私は設計者ではなく、普通の人間だ。

 

みなさんそう思われていると思います。でも設計とは仕様や形を決めることであり、日常生活でも存在します。

 

例えば新しくベッドと書籍用のラックを購入する場合。

 

どの製品を選ぶかは、カタログや商品情報を集めて検討すればよいのですが。

 

この2つを部屋の中に置くには、どこにどう納めるか、位置や方向を決めることになります。これもレイアウト設計です。

 

 一方で、アンプを作る場合は設計のオンパレードになります。

 

見た目の意匠(デザイン)の決定。回路や球、パーツの決定。シャーシ内の引き回しの決定。これらはすべて設計です。

 

 具体的な設計手順ですが。

 

先日実施した、サイテーションⅣコピーの電源部ですが、結果として以下の仕様に決まりました。

 

 

 

手順は

 

まずこのプレートにこの回路を組み込めるのかという大枠設計。

            ⇓

次にプレート内にすべて組み込むという、スペース・機構設計。

この場合はすべてのパーツを板の枠内に置いて、並びや位置を決めていきます。

固定の仕方、ラグ端子を使う、あるいは別あつらえで治具・端子板の形を決めます。

            ⇓

 次に回路上、配線が可能かどうかを、外からの線材の引き込み方、プレート内での配線の流れを決めます。

            ⇓

 

こうしてアイデアがまとまったら、いよいよ現物を並べて、今まで決めたことが実現できるかを確認します。

このときはやはりぶつからないか、配線の時に半田ごてが入るか、メンテナンスのことを考えて、部品の交換作業が無理なく出来るか等を最終確認します。

 

 

 

これが設計のおおまかな手順になります。

 

いつも言っていることですが、アンプ製作の場合は、3手先まで読めばトラブルは防げると思います。

 

3手とは、ある個所に部品を取り付けて配線する場合に

①取り付け、ねじ止め等は問題ないか、②周辺にぶつかるもの、ノイズ的に影響を受けるものはないか、③配線・はんだ付けは容易か、メンテナンスも問題なくできるか。

 

アンプ製作はこの繰り返しになると言っていいと思います。ご参考になれば幸いです。