東京オリンピックの開会式で、作曲の担当者の1人だったミュージシャンの小山田圭吾さんについて、大会組織委員会は作曲陣から辞任したことを発表しました。小山田さんは、過去に雑誌のインタビューで明かした学生時代のいじめの告白をめぐり、批判が続いていて、大会の開幕4日前に辞任する異例の事態となりました。- NHK
竹田会長・森会長・佐々木氏に続き小山田氏の辞任し、もはや「不祥事の災典」の感が否めない。エンブレムの盗用問題、国立新競技場のゴタゴタ、お台場の水質問題、猛暑問題などに重ねてコロナが直撃し、もはや東京五輪は開催前に失敗が確定的である。大会関係者からもコロナの感染者数が続出しており、五輪開催中にオーバーシュートの可能性もある。重症化数・死者数などは減少傾向とはいえ、都民の不安感を醸成するには十分過ぎる。
7000億円で開催できるというふれこみだったのに、結局、予算は4倍以上の3兆円に膨れがっている。結局、中途半端に緊急事態宣言を解除したためコロナ感染者数が増加し、無観客開催という最悪の事態になり、ただ血税を浪費し、数々の不祥事で日本の国家的イメージを毀損しただけの悪夢の五輪に成り下がった。コロナで海外観光客によるインバウンド需要は消滅し、無観客でチケット収入も消滅したため、大赤字である。それなのに五輪開催のために国民は自粛を強要されている。一方で、経産省キャリア官僚は給付金詐欺で逮捕され、厚生省官僚は飲み会、国会議員の秘書が政治資金パーティでコロナに感染し、国会議員は飲食店で飲酒し、医師会会長も政治資金パーティに参加するなど、自粛を要請する側が自粛破りをしており、モラル崩壊によるアノミー化が止まらない。
東京五輪の最高位のスポンサーのトヨタは、「色々なことが理解されていない五輪になりつつある」としてトヨタ関係者は開会式などへの出席を見送るそうだ(LINK)。これは明言はしていないものの、小山田氏の問題も影響しているだろう。五輪利権に群がる強欲な人には理解できないのかもしれないが、市井の普通の感覚を持つ人々にとって障碍者への虐待・暴行は猛烈な嫌悪感と不快感を惹起するものである。
未成年の時の行為だったと擁護する意見もあるが、彼は成人後に何度も武勇伝として自慢し、障碍者を笑い物にしており救いようがない。小山田の留任を組織委員会は固持していたが、天皇陛下も出席される開会式に障碍者を虐待・暴行していた人を留任させるとは、一体全体どういう感性なのか到底理解不可能である。小山田問題で沈黙を貫くスポンサー企業も相当なレピュテーションリスクを抱えていることは付言したい。
菅政権は支持率が3割に低下しているが、五輪で感染者数が増加すればさらに自民党への風当たりは強くなる。秋の国政選挙では自民党は大敗の可能性が高いだろう。復興五輪どころか、人権意識が低い衰退国家日本を世界的に印象付けただけな気がする。五輪開催の3兆円の原資は血税であるが、その血税は国民の勤労のたまものであるが、利権関係者にばら撒かれただけの感が否めない。緊急事態宣言の乱発で自粛を強いられ、観光業・宿泊業・飲食業は苦しめられ、挙句に五輪開催費用だけ国民負担といわれて納得する人はいるのだろうか。天皇陛下が堪えかねて苦言を呈せざるを得ない事態こそ、まさに緊急事態である。
ちなみに、聖武天皇の皇后だった光明皇后は、施薬院・悲田院を設立し、病人や孤児の保護・治療・施薬を行った。いまから約1300年も前の時代である。仁徳天皇は煙の見えない家が多いことに気が付いて、民の飢えを案じて3年にわたり税を免除し宮殿の修繕も出来ない有様だったが、3年後に「高き屋に 登りて見れば 煙立つ 民のかまどは にぎはひにけり」(高殿に登ってみて、周囲を見わたすと、民家からは煙がたちのぼっているから、民のかまども栄えるようになった。)と詠んだ。少しはいまの政治家や五輪関係者に知ってもらいたい歴史である。




