大金持ちが大学に寄付するという。何事もなければ、もっと搾取したいがいやいややっているに過ぎない。 | ずるずると道・郷・話を愛でる

ずるずると道・郷・話を愛でる

房総半島から栃木県北部を中心として、
街と街を結ぶ県道・国道・峠道を巡回しながら、
持続可能で成長する日本の未来の為に成すべき事を考えます。
日々の個人的な興味について書くこともあります。

まるで美談のように思えるかもしれないが、究極的には個人の金儲けのための寄付である。そりゃそうだ。カネ持っている奴が、集めるのが好きでたまらないカネを手放すことは、よっぽど追い詰められているにせよ、結局は自分が破たんするほどカネを出すわけでもなく、しょうがなくする寄付である。本来は、国民のために必要な仕事の「財源」を提供するのは政府の仕事であるはずだ。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200624/k10012482561000.html

「ユニクロ」柳井氏が100億円寄付 “がんやコロナと闘うため”

 
ガンやコロナと戦うため、ユニクロの柳井氏がIPS細胞の山中教授のいる京大に寄付するらしい。
実に美談に聞こえるのが、そもそも、国立大学が寄付されるぐらいに困窮しているということなのだろうか。たしかに、日本の研究開発のポープであるはずの山中教授の研究室がカネを稼ぐために山中教授がマラソンしているとか、とても研究室とは思えない活動をしているという背景があった。今回のこの寄付のそのノリの延長線上にある。このことだけを取り出せば限りなく美談に聞こえるのだが、それは単に柳井の心ひとつで決められたことである。要するに、柳井の商売がうまくいかない状況であるから、仕方なくその生涯を何とかしてほしいというぐらいの気持ちで寄付しているだけのことである。そこには、国民が豊かになるとかそういう気持ちがあるかどうかはよくわからないものである。そんなことを想像しても仕方がない。カネ持っている奴鹿子のような大量の寄付はできないからである。
 
コロナの問題が収束し、以前のように人モノが国境を越えて移動させられることができれば、柳井もコロナ以前のように、労働を搾取することにまい進することになるだろう。それによって、柳井にカネを集める経営を続けるのである。消費者に安い衣料を提供する裏側で、労働を柵賦することを続けていくのである。そんな人間からの施しでようやく続けられる研究というのは何だろうか。
 
そもそも、こんな寄付をもらわなくても、政府が予算を割り当てれば何の問題もない。財源問題はない。国債を発行して借りて、予算に充てれ場何の問題もないのである。それは必要な仕事である。財源問題というような架空の課題のために。こんな体たらくを導いてしまっていることは、実に情けないことである。しかし、その情けなさを知ることが大事であるのだ。これからこんなことにならないように、政府がサポートしていけばよいのである。
 
日本がやるべきことは、山中教授の研究だけでなく多くある。それが財源を無駄に絞られてできていない研究や技術開発があるのである。当然それは、民間企業の研究や技術開発にも言えることだ。やるべきことをできるように、政府は財政出動をすることは当然なことである。それをしないことは、やるべきことをやっていないことだと我々は肝に銘じるべきであるのだ。