『私は二歳』『でんきくらげ』『翔んだカップル』『夜の大捜査線』他2023、1~2月 | レイモン大和屋の <シネ!ブラボー>

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映画感想、読書感想を備忘録として書いてます。
三浦しをん氏のエッセイを愛読しています。
記憶に残る映画と1本でも多く出会えることを願っています。

『私は二歳』1962年(大映)

監督・市川崑 原作・松田道雄 脚本・和田夏十

撮影・小林節雄 音楽・芥川也寸志

 

出演 山本富士子 船越英二 鈴木博雄(1歳8ヵ月)

   渡辺美佐子 岸田今日子 浦辺粂子 倉田マユミ

   大辻司郎 浜村純 京塚昌子 中村メイコ(ぼくの声)他

 

 都営団地のサラリーマン夫婦の間に生まれた赤ん坊の名前は、太郎。パパとママは僕(太郎)の成長に一喜一憂する毎日。特にママは子育てに悪戦苦闘。おまけに子育てをめぐって嫁姑問題勃発。そのような中で、僕0歳から2歳になるまでの日々を描く。

                    (Wikipediaより)

 

赤ん坊の気持ちを赤ん坊自身のモノローグ(声は中村メイコ)で表現するというユニークな作品。ママやパパの気持ち(想像)と赤ん坊自身が感じたり考えていることは必ずしも同じでないばかりか全く見当違いだったりする、そのギャップが面白い。そして育児がどれほど大変な仕事なのかをあるあるエピソードでユーモアを交えて描く市川崑、和田夏十コンビによる心温まる映画。

この頃市川崑の長女が2歳で、和田夏十(崑夫人)は子育て中だったそう。たーちゃん(赤ん坊)の名演技?が微笑ましい。

★★★★★

(★5が満点 ☆は0.5点)

 

 

 

『でんきくらげ』1970年(大映)

監督・脚本・増村保造 原作・遠山雅之(週刊読売連載『悪女の手口』)脚本・石松愛弘 撮影・小林節雄 音楽・林光

 

出演 渥美マリ 川津祐介 根岸明美 西村晃 玉川良一

   中原早苗 真山知子 木村元 青山良彦 平泉征 ほか

 

洋裁学校に通う19歳の由美(渥美マリ)はバーで働く母・トミ(根岸明美)と母の情人で保険勧誘員の吉村(玉川良一)と粗末なアパートで暮らしていたが、ある日吉村に力ずくで犯された。そのことを由美から聞いたトミは逆上して吉村を刺し殺し刑務所に送られる。トミが勤めていたバーで働くことにした由美はそこで銀座の高級クラブのマネージャー兼スカウトの野沢(川津祐介)にスカウトされ野沢の愛人で高級クラブのママ(真山知子)の店で働くことになった。スカウトされた野沢に惚れた由美はクラブの経営者である社長(西村晃)の愛人になることを勧める野沢の言葉に傷つく。刑務所で暮らす母に楽な暮らしをさせてやりたい由美は野沢の勧めに従い社長の愛人になったが、思わぬ出来事が起こり窮地に立たされる。

 

渥美マリ『軟体動物シリーズ』の第三作目。

『しびれくらげ』『夜のいそぎんちゃく』など計6本制作されたシリーズの中でも増村保造×石松愛弘コンビによる本作は夜の世界に生きる女の”自立”をテーマにして見応えある出来栄え。

渥美マリの裸をいとわぬ体当りの熱演がこのシリーズの魅力。

★★★★★

 

 

『海辺の映画館 ーキネマの玉手箱』2020年

監督・脚本・大林宣彦 脚本・内藤忠司 小中和哉 撮影・三本木久城 音楽・山下康介

 

出演 細山田隆人 厚木拓郎 細田善彦 成海璃子 山崎紘菜 常盤貴子 吉田玲(新人)小林稔侍 白石加代子 笹野高史 

品川徹 入江若葉 川上麻衣子 武田鉄矢 村田雄浩 伊藤歩 高橋幸宏 中井有理 浅野忠信 根岸季衣 渡辺裕之 ほか。

 

