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拝啓 おばあさま

職なし、家なし、胸なし。全国を車でふらふらしています。   おばあちゃん。 ほら、孫はこんなに元気です。

拝啓 おばあさま


今日は、日本中どこも暑かったようですね。
山形だって、暑かった。

そう。今朝、福島の喜多方を出て、北上。今は山形にいます。
喜多方の道の駅で朝起きたら、おっちゃんに声をかけられ、喜多方での朝ラー(朝ラーメン)を薦められました。
朝シャンみたいなノリですね、朝ラー。名物だそうです。

起きてない胃袋を抱えながらおススメされた有名店に向かうと…お店あいてないやーん!
気のせいなのか願望なのか、よくわからないけど退散する。うう…朝からラーメンなんて、胃袋耐えられるのかしらー。東京での、朝ゴハン抜きの不健康な生活を恥じました。

そして結局朝ラーせずに、山形へ。



山形市に降り注ぐ太陽!!!


拝啓 おばあさま



今日は一日、山形芸術工科大学でゆっくり過ごさせていただきました。
学食なんて、久しぶりに食べた。
安い~~ウマい~~

東京のどこぞの私立大学にもこっそりおジャマさせてもらったときにも思った。
学生は、あの安くてバランスのいい学食が食べられるだけで世の中に感謝してもいいかもしんない、って。
うちの大学はそんなに安くなかったけどね~

でも、童顔同盟所属のわたくし。
いまだ「学生さん?」と言われること多数だけど、さすがにほんものの学生さんと並ぶと、老けて見える気がしてちょっといたたまれなかった。


童顔ですが、ダメですか?
すっぴんですが、ダメですか?
ついでに幼児体系ですが、ダメですか?


年齢はお肌に出ると言うしねえ…
10代のぴちぴちさらさらぷるんのお肌と並んで、現実を見ました。ぐすん。

はっ!午前0時を過ぎてしまった!
シンデレラもお帰りの時間。

やべーやべー。お肌のために、眠ります。
ほんとは23時までに寝た方がいいらしいのだけど……


それではみなさま、おやすみなさい。 Sleep well。



敬具


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暑いですね。8月になりました。
関東の友人から、「近所で熱中症により腐乱死体が出ました」とメールがありました。
もう、200人ほど亡くなったそうだもんね。それでも今年は、まだ暑い。

昨日から、人に会うため、いったん宮城県を離れて福島県に来ています。
そして…買っちゃいましたコレ。一箱180円。

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しかもこの状態のまま渡されたもんで、トマトむき出しの箱を両腕で抱えて、かなり離れた駐車場に止めた車へと引き返す。う~、せめて袋かぶせてくれるかと思ったら。おかげですれ違い様に覗かれまくる。やめてっ、そんな目で見ないでっ。

そしてこのトマト、ひっくり返すとヘタの近くはまだ青々と……ダマサレタ~~
いや騙したわけじゃないだろうけど。はやく熟れますように、と願って車内サウナへ放置。がんばれ、トマト's。



さて、福島と言えば、会津若松が有名らしいです。
そうだね、白虎隊とかね…騎兵隊?…白虎隊で合ってるよね…(すんません。あんま詳しくなくて)

会津若松駅前の街は、明治や昭和の古い建物を残していて、歩くだけでも楽しい。
浴衣を着た年配のご夫婦も…風流ですなあ。

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この街は、野口英世が若いときに過ごした街らしく、『野口英世青春館』なんていう、10代の野口さんが過ごした建物も残っています。

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ちょっと~~
誰か足元にほおずき置いてますねっ。わざとかしら。

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めっちゃ靴に乗っかってるけど…
これいいの?のぐっちゃん??

