セルフバイアス(自己バイアス)回路は便利ですね。
出力管を差し換えても、バイアス調整が要らないので。
SW-50アンプには松下製を挿して聴いていました。ふと思い立って、英国ムラード社のxf4のマークが入ったものに4本とも交換しました。
音の違いをじっくり確かめようと思って。
下は松下製で鳴らしているところ。右から2本目のEL34にはこの企業固有の大きな三つ葉のマークが入っています。三菱のマークではありませんよ。どなたかSNSで間違ってらっしゃいました。
この球たちで十分hi-fiです。
これがムラード製を挿したところ。
手前に松下製が転がっています。あっ、この光景をみて球転がしというのでしょうか。差し換え行為のことを。
さて音の比較です。
2社はよく似た音です。漫然と聴いているとわからないかもしれません。
CDはマイルスの「枯葉」
違いは殆どないのですが、しいて言えばマイルスのトランペットは、ムラード製の方が、「よりつんざく感じが希薄になる」というところでしょうか。
楽器の音自体が、「ムラードの方が丸くなるというか、より軽く、柔らかく」という印象です。
キャノンボールのアドリブパートになって、やや違いが出てきました。彼はいつもエネルギー漲るフレーズを聴かせてくれます。私は彼の演奏を聴いていると、馬のいななきを想像してしまうのです。
いつものように、松下製ではそれを感じていましたが、ムラードになってオヤッと思ったのは、楽器の残響音がよく聞き取れるのです。スタジオの奥に向かって響くのです。なにが違うのだろうと考えましたが、情報量が多いのでしょうね。
そういえばイントロの部分で、ベースの音が右側から聴こえますが、それに呼応するようにペットとサックスがユニゾンでバッキングのやや長いフレーズを低い音で演奏するのですが、この2つの楽器もよく分離して聴こえます。
さすがに世界トップレベルのEL34です。東欧製やロシア、中国製からこれを感じたことがありません。
ムラードのEL34はあと3クアッド(4本1組を3組)持っていますが、私の残りの時間から考えて、さらなる購入は不要でしょうか。
いやいや、安価に手に入るならまだ欲しいかな。