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トニーのゆっくり回覧版  真空管アンプ自作のブログ

真空管アンプの製作、音楽、生活のことなど

今日一日で、 上記の③の加工までやったので、ブログに上げます。

 

アルミ板を切断します。

 

切断と言ってますが、実際には折って切り取ります。このやり方の方が、金ノコを使うより真っすぐに、切断面もきれいに仕上がります。

 

切断する線を、カッターで切り込みます。二度、三度と同じように上からくり返して切り込みを入れます。

 

 

今度は裏がえして、裏面にも同じ位置に、くり返して切り込みます。

 

このアルミは2ミリの厚みですが、表裏に切り込みを何度も入れていくことにより、アルミの肉厚のこりは1ミリ程度になります。そうすることで折りやすくなるのです。

 3ミリ厚みでも、この方法で折っていくことが可能です。

 

このまま4センチ幅のアルミを20センチの長さで、一度に折るのはやや無理があります。なので曲げ分部を2分割して、2回で折るようにします。

 

 

 

次に簡易バイスに、半分の折り曲げ部を挟んで固定します。

 

 

アルミを手前に倒す。後ろに倒す。これを繰り返すうちにパキッと折れます。

 

 

同様に残った半分も、前後に倒して折ります。

下は全て折り去ったところです。切断面は半丸ヤスリで研磨して、仕上は240番程度の紙やすりを使います。

 

 

簡易バイスがなければ、作業台の端っこを使って、曲げ部を台から突き出しておいて、ワークを木材を当てて、C型クランプで固定する方法でもよいと思います。曲げ部は手で上下に少しずつ曲げるのです。このときは小さな角材を押し当てます。

 

これがアルミの切断方法です。

 

 

 

さて、次は電源トランスの角穴の明け方に移ります。

Φ4の穴を5個から6個ならべて明けます。トランスの角穴の内側です。外に出してはいけません。次にニッパーでこの穴をつなげます。ここには金ノコを差し込むのです。

 このニッパーは使い古しのくたびれたやつを使いましょう。

 

 

金ノコは角穴の外形線をそのまま切っていきます。

 

 

4辺を切って、中のアルミを取り払います。もうこれでいいだろうじゃありませんよ。半丸ヤスリの平面の方できれいな直線に仕上げていきます。

 

他人が自分のアンプのシャーシ内を覗く、配線の枝ぶりも見れば、シャーシ加工の仕上り具合も見ることもあります。目の肥えた方は製作者の腕を確認しようとします。

 その時に恥ずかしくない様にしておきましょう。

 

 

 

よく見ればまっすぐではありませんが、この程度ならまあまあでしょうか。

 

これが大型角穴の明け方です。今回は金ノコを使用しましたが、Φ4の穴を、4辺の内側すべてに並べて、ニッパーで切り取り、ガタガタの切断面を半丸ヤスリで仕上げる方法もありますが、この方法はヤスリがけの量が増えて、腕が疲れるのです。若いころはそれでやってましたが、もう最近はだめです。

 

ということで、今日は天板の加工完了。

 

異形穴は明日以降です。

 

 

 

今日から、シャーシ加工の方法を説明します。

 

今回は

1.Φ3,Φ4程度のネジ止め用の穴を明ける。

 

2.シャーシパンチを使ってΦ30の穴を明ける。

 

 

まず1.から。

 

道具はハンドドリル。ドルルビット(ドリル刃)、潤滑オイル

 

 

ビットはJISマークの入ったものを使います。

 

被加工物、この場合はシャーシ天板、これをワークと呼ぶことがあります。

下の写真でははっきり写っていませんが、ワークは当て板をして、シャコ万(C型クランプ)で固定しておきます。これが動くと正確な位置にきれいな穴が明きません。

 ターゲットの真上にビットを置きます。JISマークの入ったビットは、加工面にくいつき、回転中になかなか動きません。安物ビットは先端が動いてしまいます。

 

 

取り敢えず3個の穴を明けたところです。真ん中の穴はシャーシパンチの軸を通すための下穴です。この穴はΦ4で明けています。2ミリの厚みなら、10数回転で明きます。

 重要なのは、正確な位置に穴をあけることです。下の写真ではセンターにきれいに明いていますが、もし穴がズレたら、細丸ヤスリを使って穴を拡大しながら、穴の真中がターゲットの位置にくるように修正をします。

 

 

 

 

 

 