てゆかそれよりも、
あたしがのぐっちゃんだったらこっちのほうが嫌だ……


拝啓 おばあさま


実らなかった初恋をこんなどっしりとした見せ物にされるなんてっ きゃ~っ、恥ずかしいっ


新撰組記念館みたいなのにも行きました。
いや~、これもね、恥ずかしい。
あたしだったら、ちょーがんばって戦って、そんな自分が未来でアニメキャラになって知らん女といちゃいちゃしとるとか……ちょっとげんなり。
どうでもいいっちゃいーけど。

その後、妖精美術館なんてところにも行ってみる。
世界の妖精についての美術館という。まあ、名前のままか。
写真もスケッチもNGなので載せられないけれど、そこに辿り着くまでの道のりが、まるでほんとうに妖精が出てきそうなほど幻想的だった。

只見川は霧に覆われていて、それは、白い手が伸びてきて、道路もまわりの村もすべて飲み込んでいくみたい。

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写真の右側は川で、水面はもっと下なのに、道路まで霧が触れてきていた。
 自然のスモーク。

そしてこの霧に誘われるように、あたしはナビにはない村に迷い込んで出られなくて半泣きなのでした。
仙台に引き続き、またもや半泣き迷子。




今回、宮城県の隣の山形県ではなく、先に福島県に来たのは、会いたい人がいたからでした。その人と予定を合わせた結果、山形県より先に福島県に来ることにしたんです。
その方とは、Twitterで出会いました。
わたしは、ネットで気軽に会話できるのも楽しいけれど、最終的には直接会いたい。そんなわけで、押し掛け女房的に福島へ。

福島駅で待ち合わせて、福島県立美術館へ。
そこでやっている『胸騒ぎの夏休み』 と いう企画に行きたかったんですよアタシ。4人のアーティストのコラボレーション展なのですが、わたしはイチハラヒロコさんのファンで。
しかし、他の3人もおもしろかった。アートなんてたいていよくわからんけど、楽しかった。
楽しいんだったら、いいと思う。わたしはチケットを買うお金を出して、「楽しい」をもらったので。満足。


その日はその方と過ごし、しかも急きょ泊めていただきました。
ああありがたやありがたや。
こうやって、お風呂に入ったり床を得たりして、みなみなさまのおかげで生きております。友人が結婚したり企業したりしているなか、この歳で。


歳。


歳。


そうです。

そうでした。


タイトルにあるように、「26歳で半泣きで迷子になったとかって、悲しいウソだし!!」ですが…
………
はい、嘘です。
わたし、じつはその日………まだ25歳でした。

やだー、もー、そそっかしくてー。だから迷子にもなるんですよ。今日だって見知らぬ村に迷い込んだしっ。
さらに晩ご飯に喜多方ラーメンを食べて余裕ぶっこいてTwitterなんかしてたら、銭湯の受付時間すぎちゃってお風呂入りそびれたし。しかたないから シャワーでガ・マ・ン。

ああ~、しっかりしたい。

しっかりしてるふうに見えて実はドジだなんて、ギャップ萌えでしょン??

なんていう歳は終わった。
もうそろそろしっかりせなあかん。

せめて、迷子になったあとに半泣きと逆ギレは避けたいと、思う。



みなさん、ごめんなさい。そしてありがとう。
今日は世界中のみんなに感謝と謝罪をして寝ます。
みなさんいつも逆ギレしてごめんなさい。これからも逆ギレしてごめんなさい。よろしくね。



敬具

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今日はいちにち仙台ですごしました。
昨日はあまりの人の熱と暑さに巻くしっぽもないですが逃げ出したわけですが、一念発起!仙台リベンジ!
といっても、なにもしていません。
迷子になっただけでした。

そう。迷子。

本気迷子。


仙台市内は車を止める場所がない&こわいので運転したくない、と、ちょっと離れたところにゴハン食べがてら駐車。バスに乗ってたったの180円で仙台駅前までたどりついたわけです。が、

終バス時刻はバッチリ確認したのに、最初に乗ったバス停の名前を控えるのを忘れました。

おかげでどのバスに乗れば帰れるのか、つーかたとえ乗れてもどこで降りればいいのかがわかりません。
しかもそのことに気づいたのは仙台市街をうろうろしまくったあと。

あれ、あたしどこで降りたっけ??

と、とにかく落ち着け。道はつながっている。バス停の地図みればきっとわかるはず。しかしそこかしこにたくさんのバス停…



いや~~~~~~!!



でんわ。
でででんわ。

携帯で「仙台 バス」で検索。
こうつうきょく、というところに電話をかける。


るるるる~~

『ただいま、電話がこみあってお』あ~~~~!!


