こんにちは。脳神経外科の片桐です。

片桐の「片」は片頭痛の「片」です。

都内の病院で頭痛外来を開設しております。

 

 

片頭痛は緑内障との関連が以前から言われています。

以前、頭痛のような痛みがあり、片頭痛や群発頭痛との鑑別が必要な「緑内障発作(閉塞隅角緑内障の発作)」のお話をしました。緑内障発作では眼の中の房水と言われる水を排泄するところが閉じてしまうことにより眼圧が上がり、眼球がパンパンになってしまい目から頭が痛くなりました。

片頭痛と緑内障の深〜い関係

 

しかし、今回のお話する解放隅角緑内障では眼圧は正常範囲か正常より少し高いだけなので、眼の痛みはありません。(解放隅角緑内障という眼の中の水を排泄するところが開いているタイプの緑内障のうち眼圧が正常範囲のものを「正常眼圧緑内障」といいます)。それにも関わらず視神経が障害されて視野がかけてしまうのです。

 

片頭痛は脳の血管(内頚動脈)の異常な収縮とその後の拡張により生じるとされています。眼の血流は眼動脈という血管に依存していますが、眼動脈は内頚動脈から出ていますので、

影響を受けることが想像できるでしょう。

 

緑内障では、視神経乳頭の血量低下により、視神経障害が進行する可能性が示唆されているので、片頭痛と緑内障は無縁ではないようです。

片頭痛の患者さんでは解放隅角緑内障(正常眼圧緑内障を含む)になるリスクが1.68倍というデータがあります。

 BMC ophthalmology 2019Feb13 Vol. 19 issue(1)

 

また、片頭痛患者さんには、解放隅角緑内障(眼圧が正常より高い緑内障)よりも、正常眼圧緑内障が多いというデータもあります。

Investigative ophthalmology & visual science2015Dec01Vol. 56 issue(13)

 

 

正常眼圧緑内障を含む解放隅角緑内障は自覚がないので、日本緑内障学会、日本眼科学会、では40歳を過ぎたら定期検診を受けることを推奨しています。

緑内障は現在日本人の失明原因なんと第1位です。

しかし、眼圧を下げる治療によって進行は止められます。

2023年3月12日から3月18日は世界緑内障週間です。

片頭痛のあるみなさん、ぜひ検診を受けましょう。

頭痛の日と一緒でライトアップがグリーンなのも何かの縁。

 

頭痛がなくなったら、かなえたい夢はなんですか?

頭痛治療に取り組むことは、人生に向き合うことだと思います。

頭痛のない人生を一緒に目指しましょう。

 

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