アントニオーニ的虚無感に囚われていたここ数か月、YouTube(ゴミ屋敷処理、不動産トラブル、廃墟団地、街歩き、競馬女子チャンネル、等々)も見るものがなくなりつつあるので2月下旬から5月の間に鑑賞した映画の感想を投稿します。
(読書記録は、ある程度量が増えれば記事にする予定)
鑑賞後時間経過している作品が多く、脳内再生も難しいため断片的記憶による断片的感想です。
評価に明確な根拠は全くありませんのでご了承下さい。
(★5が満点、☆は0.5点)
『俺たちに明日はない』 アーサー・ペン監督 1967年
劇場鑑賞を含めもう何度観たか分からないが、何度観てもいい作品だ。アメリカン・ニューシネマの先駆け的傑作。
★★★★★
『ゾンビ』 ジョージ・A・ロメロ監督 1978年
<ゾンビ>映画の金字塔。
このジャンルの基本的な要素が漏れなくつめこまれている。
『めまい』アルフレッド・ヒッチコック監督 1958年
映画評論家の評価は異様なほど高いが、ヒッチコック信奉者のトリュフォーが語っているように「寂しい」作品のように思える。
★★★★
『鳥』 アルフレッド・ヒッチコック監督 1963年
化学薬品(害虫駆除のための森林への散布)によって自然界から追いだされた鳥たちの逆襲? ★★★★★
『華麗なるギャツビー』バズ・ラーマン監督 2013年
製作費をかけて映像は華やかだが、薄い内容までは補えず。
レッドフォード、ミア・ファロー(ジャック・クレイトン監督)の『ギャツビー』は良かったが。
勿体ない作品。
★★★
『反撥』 ロマン・ポランスキー監督 1965年
セックスへのあこがれと嫌悪。
妄想と幻覚の行き着く先に・・・
ポランスキー、ドヌーヴ イン ロンドン。
★★★★★
『シャレード』 スタンリー・ドーネン監督 1963年
オードリー・ヘップバーン×ケーリー・グラント、ロマンチック・サスペンスの最高峰。★★★★★
『アラベスク』 スタンリー・ドーネン監督 1966年
グレゴリー・ペックのキャラクターはこの作品に合わなかった?
★★★★
『不貞の女』 クロード・シャブロル監督 1969年
ステファーヌ・オードランが最も美しかったころ。
シャブロルの最高作という評価も。★★★★★
『歌麿 夢と知りせば』 実相寺昭雄監督 1977年
岸田今日子、瑳峨三智子、長嶺ヤス子、渡辺とく子、八並映子、桜井浩子、鹿沼えり、中川梨絵、三田和代、緑魔子、豪華すぎるキャスト
『哥』 実相寺昭雄監督 1972年
「日本人の内なる精神構造を描く。地方の旧家を通じて、われわれの身体と心を縛りつけている故郷を模索する」(映画com)
抽象的で曖昧模糊とした絶妙な紹介文。
実相寺昭雄×石堂淑朗(脚本)三部作最終章。
★★★★
『鉄砲玉の美学』 中島貞夫監督 1973年
ラストは『真夜中のカーボーイ』へのオマージュ?
うさぎを太らせてはいけない。
★★★★☆
『女賭博師 みだれ壺』 田中重雄監督 1968年
シリーズ第11作。
『女賭博師 奥ノ院開帳』 井上芳夫監督 1968年
笠原玲子もろ肌開帳。★★★★☆
『新女賭博師 壺ぐれ肌』 三隅研次監督 1971年
監督三隅研次で期待したが・・・
単なるアクション映画になってしまった?
★★★☆
『東京アンタッチャブル』 村山新治監督 1962年
白昼の宝石店強盗はリアリティがなさすぎると思ったが、銀座で高級時計強盗が衆人環視のなかで決行された現実をみると、その先見性に驚く。現実の強奪犯にあらがってドアを閉めたのは銀座のママさん。
『新高校生ブルース』 帯盛迪彦監督 1970年
ユーモアがあってカラッとした仕上がりは脚本(今子正義)の功績も大きいのでは。★★★★☆
『実録不良少女 姦』 藤田敏八監督 1977年
港マコの自伝的エッセイ『横浜ざんげ録』が原作。
15歳で初体験、家出、売春、同棲、16歳で出産。
日夏たよりがいて、小川恵がいたハマの夏。
★★★★☆
『闇に抱かれて』 武田一成監督 1982年
アントニオーニの『情事』が元ネタ?
風祭ゆき=モニカ・ヴィッティ?
夏麗子は川上麻衣子を彷彿とさせる。★★★★☆
『直撃地獄拳』 石井輝男監督 1974年
千葉真一×佐藤允×郷鍈治の三バカ?トリオプラス中島ゆたかの魅力。★★★★
『聖獣学園』 鈴木則文監督 1974年
多岐川魔矢(裕美)の復讐、渡辺文雄の悪夢的司祭。
聖像のレリーフに聖水、禁断の女子修道院。★★★★★
『香港パラダイス』 金子修介監督 1990年
時はバブルの真っ只中。
楽しくなけりゃ映画じゃない?
『燃えつきた地図』 勅使河原宏監督 1968年
高度経済成長の時代に疲れた男たち、人間蒸発の季節。
長山藍子のヌードモデル。勝新も一種の蒸発人間。
図書館で美術書の絵を切り抜く女(工藤明子)も病んでいた?
信欣三マスター、吉田日出子ウエイトレスの恐怖の喫茶店。
安部公房的不条理映画。
★★★★★
『夏の妹』 大島渚監督 1972年
素直子(すなおこ)=栗田ひろみ 15才、オキナワの夏。
栗田ひろみ×りりィ×石橋正次×殿山泰司×大島組俳優陣。
暗喩を読み解く面白さ?
★★★★★
『がんばっていきまっしょい』 磯村一路監督 1998年
愛媛松山の高校女子ボート部員たちの夏、田中麗奈の夏。
あの夏の日々は遠い幻。
青春部活系映画の傑作。★★★★★
『害虫』 塩田明彦監督 2002年
説明を極力省いている所はロベール・ブレッソン的。
中学生のいじめが社会問題化していた時代?
人生は戦場
『リリイ・シュシュのすべて』 岩井俊二監督 2001年
ファーストシーンの鮮烈な映像。
北関東の中学生たちの夏を境に人間関係が変容していく姿、
<音楽>の持つ力の大きさ、SNSの投稿でつながる人間関係。
西武の高橋光成や今井達也が長髪、茶髪にする気持ちが理解できそうな北関東特有の、田舎でありながらプチ都会的な場所も近辺にあるという特殊な地理的条件によって生まれるねじれた感情が生々しい岩井俊二の最高傑作。エーテルとは何 ★★★★★
次回の投稿は7月か8月の予定です。