音沙汰なしの息子から

珍しく

電話があった。

 

春学期が始まって

クラスも落ち着き

 

友達とも

うまくいってるようで

 

楽しそうな会話で

終わった後

 

夜中に

再度

電話が鳴った。

 

「財布、無くしたショボーン

 

電話の後

友人と食事に行って

そこで無くしたと言う。

 

もう夜中で

頭も回らないけれど

 

やるべきことを

しなくちゃいけない。

 

まず

クレジットカードと

銀行のカードを

とめる

 

クレジットカードと

銀行は

 

同じところを

使っているから

 

私のカードで

連絡先を

すぐ教える。

 

使われる前に

とめることができたようで

 

まずは

一安心。

 

しかし

お財布に入っていた

現金は

諦めないといけない。

 

お財布拾って

届けてくれるなんて人は

 

この界隈には

絶対いない。

 

息子曰く

結構現金入れてたのに

 

と残念そうだけど

 

金額を聞くと

もっと怒ってしまいそうなので

 

あえて聞かない。

 

大学の学生証と

寮の鍵は

 

週明けに

学校で再発行をすれば

大丈夫。

 

保険証は

とりあえず

私の分を渡して

後で再発行。

 

AAA(JAFみたいなとこ)カードも

再発行で大丈夫。

 

ここまでは

順調だけど

 

最難関のものが

残った。

 

運転免許証。

 

この再発行が

地味に

大変だった。

 

運転免許証センターの

サイトで

 

再発行を

依頼しようとしたら

 

運転免許証ナンバーが

必要!

 

運転免許証ナンバーなんて

わざわざ

どこかに書いてないし

 

写真も

取ってない。

 

詰んだ。

 

次の手は

 

運転免許ナンバーが

ない場合

 

運転免許センターに

予約をとって

申請に行く。

 

ここが

かなり難しい。

 

オンライン予約を

できるオフィス自体が

 

半分くらい。

 

それもほぼ

田舎のオフィス。

 

そして

そのオフィスでさえ

 

予約ができるのは

3ヶ月後以降

 

予約したくても

予約するだけに

3ヶ月以上も待つなんて

 

何のための予約なのか

わからない。

 

予約ができない時の

最後の手段は

 

朝イチに

オフィスに行って

 

永遠と

並び続けること。

 

もうこれしか方法はない

けれど

 

めんどくさがりの息子にとって

一番できなそうな方法。

 

運転免許証を

諦めるか

 

どうにかして

運転免許証ナンバーを

手に入れないといけない。

 

自動車保険会社で

運転免許証の写しがある

 

と言う情報を

ネットで見つけて

 

保険会社に行ってみるも

 

ポリシーが変わり

下4桁しか

教えられないという。

 

下4桁じゃ

話にならない。

 

ここで息子から

電話

 

「運転免許証を取ったとき

テンポラリーの

紙の免許証もらったよね。

それある?」

 

あー

知ってる、知ってる

 

ちょうど1ヶ月くらい前に

整理してて

 

もう要らないよね

って思って

 

捨てたから。

 

鮮明な記憶が

よみがえる。

 

もう

運転免許ナンバー

手に入れられないのかも。

 

でも

バイトを始める時とか

何かの書類を出す時とか

 

割と何回も

運転免許証を

 

書類に

添付していた息子に覚えがある。

 

息子のiPhoneに

写真が残ってないか

 

もう一度

息子に電話する。

 

絶対

どこかにあるはず。

 

どこかに

あって欲しい。

 

しばらく

無言の後

 

「あった!」

 

と息子。

 

どうも

大切な書類を入れておく

アプリみたいのに

入れておいたらしい。

 

そんなアプリがあるのに

驚いたし

 

それを忘れていた

息子にも

あきれる。

 

これで

免許証の写しを

断捨離した自分も

救われた。

 

本当に

本当に

助かった。

 

そのあとは

期待以上にサクサク

 

サイトに

運転免許証ナンバーを入れたら

すぐに再発行終了。

 

テンポラリーの

免許証まで発行されて

 

運転することにも

支障なし。

 

運転免許証の再発行が

一番難しくて

一番簡単って言うのが

 

アメリカらしい。

 

お財布無くしても

思ったほどは

大変じゃないけれど

 

運転免許証ナンバーを

控えてなかったら

 

恐ろしいほど

労力がかかる。

 

早速

夫と自分と息子の

運転免許証ナンバーを

 

写真に撮って

とどめに

ノートにも書き留めた。

 

これで

お財布を無くしても

大丈夫。

 

現金よりも大切なのは

運転免許証ナンバーってことが

わかって

 

ちょっとだけ

息子に感謝。