河野大臣、公務員のやるべき仕事はむしろ多く、やり切れていない状況に対する対応としておかしい。 | ずるずると道・郷・話を愛でる

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よさげなことを言っても、まったく的外れなことだと心が折れそうになるかもしれない。理不尽から逆らう気力を失うとすれば、そこで行われている暴走も止めるすべを一つ一つ失っていくことにもつながりかねない。(冴えない彼女の育てかた)

 

https://www.sankei.com/politics/news/201001/plt2010010033-n1.html

 

 

防衛大臣時代から、備品のオークションだのというような、本質的には規模の縮小という路線だけで何かやったというようなことを示す、タイプの考え方を持っていたと思っていたが、現職掌になってからも、ハンコの強引な廃止指示とか、どこかずれていて、実質的には、経費の削減ぐらいにしかならないことを、その具体的なやり方のイメージもなく、強引に丸投げする姿勢は、世界の絶対独裁者の所業と本質的には変わらない。それでは内容がよくなるわけではなく、単にぎすぎすした職場環境を作り上げるだけで、その忙しさも大して変わらず、職員のストレスを大幅に増やすだけにしかならない。要するにできる仕事を減らしている可能性もある。

 

そこへきてこのブラック職場の状況調査をやらせるということである。もちろん調査自体は目的さえあっていれば問題はないのであるが、大臣の基本姿勢は、経費の削減である。ブラック職場の調査も、その仕事の内容そのものよりは、強引に仕事をさせない状況にして、やるべきことをやめさせるという最悪な状況をもたらすかもしれない。

 

単純に人が足らないという状況なのであるが、その時に出てきそうなのが、前政権からの寄生が磨きをかけている大手労働派遣業にして官公庁にもよく入っている竹中平蔵氏が会長を務めているところへの派遣要請なのではないだろうか。その理屈を立てるための調査だと思えば、政権の意向(菅首相の元上司が竹中平蔵元総務大臣・金融担当大臣なのだ)に沿うのである。

 

本質的な考えが政府支出の削減、労働を安く買いたたくことがいいことだなどと考えている状況で、格好よく何かやっている風であっても、批判が交わされていること自体が非常に悪いことなのである。まずいことが進行していることに対する批判を目くらましされてはいけないのである。

 

コロナの対策でもわかったように必要な公務員は全く充足されておらず、追加していかなければならない。しかも、その場しのぎの非正規の公務員を増やしたところで大した役に立つものではない。基本的には時間をかけて育てていくという、30年前位の日本企業で行われていた人材育成の流れを作らなければ、やるべき仕事をこなす公務員がいるべきところいないという状況なのだ。当然今すぐに解決される問題ではないが、今から仕込まないと20,30年後の未来にツケを回すことになる。付け回しの問題は、本来はこういうところで語られなければならないのである。河野大臣のようなその場でやって見せる話ではない。彼は、おそらく意識的にそういうやり方をやっているのであるが、これで解決した気になっているのが問題なのである。まったく問題は解決せず、その場しのぎのやり方がかえって未来に禍根を残すことになるのである。