1982年は細川俊之さん
2005年は中井貴一さんを主人公として
2回放送されたことのある「終りに見た街」
今回は大泉洋さんを主人公として
3回目の放送となります。



残念ながら私は
前回、前々回の2回とも
観たことがありませんでした。


予告ではクドカンらしくコミカルでしたが
戦争ものだし
タイトルが「終わりに見た街」でしたので
私の心が
耐えられる作品なのかわからなかったため
観ることに少し躊躇しました。


だけど大泉さんが主演だということで
思い切って観てみることにしました。


あえて昔のを観るなどの予習をせず
さらの状態で。



予告通りコミカルでしたが

それが

ラストとの落差をより濃くして

衝撃度が増していたように思います。


軍国主義下の思想に
子どもたちは適応できるのか
そんな太一の心配をよそに
頭の柔らかい子どもたちの方が
戦時中の常識に順応していき
徐々にその思想に染まっていく様は
現代でも突然戦争が起きて
周りがあのような思想に染められていったら
柔軟性のある若者ほど
簡単に思考は変えられてしまうんだな…

そんなことが容易に想像できるドラマで

じわじわと戦争の恐ろしさを
突きつけてきました。




最後の方で

「戦争なんて勝った方が正義」と言った
若者の気持ちもよくわかります。

だって
そうでなければ
東京裁判なんてなかった。


正義の定義は立場で変わります。


真珠湾攻撃も原爆投下も
何もかも立場によって
正義だったと信じている人もいるし
そうでないと信じる人もいる

だけどやっぱり
戦争に聖戦はないんだということは
過去の教訓から学び
活かさなければいけないと思います。



ラスト直前で
ウェーイな寺本Pが
キーパーソンなんじゃ?と思う太一によって
やっぱり昭和19年ではないのでは?
的な流れになったところで
あのラスト


私の頭には"!!"と"?"が
交互に現れたため3回観てみました





で、3回観た私の考察はこうです


朝方の閃光のとき
太一らはタイムスリップして
1944(昭和19)年6月25日に飛び
それから1945(昭和20)年3月10日未明の爆撃まで
戦時下の日本で生きることになります。


だけど
その時の閃光は
現代で実際に爆撃されたときのものでした。
(爆撃後の風景から核爆弾ではないかと考察)


現代では
気を失っている間のたった30分間だったけど
タイムスリップした戦時下では
8〜9ヶ月のときが流れていたのです。


太一が爆撃から目覚めたとき
自宅ではなく
折れ曲がった東京スカイツリーの観える
下町の何処かに飛ばされていましたが
そこは元の世界と同じ
2024年6月25日であったのではないかと

推察しました。


そして
家族も街も、そして、自分の腕もなくなり
混乱の中、

彼もまた亡くなり物語は終わります。





なぜこのように考えたかといえば
ラストで爆撃されて目覚めたときの
太一のスマホの時間が6:14だったから。


現代の家で閃光が走ったのが
2024年6月25日の5:44

異変に気付き
妻を起こしに行ったのが5:48で
既にスマホは圏外になっていましたので
この時点でもう昭和に飛ばされています。


だから
実際には爆撃から30分しか
経っていないということなんだと思ったのです。


そうじゃないと
何ヶ月も充電できない環境の中で
満充電でスマホがいきている訳がない。


ウェーイな寺本Pは
"ワインセラー最後の一本"
"地下シェルター快適〜"
などと言っているので
シェルターにいる人だけが
助かったのでしょうけど
ワインも最後ですし
あんな状態で
あの後生き延びられたのかは疑問です。


気を失っている間の夢だったのか?
とか
過去(昭和19年)にタイムスリップしたあと
少し後の未来(202X年)に
再度タイムスリップしたのか
とか
いろんなことを考えましたが

ラストの太一の服装は現代の服ではなかったし
稔が買ってもらったメンコも落ちていたし
水筒も戦時中の九四式水筒だったので
夢ではなく
実際に過去に行ったんだなと思った次第。


