回路図はフリーハンドでメモ用紙に描いたのでそれをご覧ください。
何の変哲もないリークムラード回路。
サンスイSW-30はUL端子がありません。なので出力管は5極管接続、いえ正しくはビーム管接続です。6L6ビーム管なので。
6L6GAはスクリーングリッド電圧は270V以下でなければなりません。ここはB電圧から90V、ツェナーダイオードで下げます。
電源回路は二次側340V。これをブリッジ整流すると、340×√2=476Vになります。このままでは電圧が高すぎるので、チョークインプットにします。このチョークインプットはコンデンサーインプットの電圧を0.8倍程度に下げてくれます。なのでB電圧は476V×0.8=380Vになります。
上の回路図は360Vと書いていますがこれは間違い。今回もカソードバイアス回路です。2本の出力管に共通で250Ωを入れます。
①カソード電流は2本合計で90mA流れますから、②カソード電圧は22.5Vになります。
カソードバイアス回路の時の電圧は、カソードの電圧が基準になります。
なので③有効プレート電圧は380V-22.5V=360V ④有効スクリーングリッド電圧は270Vとなります。
上記の①から④の動作条件は 6L6(GA) AB1級PPのセルフバイアス動作になります。ちょうどこの動作条件が6L6の規格書に掲載されています。このとき最大出力は18W になります。
位相反転段の12AU7Aは、上下それぞれに3mA程度流します。初段の12AX7Aは電流は0.8mA程度です。ここのプレート電圧は90V程度になるように、デカップリング回路の抵抗値を決めます。B2とB3の間の抵抗を100KΩ、プレート抵抗を200KΩ程度で90V くらいだと思います。
12AU7Aのグリッド結合抵抗1MΩからアースに落すコンデンサ0.47μFはオレンジドロップを使います。
そうそう、今回は位相反転段のプレートから出力管のグリッドへつなぐカップリングコンデンサーは松下製のハーメチックタイプのペーパーオイルコンを使います。灰色で旧式のしっかりした作りです。ハーメチックなので漏れません。リークしません。そして元気のいい音がします。入手難になっていますね。私の手元の在庫も10数個。貴重なので勝負アンプに使います。
あとは目ぼしいパーツは、6L6GAのカソード抵抗はOHMITEの250Ω/10W。パラでアースに落すバイアスコンデンサはRIFAの47μ/100Vを使います。 回路中の抵抗はDALE、もしくは国内外のカーボンコンポジット、あるいは金皮抵抗、部分的に酸金など混合です。複数の種類を混ぜた方がいい音がするような気がします。変な個性が出ないというか。
下は実体配線図です。 こちらもメモ紙でごめんなさい。
実体配線図の制作目的は回路のつなぎよりも、どこに何の部品を置くかを主体で考えます。
MT管の周辺にデカップリング回路(B2やB3)を持ってくると、大変建て込みます。
なのでOPTの取り付けネジのところに4L1Pのラグ端子を左右1個ずつおいて、ここにB2、B3回路を置きます。
OPTのネジは4ミリなので、ラグ端子の取付穴を細丸ヤスリで拡大しておきます。ほかにもラグ端子同士がぶつかるとか、余分な端子を取りたいときは、ベーク部分を表裏から切込みを入れてラジオペンチで折っておきます。
今回は出力管ソケットのネジに東芝端子を立てて、アース母線を張ります。
こうすることで、デカップリング回路の電解コンデンサ達を(6個あります)ラグ端子とアース母線の間に置くことができます。
あとは初段の12AX7Aは1本で2チャンネル分賄いますので、カソードバイアス回路(ここからNFBを掛ける)のパーツが込み合いますので、ソケットの2つのネジにそれぞれラグ端子を設置します。
電源トランスの二次高圧側のブリッジダイオードはよくみると、このトランスの遊び端子が多いので、これを利用してここにダイオードを4個、実装することにしました。これでラグ端子は不要です。
あとは回路図には描いていませんが、ノイズキラーの話をしておきます。
電源スイッチとパラに、そして電源トランスの一次側100V端子に入れるパターンが多いのですが、私は100V端子にだけ実装しています。電源スイッチにパラに入れると、実はスイッチ・オフでもノイズキラーは電気を通すのです。二次側に低電圧ですが、電圧が出ます。B電圧も5V前後電圧が出ています。
省エネを考えるのなら、こちらのノイズキラーはやめるか、まめにコンセントを抜くことです。
明日から山梨、横浜と出張です。来週から配線になります。