* 「愛なき伝説」: より | HERR*SOMMER-夏目

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  1916年 ユダヤ人科学者の子として生まれたヒルデスハイマー:若いころの職歴は多彩。
  家具師見習いを皮切りに、家具デザインや室内装飾を学ぶと、21歳からは ロンドンで舞台装置の技術を学んだ。
 そして戦争中にパレスチナに戻ると、英語教師、イギリス政府のスポークスマン、 戦後はニュルンベルクで戦犯審理における同時通訳、33歳からはフリー画家、グラフィックデザイナー、以後は 文筆家として活躍するといった経歴の持ち主。
 
こういった彼は36歳の時、それまでの作品を集めた短編集「愛なき伝説」を処女出版する。
 
  イロニーやパロディーに富み、不条理でグロテスクだが、それでいて、ミューズに捧げた短編物語を書きはじめたヒルデスハイマーは、36歳の時に処女出版した短編集「愛なき伝説」を10年後に改稿する。
 その作品中で、彼は《天才とエピゴーネン》という初期の課題を徹底的に突きとめていく。
 
   つまり、創作態度は みずからの天才的な源から行うのではなく後に生まれれたものとして 再び、創作、創造していくのである。
    それ故、《新しいものの天才的な創造というよりは、その先駆者のバリエーション、改稿》に重きが置かれたのである      
           
  Wolfgang Hildesheimer : 1916-1991
    Lieblose Legenden      Aus: K. Rothmann   
Reclam    ebd.  S.184-189.. 
 
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