金子みすゞの詩が好きです。
「見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでもあるんだよ」
「星とたんぽぽ」の詩の
一節にある言葉です。
それにあやかってというのか、いつも、
樹木の根っこを見ると、この詩を思い
出します。
もちろん、写真の姿は、樹木の根っこ
があらわになって、別の想像を起こし
そうですが。
田舎道とか、まちなかでも切通の道
をあるくとき見かける木の根っこです。
金子みすゞさんの詩のイメージとは、
随分違うと思いますが、写真の根っこ
を土の中に隠れていると想像していた
だくと、多少、そんな気分になるのでは
ないでしょうか。
金子みすゞさんのやさしさというのか、
ふだん見えていないところにも配慮する
そんな気持ちの詩ではないでしょうか。
その意味からいえば、樹木の根っこは
見えてなくても、一生懸命根を伸ばし、
水分とか栄養とかを摂って、見えている
樹木の幹や枝を伸ばしているのですね。