だけど
同じ日に再度タイムスリップしたのではなくて
少し未来の202X年に飛んだのかもしれません。


なぜかというと
爆撃から目覚めたときの太一のスマホの時間は
先に述べたように6:14でしたが
日付は映っていなかったからです。


だから
同じ日に戻ったのではなく
2024年より後の202X年、もしくは
未来の変わってしまった
2020年代前半ということもあり得るわけです。



なので
その辺はもう…うやむやでも良いかなと(笑


いきなり適当な感じになりましたが
要は未来で日本が爆撃されている事実を
自分事として

そして危機感を持って
受け止められるかどうか
ということを

問いかけられているのだと思ったので

私的にはその辺はあまり重要じゃなかったです。



ただ
あんな凄まじい爆撃を受けているのに
スマホがあんなにきれいだったことに
違和感は覚えました。


だけどこれはクドカンの演出なんでしょう。


現代の象徴とも言えるスマホを
寺本Pごと
若かりし頃のお母さんとその初恋の人が
笑顔で踏んづけて壊れる様を
わかりやすく表現するためだったのだと
私は思いました。


現実を見ろと
現実をよく見極めろと
そのままの意識で本当に大丈夫なのかと
突きつけられている

そんな印象を受けましたし

タモリさんや吉永小百合さんが言ったように
新しい戦前であるかもしれないことを
忘れてはならないという
山田太一さんから現代人への忠告
いや、警告なんだろうと解釈しました。



だけどやっぱりよくわからないのは
あのウェーイな寺本Pの存在
なんの暗喩だったのかがよくわからない。


わからないけど
なんとなく思ったのは
戦時中の脚本話を持ってきた寺本Pは
現代で爆撃されたとき
地下シェルターで
高みの見物状態だったわけで
もしかしたら彼は未来から来た人物
もしくは
全てを知ってた人物なのではないか

…なんて思いました。


なぜなら
爆撃直前に
"早朝サウナ"に行ったことをSNSに投稿しており
もしかしたら
サウナ≒地下シェルターだったのではないかと
思ったからです。


それと
太一は資料はデータでくれと言ったのに
寺本Pは紙ベースの資料を送ってきました
これは
この後、パソコンなんて使える環境では
なくなってしまうことを
知っていたのではないかと思ったのです。


そう考えると
行くとこ行くとこで
寺本Pに出会ったのは
なんとなく説明がつくのではないでしょうか。


危ないときには必ず寺本Pに出会っていたので
最初は寺本Pがこんなことになった首謀者なのか?
などと思ったのですが
隠れている太一を見逃したこともそうですが
寺本Pが太一を陥れるようなことは
一切していません。


危険だから逃げろと言葉に出さず伝える一方で
未来でも同じことが起きるんだぞ
ちゃんと現実を見ろよ

と訴えているような、そんな気がしたのです。


最後、
太一が寺本Pだと思って声をかけた人物は
全くの別人でした。
それを知った直後に爆撃に遭い
再度タイムスリップするのですが
それも
爆撃を知っていたからこそ
寺本Pは爆撃直前で現代に
タイムスリップしたのでは?と思いました。




ということで

私が思う寺本Pは自由に行き来できる
タイムトラベラーです真顔


最初の太一のように

恥ずかしさのあまりニヤついちゃいそうだけど

タイムトラベラーです真顔

多分…


それを証拠に寺本Pは
過去を無理に変えようとするような行動は
一切していません。
そんなことをして史実を曲げることは
禁忌であることを
ちゃんと理解しているのでしょう。


そして
過去に起きたことを理解して受け入れ
それを未来にどう活かすかが重要
なんだよと
視聴者に伝えてくれている
存在なのではないでしょうか。


前髪クネ男の再来などと茶化されていますが
フラワーボーイは
結構大事な役回りだったんではないかと
ひそかに思っております。



ちなみに
最初の方のシーンで
電話がかかってくるところですが
ポツンと一軒家であり、
そもそもはそこに住宅がなかったわけだから
水道もガスも電気も通ってないでしょ?
ドラマ内でも
水道とガスは通ってないと言っていて
黒電話でもないのに
電話が掛かってきたってのはおかしくない?
まぁSFですからね
あんまり細かいことは
気にしないで感覚で受け取った方が
良いのかもしれません。



それにしても
昭和にタイムスリップして
家を捨てなければならなくなったとき
大事な物なんてないと言っていた稔くんが
空襲で逃げるとき
太一に買ってもらった戦車のメンコを
大事に持って逃げたとこをみて
グッとくるものがありましたね。


豪華な友情出演もあって
面白かったけど
ちょっと引きずりそうです…
原作にも前髪クネ男寺本Pみたいな人って

いるのかなぁ…。

ちょっと原作読んでみようかな。






クローバー