試行錯誤、ホームベーカリー 酵母編 | 生物学者ママの実験的スイス生活

生物学者ママの実験的スイス生活

スイスドイツ語圏最大の都市で、仕事と子育てに奮闘中の研究者ワーママ。人生の3分の1以上をすでにスイスで過ごし、すっかり現地に同化中。
夫ともはやチビではない息子たちとの家族4人の日々の生活を、生物学者としての視点で(独断と偏見も交えつつ)考察します。

小麦粉はどれも変わらないという結論になった。
少なくとも、膨らみ具合に関しては、どの粉を使ってもほとんど影響が無い。
coop megastoreで入手したBackmehlも、ちょっと味が上のような気はしたが膨らみには関係なかった。
こちらの記事

パン焼きで次に重要な役者は、酵母である。
膨らみ具合は、どちらかというと小麦粉より酵母の責任が大きいかもしれない。


手元には数種類の酵母があった。migrosの自社ブランドのもの、Dr. Oetkerのもの、そして日本から持ち帰ったカメリア製のもの。
日本ではこのカメリア製の酵母でうまくいっていたし、私の基準点はこの酵母と同じカメリア強力粉を使ったときの仕上がりである。

他の条件が同じ場合、カメリア酵母の膨らみ具合、つまり焼き上がりのパンの高さを1とすると、Dr. Oetkerのは0.75程度、migros自社ブランドのにいたっては0.65~0.7程度。

カメリア酵母はふっかふかのパンになるが、後者二つは重く目が詰まった感じ。
同じ重量のパンが圧縮されているようなものだから、それは当然だ。

よく言えば、食べ応えがあるとも言える仕上がりである。

そこで私は考えた。
これは国民的な食の好みが酵母の性質に反映されているのではないだろうか。
ヨーロッパ人はふわふわの食パンはあまり好きではないらしい。
ふかふか歯ごたえがなさ過ぎて、食べた気がしないというのが理由のようだ。

これは日本人がぱらぱらのご飯が好きではないのと同じことだ。
単なる嗜好の問題である。

スイスで売られている酵母は、国民の好みに合わせて、ふっかふかのパンを作るようにはできていない。
生き物なので、できていないというと語弊があるが、そういう性質の酵母が好まれるから売られているということだ。

米にだって種類があるように、同じ酵母でも株によって性質が違う。
ここで売られている酵母は、おそらく発酵時間あたりに生産できる炭酸ガス量が少なく(もしくは増殖力が弱いためにそうなるか)、その結果パンの膨らみが弱いに違いない。


それでは、発酵時間を延ばしてみてはどうだろう?

ということで、次はベーカリーのプログラムを検討してみることにした。