再度かける!

カチャ
「あのっ、バスに乗ったところがわからなくなっちゃったんですけどっ」
「………おっしゃってる意味が…」
「えっと、乗ったところがわからなくて今は仙台駅前まで来たんですけど乗って来たバス停を忘れてしまったので帰れなくてどのバスに乗ればいいのか降りるバス停の名前もわからなくて帰れませんっ!(半泣きギレ)」
「そ、そうですか(半笑)」
電話越しなのにおねえさんの笑い声が聞こえました。

「じゃあ、乗ったバス停の目印とかわかりますか?」
「あ、住所わかります」
バスに乗る直前に携帯で現在位置検索をしたので、携帯の履歴に住所が残っているはず偶然にも。
「すぐ言いますちょっと待っててください!」

携帯の履歴を確認しようと携帯のボタンを押した。画面には、通話時間が。
あ~~~~!!電話切ってもうた~~~!!!

しかも電池は残り1コ。やばい。マジやばい。
またもや再度かけなおすと、さっきのおねえさんらしき声が。
「こちらは~~」
「あのっ、さっき間違って切っちゃって、すみません!」
「あ、だと思ったんですよね~(マジ笑)」

この作業を2回くり返す。(つまりもう一度間違えて電話を切ってしまった)

3回の通話を経て、無事教えてもらう。
か、解決……


余裕ぶっこいたあたしは、仙台駅なかで友人にお薦めされた『ずんだシェイク』を飲む。けれどずんだが苦手だたことを飲んでから思い出し、でも友人がおいしいと言うから、と意地で飲む。

その後、別の友人からお薦めされたカフェに行く予定が、すっかり忘れて帰りのバスへ。
バスに乗ってからカフェに行くことを思い出すが、ここで降りたらもう二度と上手に帰れる気がしなかったので断念。
ああ、そんな仙台での一日。


そのときメールしていた知人に事の説明をすると
「それはある種の羞恥プレイだね…」

そう言われるまでこれだけの失態が恥ずかしいことだと思いもしなかった自分が恥ずかしい。

しっかりしてそうね、と言われます。
お姉さんタイプでしょ、と言われます。
しかし実際こんなです。

メガネをかけたままメガネを探します。
サランラップと皿を間違えて、サランラップを冷蔵庫に入れます。
シェアメイトから『あなたの部屋がゴミ溜めです』と、帰ってきて片付けろやメールが入ります。

「喋らなければね~」と言われ、生きてきました26年。
これからもこんなままなんかなあ~

でもこれ遺伝なんでね、母の。母はどっから遺伝してきたかしらんけど。



敬具





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仙台は、まるで新宿三丁目(←イメージ)。
人。車。ビル。人。車。ビル。人。車。

そして雨。そして暑い。蒸し蒸し。
ポッキーがこんな姿になってしまうほどに。

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暑くて溶けてくっついたのだよ~
おかげで齧りつきっ!


ああ仙台は…

人。車。ビル。雨。湿気。車。人。熱気。湿度。ビル。車。人。雨。熱。湿。マジ都会。



う、


う、


うおおおおおおお~~~~~!!!


脱兎!!




逃げました。
ダッシュで。逃避です。まじでライク・ア・脱兎です。7時半に目覚めて7時45分には運転して、脱・仙台市でした。だってトイレに行こうにも駐車場があるコンビニもなかなかないんだもーん。東京か!
ちょっと…仙台は、雨がやんでからにしようそうしよう。

ということで、もともと行くつもりだった塩竈市のギャラリー『ビルド・スペース』へ。

この『ビルド・スペース』は、「ビルド・フルーガス (世界共通語であるエスペラント語で“鳥が飛んでいる”という意味)」というアート・プロジェクトが運営する空間です。

秋田でその完成度と充実度に感動したアート・フリーペーパー『北風』 の見開きページで、このビルド・スペースの紹介があり、いろんなイベントをおこなっているその内容にも興味をそそられ、行ってみました。


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まあ、市を移動すると言っても、車で移動すれば40分くらい。
北海道のあの広さを体験した今では、隣の市なんて近所ですよ近所。スーパーに買い物行くノリですよ。(あれ、フツウはこんなノリ?)


