早稲田松竹で上映中の「大いなる沈黙へ」を見てきました。
フランスアルプスに建つグランド・シャルトルーズ修道院での修行の生活を撮ったドキュメンタリーで、BGMもナレーションもない2時間49分の大作です。
「大いなる沈黙へ」公式サイト
もっとも厳しい修道院の一つといわれるだけあって撮影許可が得られるまで16年かかったそうです。
監督は修道僧と半年間生活を共にしながら自ら撮影をしたそうですが、修道僧と同じような生活をしたので一日に1~2時間分くらいの撮影しかできなかったそうです。
しかし、それだけのことをしただけあって実際に修道院にいるような臨場感が感じられました。
効果音なしの約3時間ということで、見るのはキツいのではないかと、かなり構えて行ったのですが、まったく退屈することなく、それどころか、とても興味深く見られました。
BGMもナレーションもないことで落ち着いて修道院の雰囲気に浸るように見ることができました。そして、じっくりと考えることも。
そして、テレビなどのBGM・ナレーション山盛りの番組で垂れ流され続ける浅薄な情報のせいで、いかに自分が思考停止にさせられているのかを痛感しました。
面白かったのは、修道士は日曜日の昼食後の散歩の時くらいしか話すことが許されないのですが、猫にエサをやる時だけは口をきいていたことです。相手が人間でないからいいのでしょうか?
また、手製の「かんじき」みたいな道具をスノボみたいに使って雪遊びをしていたのも意外でした。
しかし、なにより素晴らしいのは聖堂での儀礼の場面です。それはぜひ実際に「体験」していただきたいと思います。
早稲田松竹での上映は9日までです。
(冒頭の「早稲田松竹」の文字をクリックすると、公式サイトへ飛ぶことができます)