ギムナジウムに通ううちの長男おびちゃん。
学校の決まりで、成績に問題がない場合、希望者は国外に半年まで留学することができる。
行き先は特に指定されないが、最も多いのは英語圏、続いてフランス語圏など好きなところに行っていいことになっている。
斡旋業者に仲介してもらってもいいし、個人でアレンジしても良い。
成績に問題がなければ、半年(1セメスター)留学に行った後に元の学年に復帰できる決まりだ。
行った先で特に単位とか資格(語学試験)をとってこいという要件はつかない。
半年分授業をすっ飛ばしたら、なんか学び落とすことがあるんじゃ…?と我々親は思うのだが、先生は「問題ない、今まで大丈夫だった」という。
いやそうじゃなくて、ギムナジウムに在学中というより、その後大学行った時に知らないことが常識として出てきて困るんじゃ?と我々は若干疑いを持っているのだが、とにかく合法的に1学期すっ飛ばしていいらしい。
おびちゃんは英語圏に行くか日本語圏に行くか、ちょっと迷ったようだ。
しかし割とすぐに結論はでて、日本に行くと言い出した。
正直、日本語は補習校でちゃんと学べているし、年一度は帰国してるので、将来的なことを考えるとここは英語圏に行って英語をブラッシュアップしておいた方がお得なんじゃ?と思ったのだが、どうやら本人は日本で高校生活というものをやってみたいらしい。
これは明らかに、アニメの影響だ。
高校の部活のアニメやらをみて、自分もやりたいと思ったに違いない。
その証拠に、日本で何をしたいかと聞かれたら、部活に入りたい、としか答えないではないか笑。
まあ日本に行きたいというのならそれでもいい。
問題は、どこの学校に行くか、である。
姉妹校などで交換留学をしているか、でなければ斡旋業者が入っている学校でなければ、一見さんで受け入れ校を探すのはそう簡単ではない、と経験者から聞いていた。
なにしろ、逆方向(日本から出てどこかに行く)の情報は溢れているが、この方向の情報(スイスから日本に行く)はまとまっておらず探すのが難しいのだ。
斡旋業者経由だと行き先の指定がほぼ出来ないらしいが、せっかくならうちの実家の近くなどが良い。
そうなると、まずは親の母校や地元の学校にあたってみるしかないようだ。
ただしお気楽な留学とはいえ、貴重な半年間を過ごすのであるからどこでも良いというわけにはいかない。
せっかくなら、スイス側の学校(ギムナジウム)に見合ったレベルの授業が受けられる、それなりの教育レベルの学校に送ってやりたい。
補習校で教えてもらい自分も頑張ってきたおかげで、日本語能力は日本の年代平均程度はあるので、授業を受ければ理解できるはずである。
いくら要件がつかないといっても遊びに行かせるのではないので、(部活も良いが)これまで培ってきた日本語能力を駆使してきちんと授業を受け理解するよう挑戦してもらいたい。
そう考えると、受け入れてくれさえすればどこの学校でも良いというわけにはいかない。
そこで、うちの実家のすぐ近くにある私の弟の母校(私の母校とは姉妹校の私立高校)と、受け入れがあると聞いていた京都にあるIBコースもある私立高校を見学に行ってみることにして、アポを取り付けた。
弟の母校の方は正式に留学生受け入れを行っているわけではないが、身元のはっきりしている(そして先生の覚えも悪くない)卒業生たちの関係者ならまあいいかという感じ、たまたま私の恩師も今はこちらの学校で教鞭をとっていらして仲介してくださったおかげで見学させていただけることになった。
京都の私立校は常時何人も留学生がいる状態で受け入れに慣れており、来たいなら誰でもウェルカムという感じであったが、実はきちんとした学校でかつ個人手配の留学を受け入れてくれる学校はそれほどたくさんあるわけではないので、貴重である。
見学に行ったのは去年の夏、実際の留学予定期間の丸一年前のことであった。