬遠しがちです。

したがって、市民モニターは、市長を支えたいと思っている市民が多いと推測されます。

市民モニターがこうした傾向を持っておれば、アンケート結果は、偏った結果になることが想定されます。



⑤ アンケート結果には、年齢層別の回答者数が出ていません。

回答者に年齢層の偏りがあれば、回答者総数が79人と少数であることから、回答にも偏りが生じている可能性があります。



⑥ アンケート結果を見ると、③、④、⑤で危惧した結果が如実に出ています。

市長に近い議員5人には高い評価が出ており(特に近いとされる3議員には過半数前後の高評価が出ています)、他の議員については、散々な結果となっています。

ここまで、はっきり差異が出ると、このアンケート調査が、いかにずさんで、恣意的なものかがわかります。



⑦こうした結果を、8月25日の記者会見で披露し、市の広報誌に2ページに亘って掲載する市長の常識が疑われます。



注 [本会のアンケート調査について]


市長は、本会のアンケート調査表中に、「市長の議会攻撃」についての記述があることをもって、「アンケートの回答者に先入観を与えるもので、アンケート調査としての評価に値しない(要約)」と主張していますが、本会は、「市長の議会攻撃が、市政混乱の原点で、現在の市政の実態であり、石丸市政を的確に表現している」と認識しており、「この石丸市政について市民の評価を問う」ことを調査の目的にしています。

したがって、石丸市政の実態を示したものが、何らかの先入観を与えたとしても、石丸市政に対する市民の評価に大差はないものと判断しています。