広島尾道の海辺にある映画館・瀬戸内キネマが閉館を迎え、その最終日に日本の戦争映画大特集と題したオールナイト興行が行われる。3人の若者が映画を観ていると劇場に稲妻が走り、閃光が彼らを包むと同時にスクリーンに押し込んでしまう。戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、原爆投下前の広島と上映作品の劇中で描かれる戦争をめぐる中で3人は桜隊という移動劇団の面々と出会い、史実では原爆の犠牲になってしまう劇団員たちを救おうと手を尽くす。(シネマトゥデイ)

 

映画の前半はCMのダイジェスト版を観ているような目まぐるしい流れで何を描きたいのかと困惑するが、インターミッション後の後半に入り成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子がメインになる辺りから映画らしい情感が生まれる。「反戦」「厭戦」というテーマが鮮明になり、戦争の愚劣さ、人間の愚かしさ、卑小さ、滑稽さが過去と現在を繋ぐ人々によって過去の反省と未来への教訓として描かれる。人類が存在する限り戦争が終わることは恐らくないだろうが、「戦争」がない世界は「戦争」を間近に見てきた映画少年大林宣彦の祈りに似た切実な思いであり、それを映像文学として表現した集大成と言える作品がこの『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』。

★★★★★

 

『必殺色仕掛け』1973年

監督・藤井克彦 脚本・高田純 撮影・前田米造
音楽・月見里太一(鏑木創)
 
出演 二條朱美 市川亜矢子 牧れい子 叶今日子 薊千露
   丹古母鬼馬二 榎木兵衛 浜口竜哉 谷本一 ほか。
 
ロマンポルノ作品には珍しいコメディタッチの映画で、怪優・丹古母鬼馬二(たんこばきばじ)が大奮闘している。裕次郎の時代から日活映画でお馴染みの脇役俳優、榎木兵衛、浜口竜哉、ロマンポルノで活躍の場を拡げた谷本一らが名を連ね、ロマンポルノでは一、二を争う御贔屓女優・二條朱美の出演で文句なしに楽しめる。廃娼、婦人解放運動推進家・市神近子に扮した市川亜矢子のコメディ演技は良かったが、絡みのシーンが皆無だったのがチョット残念。
★★★★☆
『スパイの妻(劇場版)』2020年
監督・脚本・黒沢清 脚本・濱口竜介 野原位 
撮影・佐々木達之介 音楽・長岡亮介
 
出演 蒼井優 高橋一生 東出昌大 坂東龍汰 恒松祐里
   みのすけ 玄理 笹野高史 川瀬陽太 ほか。

 

太平洋戦争開戦を控えた1940年、聡子は神戸で貿易会社を営む夫優作と何不自由なく幸せに暮らしていた。国家総動員法下、貿易商という職業柄当局に目を付けられがちで洋風の生活様式で通し、舶来品を楽しみ趣味の9.5mmフィルム撮影に興じた。時勢に頓着しない優作を聡子の幼馴染である陸軍憲兵の泰治は心よく思わない。ある時文雄を伴って満州に出かけ予定よりも遅く帰国した。優作の様子を聡子は訝しみ疑いを抱きはじめる。優作は満州で知った国家機密(日本軍による人体実験)についてある計画を秘めていた。泰治が二人を追い詰めていく中、文雄の拘留をきっかけに全てを知った聡子は”スパイの妻”と罵られる覚悟で愛する夫と運命を共にする決意を固め、優作ですら予想もつかなかった変貌をとげていく。(Wikipedia)

 

NHKBSで2020年6月に放送されたドラマで、劇場版として公開されるに当たりスクリーンサイズや色調を新たにしたとされる。題材は面白いがやはりこれはテレビドラマとして作られた作品で、劇場公開された映画作品として観ると、優作(高橋一生)や文雄(坂東龍太)が国家機密を告発しようとした切っ掛けになる場面の描写不足や聡子(蒼井優)の気持ちの急激な変化に説得力が欠けている。聡子が優作に「あなたを愛している、あなたと一緒にいたい」ということを台詞で何度も強調する辺りも極めてテレビドラマ的。

蒼井優は決して下手な女優ではないが、この作品に関する限り、自然さが無く、いかにも演技しているという不自然さが目に付いた。高橋一生についても同じような印象。作品のテーマも「国家機密」の告発が主なのか、夫に対する妻の「愛情」を描きたかったのか(おそらく両方だろう)明確に伝わってこなかった。ここまで書いたあと黒沢監督のインタビュー記事を見つけた。それによって疑問のいくつかが理解できた。黒沢監督はインタビューでこう述べている。

