「お母さんに言っても仕方ないんだけど」
夕飯時に
突然
息子から電話が
かかってきた。
滅多に
電話なんてしてこないから
嫌な予感しかしない。
「お財布が無いんだよね」
そっちか。
怪我とか
事故とか
クラスを落としたとかよりは
ずっといいけど
これ
2回目。
お昼に
使ってから
お財布が
行方不明。
前も
夕飯に行った後
無くしたよね。
「うちにあると思うんだけど
見つからない」
それを
無くしたって
言うんです。
とりあえず
急いでいるらしいので
クレジットカードと
銀行のカードを
アプリから
ロックして
授業へ。
アプリから
ロックできるのは
とっても便利
これで
この瞬間からは
誰かに
使われることはない。
帰ってきてから
もう一度
探させてみようと
AI様に
アドバイスをいただく。
バッグ、コートやズボンの
ポケット
テーブルや
棚の上
ソファやベッドの
隙間
洗面台
キッチンカウンター
玄関
冷蔵庫の上や
電子レンジの横
洗濯物の近く
ゴミ箱や
紙袋の中
AI様の言う通り
ここを
もう一度探させたけれど
やっぱりない
と言う。
車に乗るから
免許は
早く再発行してもらわないと。
と言うことで
夜中に
クレカと銀行のカードに
連絡して
再発行を依頼。
前回は
免許証ナンバーが分からず
苦労したので
免許証の写真を
撮っておいた。
これで
オンラインで再発行は
楽勝。
クレカと銀行のカード
そして免許証
この三つを
これだけやっておけば
とりあえず
安心。
学生証は
明日学校で。
2回目になると
何をどうしたらいいか
流れるようにわかるけど
こんなこと
慣れたくなかった。
なんとか
気持ちを鎮めて
就寝
なのに
翌朝また電話。
「悲報がある」
と息子。
今度はなに?
「お財布、あった」
どこに![]()
調べたズボンが
違うズボンだった
っていうオチ。
もう
再発行しちゃったのに
免許証に
20ドルも払っちゃったのに。
とにかく
無くしてなかったから
よかったけど
脱力。
でも
AI様の
アドバイス通りだったことが
まるで
見られていたようで
ちょっと
怖い。
初めてお財布失くして、詰んだ話
