その瞬間は、なんの前触れもなく訪れる
いつものようにキッチンで水を汲もうとしたら——そこに、奴がいた。
「交換」
そう、あの青く光る文字。
浄水器に宿る小さなランプが、こちらをにらみつけるように主張しているではありませんか。
「そろそろ私を変えなさいよ」と。
まるで、半年に一度やってくるお役所の督促状のように。
思い返せば前回の交換は2月14日。
バレンタインにチョコではなくフィルターを贈ったあの日から、もう半年が過ぎたのです。
なるほど、6ヶ月ごとという標準サイクルをほぼ忠実に守っているあの小さなLEDランプ、意外に正直者。
今回の主役は、我が家の誇る JF-47 高性能フィルター。
「高性能」と聞くと頼もしい響きですが、性能が高いゆえに許容量は控えめ。
大量の水をろ過するタフガイというよりは、繊細だけど一流のシェフのような存在。
半年で「もう限界っす」と言ってくるのも無理はありません。
しかし!やはり水の味は段違い。
新しいフィルターに交換した直後の一杯は、まるで天然水の採れたてを飲んでいるかのよう。
コーヒーはキレが増し、お茶は香りが立ち、ただの白湯ですら「ごちそう感」をまといます。
だからこそ、私は逆らえないのです。
青く光るあの小さな文字に。
「交換しなさい」
「もう限界よ」
「放っておくと後悔するわよ」
そう囁くかのように輝くその光に抗えず、今日も私はフィルターを取り替えるのです。
——はい、完了。
さて、また半年後。
バレンタインか、はたまた真夏の夜か。
青い光と再会する日まで、おいしい水ライフを楽しむとしましょう。