次は2.シャーシパンチで大きな穴を加工する方法です。

 

 

先ほどの軸を通す下穴を細いリーマでΦ12程度まで拡大します。リーマのそばに軸が置いてあります。これを通すのです。最初はこの細いリーマで6ミリくらいまで広げて、もうひとつの太いリーマでΦ12まで拡大します。リーマも2段階です。

 

 

軸が通りました。リーマよりステップドリルを使うと早いというアドバイスももらいましたが、私の場合、ボール盤でステップドリルを使うと強い力がかかり、ガリガリという音とともに、ドリルがチャックごと、ボール盤から脱落してしまい、断念しています。

 

さてここから重要です。

パンチとダイスと加工面の関係です。

 

ダイスをあてた面は、きれいな円に加工されます。一方のパンチ側は2カ所、少しつぶれてしまうのです。

 例えばΦ30のソケットは、フランジ部分(取付用金属部)をシャーシ下にもってきて、天板には丸い樹脂部のみを出します。よってソケット周囲の丸穴はきれいである必要があり、ダイスを天板側にします。

 下はパンチ・ダイスをセットした状態。軸を穴の真中に来るように、ダイス周辺の取付穴が2つとも均等な位置にあるかで、確認します。

 


 

バーを軸に差し込んで、手で回します。手が痛ければ、他の手段を考えます。

 

スパナで回す。

 

上下ひっくり返して、小形バイスに挟んで、ワークの方を回す方法。私はいつもこの方法です。

 

 

どんどん回すと穴が明きます。バーを抜いて、パンチ・ダイスをワークから外します。

 

抜きカスがダイスに食い込んで離れないときは、バーをてこにして取り出します。

 

 

下はダイス側です。

 

 

下はパンチ側。きれいな感じですが、2カ所パンチのとがった部分が少しつぶれています。油圧パンチなら尖った部分が4カ所あり、ひし形(星形?)につぶれます。

 これでも構わないのなら、こちらを天板にしてもいいと思います。

 

もしもソケットがきつくてこの穴に入らないときは、大型の半丸ヤスリで穴の内周をぐるりとなぞりながら削っていきます。オムロンのソケットはやや大きいですね。

 

次に穴の内周と少し出ているバリを研磨します。240番くらいの紙やすりで。

 

 

 

下が天板側からみた穴で、内周はきれいになっています。

 

ここまでで、言ってませんでしたが、小さな丸穴は3カ所加工したら、油を湿らせたウェスでビットを一度さっと拭きます。

 シャーシパンチも3個程度明けたら、パンチの刃先をウェスで拭いてやります。

滑らかに加工できます。

 

最後になりましたが、ちいさな丸穴を明けるとバリがでますので、バリを取る方法を説明します。

 Φ6程度の太いビットを用意します。

 

穴の上に乗せたら、ドリルの自重だけで、力を加えず、3周程度サラッと回します。

 

下がバリがとれた状態です。これを表裏ともに実施します。

 

いかがでしょうか。

 

重要ポイントは

1.JISマークの入ったビットの使用

2.正確な位置に穴を明ける

3.潤滑油は切らさない

 

今日はここまで。次回は大型角穴、異形穴の加工法です。ヤスリの出番です。

 

 

 

 

新オーナーのかたから、左側からジーという小さなノイズが出ますと連絡がありました。こちらから指示を出していろいろテストしていただいたのですが、左の6CG7のところから出ていることがわかりました。

 

 その後何本かの6CG7を送って差し換えていただいたのですが、左のノイズは消えません。着払いで送っていただくように依頼しました。

 

 

 

今日届いて、電源を入れると、左からノイズがでます。

 

これ小さなノイズではなく、結構大きなノイズです。測ると4.0mVありました。

 

ひっくり返して中をようく見て、ソケットのセンターピンとアース母線の半田を、さらに上から追加。変化なし。

 

またまたよく眺めていると、じっくり、丁寧な配線に改めて感心するほどです。

 

 この程度のノイズはアース不良だろうと思うのですが。

 

 シャーシ天面をみると、おやソケットのネジが少し浮いてる。

 

ドライバーで回すと何周も回ります。

 

あら、締め付けわすれ。全てのソケットを確認すると、結構な個所が緩んでいました。

 

あー、自分の慢心です。

 

全部締め直すと、ノイズは左右で0.3mVと0.2mVになりました。

 

あす返送します。

 

 いやになりますね。自分が。