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【北アルプス編】 其の六 『同士』



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9:28 【A沢のコル】より先を進みます。

登山用語:コルとは山頂と山頂を結ぶ稜線上で最も標高が低くなっている場所のことをいいます。


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【A沢のコル】より【長谷川ピーク】を見上げます。

『こんな所を通ってきたんだ…』

…というか、相変わらずガスで見えませんね…。


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我が同士、埼玉さん。 (勝手に同士にしちゃってます。)

先行して頂く分、相当心強い同行者です!


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次の難所は【飛騨泣き】。

同じ目的に向かう心強い同士がいることで、もう気持ちもブレたりしません。

仲間がいることで、こうも勇気を与えてくれるなんて…今までの僕なら思いもしなかったことです。

山に登るたびに、今まで味わったことのない感情が生まれてきます。

何だか、とても新鮮な気持ちになります。

山って、本当に素晴らしい!!


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…とはいえ、まだまだ険しい登りは続きます。

【A沢のコル】まで下ってきた感じなので、ここからは登りだらけです。

『つ、つらい…んですけど…』

ゼーゼーと、激しく息が上がります。


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登山の鉄則『三点支持』確保。

安全を確認しながら、一歩一歩上へ上へ↑


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幾つもの岩場を越えて、越えて!


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だんだんと体も慣れてきました。

もう恐怖はほとんど感じなくなってきていました。


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もうすぐ【飛騨泣き】です。

この岩を回り込んだところに、それはあります。


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9:46 【飛騨泣き】着。

『で、出たぁぁぁぁぁーーー!』

その聳え立つ荒々しい山容が姿を現します。


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見えますでしょうか?

岩に登っている方が?

…見えませんね。


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↑北穂側から下りてくる赤いジャケットの方。これは、わかりますね。

南岳側からは垂直の崖を登っていく感じです。


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両端は崖。

幸いガスで深さはわかりませんでしたが、相当な落ち込みがあります。

滑落すると、命がありません。


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しかし、ちゃんと鎖など設置してあり、登りやすかったです。

難なく消化。

危険な箇所にも、だいぶ余裕が出てきました。

…うん、楽しんできています。

それもこれも同士がいるおかげです!

埼玉さんに、ふか~く感謝!!


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いくつもの迫りくる危険に立ち向かっていった経験は心を強くしてくれます。

もう、何でも来~いっ!!みたいな感じです。


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こんな道や、


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こんな登りも、


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もう平気です。

自分完全復活!!


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『ふぅ~』

ひとまず、【大キレット】は無事越えました。

そして、【北穂高岳】への登り。

一気に200mの砦のような壁を登らせます。

ここも、かなりつらかったです。


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暗中模索。

ガスで道を見失わないように、慎重に。


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同士の埼玉さんには本当にお世話になりました。

名前も聞かずに別れてしまいましたが、

また機会があれば、どこかの山で会いましょう!

もしこのブログを見ていたら、連絡ください。

写真送ります。


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極限状態で差し伸べられた、人の手助けの暖かさや心強さ。

人とのつながりって、何て素晴らしいんだ!

山での出会いは、無粋な僕をほんのちょっと成長させてくれました。


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見えてきました。

【北穂高小屋】


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10:26 【北穂高小屋】着。

『やったー!大キレット、越えれたぁぁぁー!!』

込み上げてくる嬉しさを心の中で叫びました。

越えれたという実感は、やがて自信へと変わっていく。

『ここからは、一人でも大丈夫だ』

この日の最終地点【奥穂高岳】への道はまだまだ続いています。

ここで埼玉さんとはお別れをして、一人で進むと決意します。


『もう、へこたれる事なかれ…』


…つづく。