2022 11月の読書記録Ⅰ 『幸田露伴』他 | レイモン大和屋の <シネ!ブラボー>

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映画感想、読書感想を備忘録として書いてます。
三浦しをん氏のエッセイを愛読しています。
記憶に残る映画と1本でも多く出会えることを願っています。

図書館で借りた本が明日返却日なので内容を忘れないうちに再読(拾い読み)しつつ記録。本を読んでもすぐに内容を忘れるので(映画はほぼ24時間で詳しい記憶が消滅)本来ならメモを取りその日のうちに簡単な感想を書くのがいいと思うが、     面白い小説を一回きりで読み捨ては本当に勿体ない。

 

 

幸田露伴 (ちくま日本文学全集)

収録作品  太郎坊・貧乏・雁坂越・突貫紀行・観画談・鵞鳥・幻談・雪たたき・蒲生氏郷・野道・望樹記

 

『蒲生氏郷』以外は18ページから70ページ以内の短編小説。

どの作品も面白すぎる。特に『太郎坊』『突貫紀行』『鵞鳥』『野道』『幻談』『望樹記』

 

 

 

木山捷平  (ちくま日本文学全集)

収録作品  詩・俳句・うけとり・おじいさんの綴方・

      長春五馬路(ちょうしゅんウーマロ)・春雨・軽石

      下駄の腰掛

 

『長春五馬路』が273ページでそれ以外は短篇。こちらもどの作品も面白かった。『長春五馬路』は、作者が1944年(昭和19年)12月、満州国農地開発公社嘱託として新京(長春)に赴いた際の体験をもとに書かれた作品。

 

 

『父 その死』 幸田文 (新潮社)

 

幸田露伴の晩年、離婚して幼い娘をつれ実家に戻った幸田文が父露伴が読書も出来なくなり臥床につき死を看取るまでの様々な出来事、亡き父との思い出を綴った作品。

 

 

『マイトレイ』 ミルチャ・エリアーデ 住谷春也訳

                 (河出書房新社)

 

 

エリアーデがインド各地を旅行した20代初めの体験をもとに、26歳の時に発表された作品。ベストセラーになり一躍有名作家になった。その後数十年の時を経て、主人公の少女マイトレイが知らされる衝撃の事実。人生の不可思議。

 

 

『軽蔑』アルベルト・モラヴィア 大久保昭男訳 河出書房新社                                                   

 

愛する妻のためにと思って買った高級アパートの支払いのため、意に添わぬシナリオ書きの仕事を引き受けるモルテーニ。映画のプロデューサー、バッティスタを避けようとする妻のエミーリア。いつしか夫のモルテーニに軽蔑の感情をいだき始める妻。

エミーリアの不可解な心変わりに懊悩するモルテーニの心の闇が幻想的なシーンを交えて鮮やかに描かれる。

ゴダールの監督で映画化。

 

 

 

 

『源氏物語(一)』 紫式部 日本古典文学全集 (小学館)

 

冒頭に、物語の構造、史実と虚構、主題、文章、作者の伝記、伝本、伝来と評価などの解説ページがあり、『源氏物語』の基本的な知識として役立った。本文の上下に注釈と現代文による口語訳が付いているので有名作家による現代語訳の『源氏物語』ではなく、底本を読みたい人には最適。返却日まで読み終わらず。