「この時代ならではの個人と社会の関係を描きたいと思った。

サスペンスだったりメロドラマといった僕の好きなジャンル映画でもあって、こういうのは日本ではあまり見たことがない。でもオリジナルストーリーとして発想すれば、そういうジャンル映画の面白さと重いテーマは必ず共存できるとはずだと確信していた」8K撮影については「撮影そのものは変わらないが8Kはものすごくクリアで鮮やか。ということはこれが怖いんですが、俳優の演技を撮ると、俳優が演技をしているようにしか見えない。ともすると俳優が演技している所を中継しているようにしか見えない」(Fan's voice参照)と語っている。

映画としての試みとしては面白いが必ずしも成功していると感じなかった理由の多くは役者(の演技)にあったように思える。

蒼井優、高橋一生、東出昌大、主要な3人の俳優の演技力、その実在感の欠如、演技してます感。失礼ながらこの作品の内容に相応しい演技レベルではなかったと感じた。作者の狙いは面白いが、本作をあまり高く評価できない理由はここではないか。杉村春子、田中絹代、高峰秀子、岸田今日子、若尾文子、滝沢修、森雅之、岡田英次、三国連太郎、山崎努と名優たちを思い起こすと歴然。一スジ、二ヌケ、三ドウサ(脚本(ストーリー)、撮影(映像)、俳優の演技)という牧野省三の金言が思い出された。

★★★☆

 

 

『翔んだカップル』1980年 1983年(オリジナル版)

監督・相米慎二 原作・柳沢きみお 脚本・丸山昇一

撮影・水野尾信正 音楽・小林泉美

 

出演 薬師丸ひろ子 鶴見辰吾 石原真理子 尾見としのり

   前村麻由美 円広志 三谷昇 真田広之 原田美枝子 他

 

主人公・田代勇介は共学の私立高北条高校に入学し上京してきた。外国に行っている伯父夫婦の一軒家に独り住むことになり男性の同居人探しを依頼した。ところが不動産屋の手違いから可愛く無邪気ながらも気の強い少女・山葉圭と同じ屋根の下で共同生活を送るはめになる。勇介は圭に好意を抱くが自分の気持ちに素直になれず、顔を合わせれば喧嘩になる。そんな勇介をクラスの才女・杉村秋美が興味を持ち急接近。勇介は秋美との仲を深める一方で圭への想いも捨てられず2人の間で揺れ動くことになる。圭は勇介への愛を自覚するようになるが、秋美への嫉妬が障壁となって想いを伝えることが出来ない(Wiki)。

 

漫画が原作という事もあってか設定やストーリー展開そのものが翔んでいる。勇介(鶴見辰吾)が入部したボクシング部の主将がいきなり勇介の家にやってきて今日から一緒に同居させてくれと上がり込むシーンなどが一例だが、リアリズムという面に捉われているとこの作品の真価を見誤ってしまう。翔んでる設定は現実感のない映画ということになりかねないが、思春期の少年少女が抱く異性に対する想い、自我の芽生え、素直な気持ちを相手に伝えることへの羞恥心など、同じ家に同居する高1の男女間であればこその気持ちの揺らぎが相米慎二のリアリズム演出で見事に表現されている。時に相手を傷つける言葉や行動。その正体が何であるか、自分自身でも摑みきれないもどかしさ。圭(薬師丸ひろ子)の才女で美人のクラスメイト秋美(石原真理子)への嫉妬心、惚れた圭が勇介と一緒に住んでいることへのクラスメイト中山(尾見としのり)の嫉妬。「設定はどんなにぶっ飛んでもいいけど、感情にリアリティがなければチャーミングな映画にはなりません」という筒井ともみ(脚本家)の言葉がよみがえる。

勇介と圭のクラス担任に扮した円広志が好演。教頭役の三谷昇は見落としてしまった。(鑑賞は122分のオリジナル版)

★★★★★

 

 

