就職氷河期40代、少しでもリハビリさせろ | ずるずると道・郷・話を愛でる

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一見して不安な風景というものもあるが、マア良いかで過ごしたあと20年後に起こる悲劇もある。(絵は、ダイナミックコードより)

 

就職氷河期の経験者が多い40前後の世代は、正社員になれた人間が相対的に少ないということが今頃になって問題となっている。今頃になって・・というよりは、むしろ今頃になったから問題として吹き出したということであろう。人間というのは、経験をもってそのスキルを高めていくものである。

 

【経済】「就職氷河期世代」、40代突入 悲惨な窮状が明らかに★2 https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1519308504/

https://mainichi.jp/premier/health/articles/20180209/med/00m/010/006000c 

西川敦子 / フリーライター2018年2月10日 
 「会社のウオーターサーバー、正社員以外利用禁止」のツイッター投稿が昨年11月、大きな話題になった。「同じ職場で働く仲間なのにひどい!」「正社員との待遇格差は仕方がないじゃないか」とさまざまな声が上がったが、正社員として職業人生をスタートできなかった就職氷河期世代がいま、40代に突入しつつある。 

 就活時、マクロ経済の悪化で就職できず、今も疎外感を味わいながら働く氷河期非正規雇用労働者は少なくない。そんな彼らの窮状が、一橋大学経済研究所の小塩隆士教授の研究から明らかになった。 

 

毎日新聞だから信用ならないというJ-NSC(自民党ネットサポーター)のような書き込みも、2ちゃんねるのような掲示板らしいのではあるが、もういい加減、「XXXの反対が正しい」とか脊髄でものを考えた振りをするの早めたほうが良い。まあ、J-NSCの母体である自民党も小泉政権時代にいわゆるB層を操作する手法として、脊髄反射させることが有効な手段だと分かってのその手段なのだろうが、B層B層いわれている多くの国民は、そのようなバカにされた状態を認識しそのことに対して怒りと失望をしっかり感じていただきたい。

 

そんな彼らが信用する読売や産経でも、報道しない自由を行使しまくっていることを改めて思い出さなればならないだろう。どちらもそれぞれの立場で報道しない自由を行使はしているが、そういうイデオロギーフィルタを通してもどうしても隠しきれない現実というものもあるのだ。

 

正社員として長きに渡ってある職種につくことができなかった人は一つの職種でスキルを高めていくことが困難になってくる。特に、それなりの規模の会社では、一つの種類の仕事に対するスキルだけではなく、組織の中での振る舞い、その中で培う人脈なども身につける大きな要素となってくるだろう。非正規で長きに渡って過ごすことになる場合は、そのようなスキルや人脈等を系統的に身につけることは、困難であり、本人に資質による格差も大きくなる。

 

おそらく、そういうところでうまくやっていくのは高い資質を持ち合わせている少数の人達だけで、そういう資質もない凡人が非正規ままで20年過ごしてしまったあとには、組織的に凡人であってもそのようなものが身につく機会に恵まれる正規社員にくらべて、どうしようもないぐらいに「スキル格差」が生まれてしまうというのは、少し思考実験するだけでもわかろうというものである。

 

「40代前半がいない」人手不足を嘆く旭化成社長の発言に就職氷河期世代の不満爆発「自分たちが採用しなかったくせに」「当たり前」

 

以前にも話題になった旭化成社長の40代の人材が薄いという「感想」は、その状況を的確に言い当てているのであるが、そのきっかけを課長とかそういう立場で作ったのもおそらく社長の世代ということということで、失笑や批判を浴びた。そんな程度の感覚なのである。俺らがやったけどあのときはしょうがなかった、とか。小学生でもできる思考実験は当然当時の40代もできたはずであるが、俺達の出世のためにはしょうがないよね、ぐらいの気軽な感じで、当時の空気に流れていっていたのだろう。


すでに本来あるべきところまで復帰できる状況でもないが、それでもこの人材の固まりは日本経済のためにきっちり働いて稼いで消費してもらわないと下の世代にとっても、もちろん、上の世代にとっても、日本国に生きる人達全体にとって不幸なことである。単に旭化成の社長がなげく程度の狭い問題ではないのだ。

 

その道は厳しいとはいえ、その対策は早急に行うべきである。その内容は、カネをカネで回すだけの金融政策の追加ではなく、増えても居ないのに増えていると大誤解のある財政出動を行っていくことだろう。あまねく人に対して効果があるように、高級っぽいところよりは、あらゆる地方にかかわるインフラ系の仕事を中心に拡大するべきだろう。

 

そのような形で、不足している仕事を政府が積極的に作って、経済環境を整え、氷河期の40代の非正規を正規社員として仕事につくことができるように早急にすることが、問題を軽減し、未来の経済状況を、しょうもない指標のお遊びでなく、どの指標を取ってきても力強い景気回復の流れに持ってくることに直結していくのだ。経済が回りだせば、それが新たな仕事を生み出していくという好循環となる。今は、そのサイクルが逆回転している、という事実をもう一度認識するべきであろう。