じわりじわりと浸透していくために、気がつかない状況をゆでガエルなどと称するが、日本は経済成長している!と強弁する声がでかいのではあるが、実際のところ国民の働き手の多くである会社員の手取りが確実に減っている状況というのは、少なくとも豊かになっておらず貧乏になっているということだろう。カネの問題もそうだが、時間をかけた生産活動の低下ももたらした結果、豊かな製品やサービスも得られなくなりつつある。カネ出せばいいものが得られるとは限らない世界ももたらしているのが問題なのだ。
一部で話題になっている動画が紹介されていた。
前半はTV番組の解説VTRのような形で、移民国家化する日本の危機、水道の民営化の危険を淡々と伝えてくれる、まずはその事実を頭に入れるには、目を背けたく事実を受け入れなければ始まらないのだ。
移民国家化する日本、
水道などのインフラを民営化して、外資の参加を推奨する日本、
いずれも、自分たちの基本的な部分を支える仕事を、自分たちでない人達に任せる、
移民に関しては国柄を破壊してより脆弱で発展力を失わせることが避けられない、
働くよりももらうことが主目的とする人間を多数にすることを目指す政策となってしまう。
それを避けるには、シンガポールや中東のように事実上の奴隷制度を導入して移民を一定の数に制限する必要があるだろう。
今のように野放図に、なし崩し的に移民を増やせば、社会に居る人員を異文化な人間にしめられるような状況にする。
人間は働き手だけでなく、消費者であり、文化の担い手である。
文化がまともに衝突すると、その押しの強さでそのバランスが容易に崩れてしまう。
譲り合い、公共精神の発露で精密に成り立っている日本文化は、俺が俺が、でもらえるものをもらってやれという超個人主義的な近視眼的な原始的な人間の欲望の前には簡単に破壊されてしまうのである。
例えるなら、精密に作り上げた模型を、その価値もわからぬ小さな子供の前に出した状態を創造してみればよいだろう。
コレに引き続いて、同様に紹介されていた動画もなかなか考えさせられる動画である。
基本は、ヒトラー総統が独裁に至る流れを追っているというものではあるが、麻生大臣が吹聴していたような捉え方とは評価が逆転してしまう捉え方が研究者の間での定説となっているという話だ。
動画のご紹介「やすのど素人ブログ」
特に40分あたりからのお話は、日本の自称保守派を考えるときに、非常に参考になると思います。
このような注釈付きではあったが、帰りの通勤電車の中で気にせず最初から一挙に聞いてしまった。さすがは長距離通勤しているだけはあった。基本的に退屈な質疑応答まで聞き仰せたのである。
実は国会では少数派だった状況で、ヒンデンブルク大統領も含む政財界から、半ソ連、反共の恐怖から非民主的な手段で首相に持ち上げられたことだったり、
やたら国民投票好きであったりすることや、
タイミング的に世界情勢が味方をして、外交がうまかったとされてしまうこと、
小さな成功をかき集めて成功物語に仕立て上げること、
大きな失敗はその成功物語の後ろに隠してしまうこと、
今の日本に似ていると登壇者は強調したかったようだが、今の日本の政権はそんなに熱狂するようなネタは透過していていない。むしろ、親衛隊や党員が常に総統と一体化して味方になり続けたというところが似ているのだろうか。
参考になる要素はあり、そこまで進んでいないのは確かであるが、国際環境(北朝鮮、中国、米国、中東)の状況によっては、悪い状況への選択はありうるという可能性は考えられるところも感じられたのである。ただ、全体主義的な流れは、各国を覆っていたはずでそれぞれの選択や環境があっての結果ではある。
今の日本が下り坂になり続けていること、それを止められていないこと、そのことを考える上では、それを反転させるためにはどうするのが良いのか。あるいは、その選択をする時にどんな罠がありうるのか。それを考える刺激的な内容には違いないと思った。