・証券会社の営業マンからかかってくる電話の声で上げか下げかはわかるね。声にリズム感があってツヤがあれば、まだ株は上がる。
・人相や態度こそ一時はゴマ化せるが、声、はゴマ化せぬ。生まれの良し悪しから性格、まで全部出ている。運命さえ判る
・大物はあんな金属的な声はもっていない、絶対に」
・銭湯に一しょに飛び込んで、ヘソを見とけ。太っ腹で、ヘソが下を向いてる奴には気をつけるんだな。そういう奴で、こなれの悪い声をもってたら、犯罪者とみてまちがいなし
・何となく華奢な感じの爪を持っていて、しかも野太く、語尾を殺した声をもってる奴、これも用心するに越したことはない。犯罪者ときめつけることもないが、乗ってるムシロをいつひっくり返されるか判らん
・それから、血の色の失せた爪で、声が、こましゃくれていて、しゃがれ声だったら、これは十中八九、短命。もし、お前さんの御亭主がそうだったら、保険金を多目にしとくんだな。薄情のように感ずるだろうが、二度泣きを見ないためにはそうするよりほかにない
・牧師でなくとも眠そうな声で、しかも、キャラメルでもしゃぶっているようなネットリした声の持ち主は、これは少しばかり厄介だね。男でも女でも、こういう声の持ち主は、何事につけても執念深い。たとえば二十年前にいわれたちょっとした言葉でも憶えているし、根に持っているものだ。悪口など耳にしようものなら、墓の中にまでそのウラミを持って行く
・芸術家連中の声はまあお葬式の声、とでもいったらいいかね。だから、作家とか絵描きなどで、金属的な、張り切った声をしてる奴がいたら、これはニセモノと思って十中八九マチガイなし
・精神の作業、といういいかたも何ともイヤな感じがするが、まあ、それにたずさわる人間の声は、沈んで低くなる。作品をつくり出す、ってのは、別言すれば、何かを葬る、ってことだからな
・甲高い声、自分だけ感激している声、の持ち主は、大たい、その精神の作業が嫌いだし、無理して努力してもダメなんだよ。そういうのは外向型のおっちょこちょい、でいながら、内面では陰険なことを企んでる手合いが多い。が、総じて小物なんだ
・ヒステリー気味の、調子のあがった声、金属的な甲高い声は、指導者にあっては、それは一つの愛嬌になりこそすれ、決して人々を信頼させる声ではないのである。こちら側からいえば、信頼できない声、なのである
・詐欺師やそれに近い犯罪者 つまり、知能犯には、この声高の持ち主が圧倒的に多い
・その仮面の動物である人間も、『声』だけはこれを装おうことができないのだ。装えば、その装おうことそのこと自体によって、当の人間の地金があらわれる
・何となくバランスがとれていない、という奴に対しては要注意に越したことはない。たとえば、極端に瘠せた奴の野太い声、とか、堂々たる押し出しの人間のか細い声、とか。『?』と感じたことを、そのまま素通りにさせないで、その、『?』を大事にすることだ。大事にして、忍耐強く観察することだ
・性と声ほどピタリ重なり結びついているものはないのだ。この声と性にこそ声相と性格、運命の関係を解く最大の鍵があるといっていいほどなのだ。たとえば、こっそりオナニーに耽っている奴の声もすぐにそれと判るし、オナニーの無経験者の声もむろんすぐ判る。活力がそこから岐れるし、仕事の成功、運の展開もほとんどは性から来る。性に根ざしている。 ・・・性と声の関係、むすびつきを荒唐無稽のこじつけと思う者も多いだろうが、どうしてどうして、これほど緊密な関係もない位なのさ。
・ぜんそく持ちの人を、イキが通じない、スムーズにいかない、イキをためる、つまり、ケチンボで頑固者、というふうに解釈を与えている
・短気な性格の持ち主は、表面、いくら鷹揚な表情態度を構えて話を進めようとしても、その声には、異常に緊張した性急なもの、エゴイスティックなものがあらわれ、そこに短気な性格がまざまざとうつっているのだ。
・撫で肩の人間にガムシャラな性格はないし、歪んだ人間の爪は絶対にスラリとした素直なかたちはしていない。髪の毛が濃く剛い女に繊細な行き届いた心の持ち主はないのである
・目だけで相手を見抜く、など達人の至芸であろう。大ていは欺される。鳩のように澄んだ目の男が殺人犯であったり、修道尼のような穏やかな目をした女が稀代の淫婦であったりする
・「あ、そう」というあの独特の御発声が一時、人々の失笑を買ったこともあるが、しかし、そのとき思わず笑い出した者でも、笑いながら同時に感じていたはずだ。つまり、「これはわれわれとはちがう。普通の人間の声じゃない」と。 正に、そうなのであって、陛下のお声は、ふつう一般の意味での「人生と戦う必要のない人間の声」なのである。
・この格ということから、声は先天運を示していることがわかるであろう。そして、これだけは努力とか誠意とかではどうしようもないことなのだ。
・声は、生涯、変わらないのである。声は、年をふるに従って、衰えはするが、変らない。自分の両親の声をよくきいてみるがいい。声の、老および衰、はあるが、声質は変っていないのである。そして、人間、死ぬるとき、声は絶え、虫の息となる。声は生命だからだ。