『夜の大捜査線』1967年

監督・ノーマン・ジュイソン 原作・ジョン・ポール(『夜の熱気の中で』)脚本・スターリング・シリファント 撮影・ハスケル・ウェクスラー 音楽・クインシー・ジョーンズ  主題歌・レイ・チャールズ

 

出演 シドニー・ポワチエ ロッド・スタイガー ウォーレン・ 

   オーツ リー・グラント スコット・ウィルソン 他。

 

偏見と差別の根強い南部ミシシッピの田舎町で殺人事件が発生し、通りがかりの青年バージルの身柄が拘束された。しかし、実は彼はフィラディルフィアの敏腕刑事で皮肉にも助っ人として事件の解決に手を貸すことになる。難航する捜査に苛立ちをつのらせる地元の白人警察署長との対立、立ちはだかる人種偏見への壁を乗り超え事件は無事解決するように思えたが ―(DVD解説)

 

黒人の敏腕刑事バージル(シドニー・ポワチエ)と偏見と片意地で頑固の塊のような田舎の白人警察署長ギレスピー(ロッド・スタイガー)の意地の張り合い、丁々発止の駆け引き、それに絡む無能な巡査(ウォーレン・オーツ)閉鎖的で人種偏見の強い南部の田舎町のいびつな人間関係が容赦なく暴かれていくのがこの作品の魅力。夜の熱気の中で。人種偏見と闘いながら仕事に熱意を燃やすバージルと田舎でくすぶり、独身のまま孤独の中で片意地を通すギレスピーは表裏一体。ノーマン・ジュイソンはテレビ界出身の監督らしく、観客を飽きさせずに最後まで客席にとどまらせるかにいかに心血を注いでいるかをオーディオコメンタリーで熱く語っている。ジュイソン映画の面白さ(『シンシナティ・キッド』『華麗なる賭け』『月の輝く夜に』等々の秘密の一端がこのコメンタリーで理解できた。『夜の大捜査線』でもテーマ的な所を掘り下げるあまり真面目になりすぎて観客が退屈することを懸念してその部分の演出には相当神経を使ったと言っている。

ミステリーとしての犯人捜しの面白さで最後まで観客を引っ張っていくことを最重要に考えたというのは意外。勿論、当時問題になっていた公民権運動に対しても深い関心を持っていたことは撮影を担当したハスケル・ウェクスラーをはじめとしたスタッフ一同の一致した思いだったようだ。作られるべき時に作られるべくして作られた作品であったという言葉は赤狩りでハリウッドの映画出演作がほぼ無くなりこの作品に懸けていたというリー・グラントのコメントにも窺える。アカデミー賞5部門受賞の名作。★★★★★

 

『波止場』1954年

監督・エリア・カザン 脚本・バッド・シュールバーグ

撮影・ボリス・カウフマン 音楽・レナード・バーンスタイン

 

出演 マーロン・ブランド エヴァ・マリーセイント

ロッド・スタイガー リー・J・コッブ カール・マルデン 他

 

ニューヨークの波止場で働くテリーは港を牛耳るジョニーの命令によって兄チャーリーが仲間を殺す現場を目撃してしまう。殺された男の妹イディの嘆き悲しんだ姿に心動かされたテリーは法廷での証言を決意する。しかし察知したジョニーは口封じのために様々な脅しで妨害しついには兄チャーリーまで殺されてしまう。意を決してテリーは正義を貫くためジョニーの本拠地に乗り込んで行くが・・・(DVD解説)

 

アメリカも日本もかつて港湾事業を仕切っていたのはギャングまがいの一団(ヤクザ関係者)と相場は決まっているようだ。

この作品でも叩き上げのボス(リー・J・コッブ)が睨みを効かせて港湾事業(船荷の荷下ろし倉庫への収納など)の仕事を独占して港湾労働者たちを搾取支配している。元ボクサーのテリー(マーロン・ブランド)は根は優しい男だが、ボスの懐刀で法律の知識もある兄チャーリーの指示で八百長試合に加担してしまって以来身も心もすさんでしまった。そんなテリーの心を動かしたのはボスの指示で殺されてしまった男の女子大生の妹イディ(エヴァ・マリーセイント)。2人は別世界に生きていた人間だが、事件があって以来親しく言葉を交わすようになり、頑なだったイディの気持ちも次第にテリーに惹かれていく。教会の神父(カール・マルデン)は港湾労働者がボスの思うままに搾取されていることに心を痛め、妨害を覚悟で教会で集会を開くがジョニーの手下に手ひどい攻撃を受ける。神父の決意に心動かされ警察の証人尋問を受けた港湾労働者が殺され、テリーを庇った兄チャーリーも無残に殺されたことでテリーの堪忍袋の緒が切れる。東映やくざ映画ならば健さんと池部良の殴り込みのシーンになる所。

