省エネモード もしくは燃え尽き? | 生物学者ママの実験的スイス生活

生物学者ママの実験的スイス生活

スイスドイツ語圏最大の都市で、仕事と子育てに奮闘中の研究者ワーママ。
夫とチビちゃん二人の家族4人の日々の生活を、生物学者としての視点で(独断と偏見も交えつつ)考察します。

先日ギムナジウム1年目前半の成績表を持ち帰ったおびちゃん。

スイスのギムナジウムのシステムでは、この時期の成績が悪いと退学処分となる。

(要件を満たさないと、Sekunderschuleという普通中学校に戻される)

この前半はあくまで「試用期間」、見習い扱いなのだ。

この後は成績が悪い場合でも滅多なことでは退学とはならずに留年程度で済むが、最初は厳しいのだ。

 

入学時25人のクラスで、2ヶ月の間(秋休みくらいまで)に二人自主的に退学し、今回の成績で三名が退学処分、実に2割の生徒が減って20人になってしまった。

学校の場所やクラスなど不確定要素が多く、必ず2割いなくなるわけではない。

他の人の話を聞く限り、おそらくこの例は多いほうだと思う。

 

いくつかの語学のテストの出来が悪く、本当に合格するかどうかが危ぶまれたものの、蓋を開けてみれば退学処分は免れた。

しかし、担任の先生には、「もうちょっと頑張れ(やればできるでしょ?)」的なことを言われたらしい。

 

実はおびちゃん、日本語補習校の方の先生にも、同じようなことを言われている。

面談時に、「日本から帰ってきてから(*中1の一学期の大半、日本に滞在し、その後補習校に戻ってからの意)、省エネモードですね」と。

座布団一枚、いや二枚!である。

誰が見ても、地上スレスレの低空飛行中であった。

 

ギムナジウムの入試が終わって以来1年近くこの調子、最低限でパスすれば良いや、という感じで、あまり本気で勉強しているようには見えない。

入試前はあんなに頑張っていたのに、燃え尽きたのか?

 

しかしそんなはずは絶対ない。日本の中学校ではたっぷり休養したし(ここでは省エネモードですらなく、完全プラグアウトだった笑)スイスに戻ってから入学するまでの2ヶ月間もひたすら楽しく遊び呆けていたはず。

たとえ一時的に燃え尽きていたとしても、復活するには十分だっただろう。

 

私と夫、弟のぶぶちゃん(幼くしてすでに)の3人はどちらかというと完璧主義で、うまく手を抜くということができず、やるべきこと全てに頑張ってしまう真面目で地道、律儀な性格なのだが、この子はどうやら違うらしい。要領よく最低限のポイントだけを抑えたいタイプのようだ。

このやり口はうちの弟を彷彿とさせる。

弟は努力を要する理科や社会などの面倒な科目は全て放棄し、高校では留年が危ぶまれるような成績だったにも関わらず、瞬発力の数学(文系にしてはまあまあいい線だった)と天性の才能があった現代文・小論文、母がかろうじて幼い頃から教え込んだ英語力だけで、某有名一流私立大に現役合格するという超省エネ高校生だった。

どうしてこういう形質が我が子に出てしまうのか、遺伝の不思議である。

 

この半年間で、どれだけ手を抜いたら危険なのかは、最低限学習したと思いたい。

別にギムナジウムを卒業しなくても大学に行かなくても自分が納得する人生が歩めればそれでよいのだが、さしあたりは教養としての最低限のもろもろの知識と考える力は身につけてもらいたいが、この国ではそうするにはギムナジウムにいるのが手っ取り早く無駄なお金もかからない。

大人になってから、勉強しなかったことを後悔する人はいるが、したことを後悔する人はいないんじゃないかと思う。

勉強するなら今である、ということをわかってくれると良いのだが。