『殺人遊戯』『私をスキーに連れてって』『就職戦線異状なし』『さらば映画の友よ』他2023.10月 | レイモン大和屋の <シネ!ブラボー>

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映画感想、読書感想を備忘録として書いてます。
三浦しをん氏のエッセイを愛読しています。
記憶に残る映画と1本でも多く出会えることを願っています。

 記憶力低下(鑑賞回数1回)のため記憶違いが多々あると思いますが、自分のため映画備忘録(映画メモ)のようなブログなので御了承お願い致します。先週1週間に観た映画の極私的印象で、皆様の評価と異なる際はご容赦下さい。☆5が満点、★は0.5点                                                                                 『野生の証明』(監督・佐藤純彌 1978年) 

高倉健と映画デビュー作の薬師丸ひろ子の共演が見所だが、健さんの悪役的設定?にやや違和感があり、『君よ憤怒の河を渉れ』の佐藤純彌監督、健さん中野良子の共演作でもあり、スカットさわやかなアクション映画が見てみたい気もした。☆☆☆☆ 

 

 

                                             『陽はまた昇る』(監督・佐々部清 2002年) 

ビデオの統一規格はSONYのβ(ベータ)で決まりと思っていたが、Victorが開発し他社も追随したVHS規格に決まった時には驚いた。そのビデオも今やDVDやブルーレイにとって代わられる時代の流れの速さ技術の進歩の速さ。映画は良質の感動作だが。☆☆☆★

 

 

                                             『シグナル 月曜日のルカ』(監督・谷口正晃 2012年) 映画館を舞台にした作品は日本でも色々あるが、この作品は映写技師だった祖父(宇津井健)の後を継いだ孫娘の映写技師(三根梓)が主人公。映画ファンなら気になりそうな『~月曜日のルカ』 というタイトルは中平康監督の『月曜日のユカ』(主演・加賀まりこ)と内容的な関連性はほぼ感じられず、テーマとして映画館や映写技師が主人公である必然性も感じられないのは原作者や監督、プロデューサーが映画好きでただこのタイトルを借用したかっただけなのか?☆☆☆★ 

 

 

                                                  『金融腐蝕列島 呪縛』(監督・原田眞人 1999年) 

株主総会で暴力団関係者の妨害工作、金融機関と反社会勢力との癒着がテレビマスコミ関係で大きく取り上げられ、政治社会問題になっていた時代を切れ味鋭く描いた作品で、これまでの社会派日本映画には見られないテンポの速さと切り口の面白さ。☆☆☆☆★

 

 

 

                                 『『大空港 2013』(監督・三谷幸喜 2013年) WOWOWのドラマWとして放送され2014年5月に映画館で特別上映された作品で、1時間40分の作品をワンカットで撮影したというのが最大の注目点。会話とリアクションの面白さ、終盤の意外な展開など100分を飽きさせずに見せるのは竹内結子の魅力と香川照之をはじめとする演技力のあるクセモノ俳優を揃えたキャスティングの勝利か。☆☆☆☆  

 

 

 

 

                                              『私をスキーに連れてって』(監督・馬場康夫 1987年) 一大スキーブームを巻き起こしたホイチョイプロダクション制作の第1作。内容のデタラメさはともかく、これが娯楽映画の王道と言わんばかりの突き抜け方は今観ても魅力たっぷり。☆☆☆☆★  

 

 

                                                                             『彼女が水着にきがえたら』(監督・馬場康夫 1989年) スキーから水着に、ホイチョイプロダクションの機を見るに敏な変わり身の早さ。ロベール・アンリコ監督『冒険者たち』の財宝探しに湘南あたりの金持ち連中の道楽遊びを絡ませた恋愛モノで、頻繁に挿入されるサザンオールスターズの曲に耐えられれば十分楽しめる作品。☆☆☆★ 

 

 

                                                                                         『就職戦線異状なし』(監督・金子修介 1991年)

バブル期の就職戦線の異常さがこの作品を観ると良く分かるが、この時代も大手マスコミ入社は狭き門だったようだ。

主人公(織田裕二)がマスコミにこだわる理由が今一つ分からないが、バリバリの娯楽映画にそれを言うのも野暮というものか。和久井映見がとにかく可愛いい。☆☆☆☆  

 

 

                                                                                        『波の数だけ抱きしめて』(監督・馬場康夫 1991年) 

ホイチョイプロダクション制作第3作。茅ケ崎の海岸近くでミニFM局を開設する幼馴染みの男女4人の大学生と大手広告会社若手社員の間に起こる恋愛模様。夏、海岸、サーフィンと言えばジョン・ミリアス監督の『ビッグ・ウェンズデー』を思い出すが、若者たちが開設したFM放送局に絡めた恋愛映画という着眼点が素晴らしい。遠い日の思い出は甘くほろ苦く、過ぎ去った夏の日々・・・ ☆☆☆☆  

 

 

                                                                                     『殺人遊戯』(監督・村川透 1978年) 

佐藤蛾次郎に再三足を踏みつけられながら「ネバーギブアップ!!」と叫んで耐える松田優作、<ゴキブリ商事>と書かれたチリ紙交換車で阿藤海(快)と借金取り立てをする松田優作、

さらに中島ゆたかとのベッドシーンがこの作品の最大の見どころ。☆☆☆★ 

 

 

                                                    『さらば映画の友よ インディアンサマー』(監督・原田眞人 1979年) 

映画狂だった沼津出身の映画監督原田眞人の自伝的な要素と映画狂のダンという男が東映の大部屋俳優だった川谷拓三に被るという虚実入り交じる中、大胆なフィクションも加味して1968年から69年という時代を生きた映画狂二人のすれ違う思いを描く。主人公(重田尚彦)と地元の不良少女(浅野温子)の恋愛も絡めて屈折したある種の青春映画の傑作たりえている。

惜しむらくは主演の重田尚彦がとうが立ちすぎて、19,20の浪人生には見えなかったこと。長谷川元吉カメラマンの撮影が素晴らしい。☆☆☆☆☆