そんなこんなで塩竈市へ。
そしてお目当ての『ビルド・スペース』が開くまで近くのゲオが移転して廃墟だったのでその先のTSUTAYAへ行ったのが、間違いだった。

あそこはマンガが最新刊まで立ち読みできるからね~

渡辺多恵子さんの「風光る」 と、庄司陽子さんの「生徒諸君!~教師編~」 の最新刊を読み、
土方歳三萌え~~!でもアンタ死ぬやんけ~、とニヤけながらヘコみ、
ああ~まだ若いのに死んじゃダメ~!!と中学生の教師になった気分でヘコみ、
ちょっと落ち込んだ気分で『ビルド・スペース』へ向かったのでした。

白くてかわいくて、お洒落なギャラリーだったよ。
ワークショップとかよくおこなわれているらしく、今度は部屋を真っ青にして、海のなかみたいにするんです、って、きれいなお姉さんが教えてくれた。
北米カナダとつながりがあって、東京でイベントしたりと、場所にこだわらないボーダレスな活動をしているという。


もともと、アートは東京やろ!と思って上京したあたし。
大学で“アートマネジメント”とか“アウトリーチ”とか、「地域に根ざした芸術」みたいなことを何度も口にしてきたのにいまいちピンとこなかった。
でもここにきて、地方のアート、おもしろいじゃん!!と思い始めています。
もっともっと、アートに限らず、その土地土地で生きている人のにおいを感じたい。
そう思って、旅行しています。

雨もやんだことだし、明日は仙台の香りを嗅ぎに行こう。


ちょっと雨のにおいが残る夜。

おやすみなさい。



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      “ビルド・フルーガス(鳥が飛んでいる)”




敬具




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宮城県に入りました。
ついに北から数えて5県目。42都道府県にはまだまだです。
仙台市は東北最大の都市といわれるだけあり、急に人と車が増え、にぎやかになりました。
こちらは駅前のようす。

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あー、しかし、雨です。
昨日までサウナだった車内は、まるでミストルームのごとき湿度。
即席無料温泉施設みたいなもんです、これで温泉があれば。

けれども、晴れなら晴れでまたこれが、日焼けとの戦い。窓際の右腕は、二の腕から指先にかけてこんがり焦げ茶色ですよ。こんなの小学生以来。

人生で“日焼け止めを縫った回数”が両手指の数を下回るあたしが。
青白くて上司に体調心配されていたあたしが。
「顔が青い。体調だいじょうぶ?」「いや~生理でしょうかねえ~」のあたしが!

そのうちシミだらけになりそうです。
それまでにイケメンの旦那様をつかまえねば。




今日は、素敵な女性2人にお会いしました。
3時間ずつ話し込んでしまった。それでもまだ足りない。

突然だけれど私は、ハッキリした人が好きだ。
自分の意思を持っている人。それを主張するしないは別にして、自分自身につねに問いかけている人。
今日会ったふたりは、そういう人だった。
自分のしたいことすることを、自分自身に問いかけて、答えを探ろうとしていた。
このお二人については、いずれまた、「84ismのコラム」 でご紹介します。

かなり本気で生きている2人だった。

「生きる、ということを、人生通して本気で考えて向き合っている人って、実際どんだけいるんじゃ」
という話になった。
本気で生きている人の言葉は重かった。

あたしは、ナマケモノで飽き症で面倒くさがりで口ばっかりで努力も継続も嫌いという自覚は多いにあるけれど、それでもまあ本気で生きているのでこんな26歳目前にして日本一周ヘーイ!なんてやっているわけで。

欧米だと地球一周とか日本一周とかっていう私の経験はプラスになることもある
 けれど
日本の就職市場においては時間のロスになる。らしい。
ほんまかどうかは知らんけど。

でもそんなことはどうでもいいの。

「なんのために生きる?」っていつもいつも問いかけてる。
答えは、旅行しているときと、たいてい同じなのよね。
旅行も、生きることも、たくさんのいろいろに会うためのものだと思う。


拝啓 おばあさま




敬具