エクシブ箱根離宮の朝食は洋風のブレックファストをチョイス。とても美味でした。

朝食後は箱根初の美術館であり、強羅にある「箱根美術館」を訪問。絶景なり。
梅雨とは思えない青空で箱根の山々が美しい。
陶磁器がメインで、そこまで展示数も多くないが、この景色は訪問の価値がある。

箱根美術館は庭園が大変見事だった。すごい新緑。


さて、帰京しようかと思っていたが、ふと考えると箱根から東京に戻る間に、そういえば古都 鎌倉があることに気が付き、急遽、鎌倉にも寄ることに。箱根湯本から小田原へいって乗り換えて大船へ、大船から鎌倉に移動して、さらに江ノ電。電車の旅も悪くはない。
さて、鎌倉の最初の訪問地は、前から来てみたかった「鎌倉文学館」。鎌倉ゆかりの文学者・作家などは三島由紀夫や川端康成など300人以上いるとされるが、彼らの手書き原稿や愛用品などが展示されている。ちなみに、お目当てはどちらかというと、建築のほうである。もともと前田侯爵家別邸だったが(前田家は加賀百万石の元加賀藩主。目黒区に壮麗な前田侯爵家邸も残されている)、1983年に市に寄贈され、その2年後に文学館として開館した。国の登録有形文化財である。ハーフティンバー様式とスパニッシュ様式を基調としつつ、和風テイストやアールデコ様式のデザインなども取り入られている瀟洒な建築だ。ベランダからは鎌倉の海も望める。
バラ園もある庭は広大で前田侯爵家のかつての栄華を偲ばせる。鎌倉は洋館が結構あり、旧華頂宮邸(宮邸ではないので実は旧華頂侯爵家邸の方が正しい)も有名だが、こちらは施設公開を中止しており、外観しか見れないとのことで今回は断念。
鎌倉文学館から歩いていったのは長谷寺。奈良時代に開創された歴史あるお寺である。浄土宗系だが、江戸時代に独立し単立になっているそうな。アジサイが見事で多くの観光客が訪れていたが、アジサイが大量にあるエリアはチケットは定員制で入れず・・・。しかし、そこ以外にもアジサイは咲き乱れていて満足できた。それにしてもふらっと寄ってしまったが、まぁ、すごい人。この時期はアジサイ目当ての観光客でごった返しているので、有休取って平日の訪問をおすすめしたい。
大混雑の江ノ電で移動して鎌倉駅へ。鎌倉といえば鶴岡八幡宮。それにしても広い。おみくじを引いたところ大吉でした。ちなみに、鶴岡八幡宮あたりは再開発計画もあったそうだが、 地域住民や文化人が反対し、再開発を免れ、古い景観が保存されることとなった(御谷騒動)。再開発反対派の文化人には川端康成なども名を連ねているがまさにさきの鎌倉文学館に所蔵されている作家たちである。こうした点と点の観光地も歴史などを通して時空を超えて線としてつながっており、この線と線が重なり、織りなされるのが各地域の文化である。近視眼的な経済合理性をはねのけるのは、まさに人文科学の知見であろう。
こちらも実は「鎌倉文華館」(旧神奈川県立近代美術館 鎌倉)が目当てだったが、間に合わず閉館していた ( ̄▽ ̄;)。坂倉準三の設計。モダンで新しそうな風体だが、1951年建設。日本の戦後モダニズム建築のはしりともなった名建築である - 終戦から6年でこの建築が出来たという点に驚きを禁じ得ない。写真だと分かりにくいが、池に張り出しており、その部分を柱(ピロティ)で支えているユニークな外観である。
さて、翌日は北鎌倉駅周辺の寺院を散策。まずは、駅の目の前の円覚寺。臨済宗円覚寺派の大本山であり、鎌倉五山第二位とのこと(臨済宗の寺院の寺格であり鎌倉にある五つの禅宗の寺院のランクである)。夏目漱石「門」の舞台にもなっている。禅寺で有名で、坐禅体験もできるそうだ。

次は明月院。臨済宗建長寺派の寺院。「紫陽花寺」でも有名らしく、アジサイが見事に咲き乱れていた。アジサイ目当てで来たわけでもないのだが、アジサイが非常に綺麗で良かったのだが、いかんせん混雑がすごい。明月院は丸窓から見える庭園が有名らしいが、長蛇の列なので断念。
明月院の竹林。
さらにそこから10分ほど歩いてたどり着いたのが建長寺。鎌倉五山第一位だそうだ。寺格が第一位というだけあって立派なお寺である。それにしても北鎌倉ってハイキングコースなんですね。もっと観光地化されているかと思いきや駅前も飲食店はほとんどなく、寺と寺の間もほとんど住宅街で道も狭い。これだと大型観光バスとかは入れない。こんなに素晴らしい寺院が密集しているのにもったいない気もするが、一方でだからこそ落ち着いて訪れられるメリットもある。
次の写真は建長寺の唐門。重要文化財だそうだ。お寺にしてはずいぶんと豪奢だなと思ったが、もともと徳川家の菩提寺である増上寺の崇源院御霊屋の中門だったのものを移築したそうだ。二条城にある唐門を思い出したが、そちらのほうがより豪華である。
もう梅雨とは思えぬ灼熱の中で疲れたのでバスに揺られて北鎌倉駅へ。最後に東慶寺へ。臨済宗円覚寺派の寺院。なお、マナーの悪さから、スマートフォンを含む全ての撮影が今月6月7日から全面的に禁止されている!しかし、おかげもあってか、境内は観光客も少なくて静かだった。本来的に寺というのは仏僧の修行の場、祈りの場所であって、写真撮影の場所ではないのだ!と諭された気分でした。こちらは幕府寺社奉行も公認の縁切寺だったそうだ。東慶寺は文学などに造詣が深い人にはおすすめしたいお寺で、そうというのも、西田幾多郎、和辻哲郎、岩波茂雄、小林秀雄、鈴木大拙などが葬られているのだ(岩波茂雄は岩波書店の創業者である)。西田幾多郎さんって京都学派の哲学者なのでてっきり京都にお墓があると思いきや、鎌倉と京都を行き来していて、鎌倉で亡くなったので東慶寺に葬られたそうだ。こうした思わぬ歴史に触れることができるのも旅行の醍醐味である。静かになったお寺で安らかにお眠りください。
いやー、箱根で静養旅行のはずが、結果的に鎌倉で動きまくって疲れました笑。修学旅行含めてこれで3回目(!?)の訪問だけど、鎌倉は奥深い。鎌倉は自然も豊で海も近いので環境が素晴らしい。多くの文化人に愛された理由がよく分かる。
だが、こんな鎌倉だが、歴史もあるのに世界遺産に落選しているのが意外だった。これは「武家の古都・鎌倉」として申請したが、それにしては武家政権それ自体や、武家の暮らしぶりを示すような建造物もないためのようだ。つまるところ、鎌倉に現存する歴史的建造物と、申請したコンセプトが合致していないということらしい。また将来的に再申請を目指すようなのでぜひ頑張ってもらいたい。
次回は、今回いけなかった鎌倉五山の寿福寺、浄智寺、浄妙寺と、旧華頂宮家邸、あと、金運アップすると言われる銭洗弁財天宇賀福神社を訪れたいと思う。