・この整形手術の驚異的な進歩を迎えた時代でも、声だけは直すことができないのである。何故か? 声は部分ではないからである。声字即一切。声は単に発声器官だけによって発声されるのではない、それは、全人格、全人間に関するもの、声はいのち、だからである。声を変えようとするなら、全人間を変えねばならぬ。ということは、バカは死ななきゃ直らないの俗言通り、声は死ななきゃ直らないのである。
・その人間の生命がひびいているものが地声である。変らない地声に微妙な変化、ニュアンスの異常を及ぼすものは、生命リズムの変化なのだ。犯罪のために狂った生命リズムが、変らないはずの地声にひびくのである。
・犯罪、野心、心の歪み・・・・等などが、その生命リズムを狂わせる、その生命リズムの直接表象たる声にその変化やブレ、狂いがあらわれないほうがおかしいわけである
・犯罪寸前、また、犯意を抱いた人間、自殺とかその他重大決意、大野心の決行を期しているなどの時、人間の声ははっきりと変わるし、何よりも間というものがなくなる、ということに注意したい
・声に『割れ』があり、ガサガサと粗い感じの声を持つ女性は、性器も粗い。絹のようなこまやかさを求めるなら、この種の声の女性を避けること。
・早口の女性。セックスのことにかけてはおよそ淡白、不感症もこの早口の女性に圧倒的に多い。
・飴でからまれるようなネッチリムッチリとした声。大たいゆっくり喋る女性にこの声質が多い。 ▽性的要求が激しい。ベットの上での<男殺し>の声が正にこれである。前技を特に好むタチである。しかも、ふだんは落ちついた、うるおいのある声だから、いかにも知性的な、たしなみ深い女に見えるが、夜も更けてくるとそれこそ大へんである。昼間のケロリとした顔が空恐ろしくなるほど、根は奔放な快楽主義者なのだ。
・ヒソヒソ話すいわゆる『病院声』。つまり、唾液不足みたいな、乾いた、弱々しい声の女性。 ▽実際に病身ならともかく、そうでなくてこのような声を持っている女性は、性的方面においてのクセ者と見てまちがいない。料理もうまい代わりに、ベットの上の料理の味を追求することにかけても、誠に執念深く、言語道断、恥知らずのオコナイに没頭する。性の激しい消耗が、声を弱々しくしている場合が多いのだ。
・腹からひびいてこない、別言すれば内蔵のひびきがのってこない、甘ったるいだけの声。鼻先から出て、鼻先あたりに絡みついて、余分に長引く声で、ある種の殿方の耳には実に快く、可愛らしくきこえる。 ▽その声の甘ったるさから想像されるほどの、良質のベッド・テクニックは持ち合わせていない。多くは独りよがりのマナーに終始して味気ないことおびただしい。 ▽ただし、性器は大変に上等である。前に書いた「絹糸の如き感触」の持ち主もこの声の型の女に多い。
・男のような声の持ち主(襖のカゲでうっかりきいているとまちがう)は性的な無知派。ないし、レズの傾向あり。前技をひどく嫌う。 ▽この声の持ち主は、性的なことに全然関心がない、というより、関心はあってもそのこと以上に関心をもつものが他にある。
・いわゆる金切り声の持ち主はすべてについて恩を感ずること薄し。忘恩の徒というより、その方面の感覚が生来欠け、およそのことにおいて自己本位。 ▽拾い物などしても猫ババこそしなくても、紛失者の困惑を思いやって然るべきところに届けておく、などの親切心に欠ける。いわば、惻隠の情に欠けている女性である。 ▽ベッド・ワークは非常ににぎやかであるが、これもあくまで自分本位。
・何となく他処ゆきの声、とりすました声、自意識過剰の声の持ち主は、不感症に近いか、または、ベッド・ワークが執拗か、そのいずれかである。
・悪声と凶声はちがうし、悪声でも味のある声もあれば、美声でも何とも味気ない声あるいは用心すべき凶声がある
・このような三流以下の人物は、大てい猫背をしているからよく観察されると面白い。あまり、パッとしない小学校の小使いさんなどによく見られるタイプなのだ。
・塩辛声と俗にいわれる声の持ち主は、その九〇%が刻苦勉励、苦学力行、貧窮から身を起こした人、と判断して間違いない。動物的カンの鋭いのもこの種の声の持ち主の特徴である。開放的で、義理人情のワナにひっかかる。
・隠れたるもの顕われざるものなし
・重苦しく、低い声の持ち主にはまず心底からの動物好きはいない。
・悪い声と凶声とはちがう、ということ。悪性でも、つまり、発声器官の条件が害われていても、まことに魅力のある声がある。故ルーズベルト大統領夫人の声は確かに悪声であったが、凶声ではなかった。 凶声とはなにか。条件抜きでゾっとさせられる声である。
・声は単なる音波ではない。血潮が流れ生命が響く。その生命が全く感じられない声が一本調子の声である。聞き手の心にひびかないのである。心が生きてなければ声も一本調子になる。いくら美辞麗句を並べ立てても、声のひびきでその正体がわかる。
「声相学入門」 十一條龍樹著 潮文社刊
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