マーロン・ブランドがボスのいる波止場に単身で殴り込む。

ジョニーに叩きのめされるテリー、駆け寄るイディ。蹌踉として立ち上がり倉庫に向かうテリー。見守る港湾労働者たちの顔顔顔。テリーに続く港湾労働者たち。圧倒的なマーロン・ブランドの演技。アカデミー賞作品賞受賞作。

★★★★★(90~100点)

 

『セックスと嘘とビデオテープ』1989年

監督・脚本・スティーブン・ソダーバーグ

撮影・ウォルト・ロイド 音楽・クリフ・マルティネス

 

出演 アンディ・マクダゥエル ジェームズ・スペイダー

   ピーター・ギャラガー ローラ・サン・ジャコモ

 

夫ジョンは弁護士、アンは貞淑な妻。理想的な夫婦の日常は夫の友人グレアムの出現によって波風が立ってゆく。ジョンの浮気に気付いたアンはグレアムの向けるビデオカメラに心情を吐露する。欺瞞に満ちた日常は崩れ落ち、やがて浮き彫りにされていく自己の内面。セックスと嘘が絡み合う日常の虚構がグレアムという闖入者と彼が携えるビデオカメラによって暴かれていく ―

                       (DVD解説)

 

理想的な夫婦が実は・・・という話は昨今話題になっている芸能人夫婦のケースにとどまらず、全世界で起きているありふれた出来事にちがいないが、この作品は『セックスと噓とビデオテープ』というタイトルの通りビデオテープが重要なファクターになっている。ビデオテープの前でしか真実を語れない女、ビデオテープに収められた異性の性的な告白によってしか性的興奮を得られない男という現代の病理。インディーズの作品らしくタイトでソリッド。主演はアンディ・マクダゥエルという当時のハリウッドの人気女優。登場人物はほぼ4人だけ。スティーブン・ソダーバーグのデビュー作にして最高作。カンヌ国際映画祭グランプリ★★★★☆(80~89点)

 

『地下鉄のザジ』1960年

監督・脚本・ルイ・マル 脚本・ジャン=ポール・ラプノー

原作・レーモン・クノー 撮影・アンリ・レイシ

音楽・フィオレンツォ・カルピ

 

出演 カトリーヌ・ドモンジョ フィリップ・ノワレ

   ヴィットリオ・カプリオーニ カルラ・マルリエ 他

 

PARIS!凱旋門、エッフェル塔、カフェオレにクロワッサン。

お愉しみは色々あれど、田舎からやって来た少女ザジの一番の目的はMETRO!地下鉄に乗ることでした。しかし残念なことに、地下鉄はストの真っ最中。仕方なくパリ見物に出かけたザジの行く先々では奇妙珍妙な大人たちが現れて、ハチャメチャな騒動が巻き起こります。(公式ページより)

 

パリの駅に着くなりザジの母親は若い恋人と消え、ザジは叔父さんの家へ。楽しみにしていた地下鉄はストで閉鎖されパリの街を見物して歩くザジ。パリの街にはおかしな大人が溢れている。

口の悪さでは負けないザジは「ケツくらえ!」と言って大人たちの怒りを買い、イタズラをして街中を逃げ回る。パリの街を歩き回り遊び疲れたザジは叔父さんが出演しているショーパブで眠り込む。レストランで大人たちは破壊の限りを尽くして暴れまわっている。朝が来ると地下鉄が動き始めていた。ザジは地下鉄に乗ることもなく恋人の家から帰って来た母親と一緒に列車に乗り込む。「ずいぶん年をとった」と言い残して ー。

映画史上最高にチャーミングな子役、カトリーヌ・ドモンジョに乾杯!!

★★★★★(90~100点)