英国生まれの歌手で俳優のジェーン・バーキンさんが死去したそうだ。享年76歳。パリの自宅で死去しているのが発見されたという。1946年に英国ロンドンで生まれ、60年代後半にフランスへ移住。1969年には、恋人で歌手・映画監督のセルジュ・ゲンズブールさんとのデュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」がヒットし、世界的に知られることとなった。

 

バーキンさんは、1984年に、パリとロンドンを結ぶ飛行機の中で、エルメスの当時の会長ジャン=ルイ・デュマと隣り合わせたことがきっかけで、会長ジャンは、バーキンさんのためにバッグをデザインする。それが現代でも大人気のエルメスのバーキンである。エルメスのバッグではケリーも人気だが、ケリーはかの有名なグレース・ケリーのためにデザインされるなど、エルメスの定番モデルはモチーフとなった女優が存在している。最も高価な鞄のモデルとなった女優が亡くなったことは痛ましい。

 

このバーキンさんだが、英国でバーキン家は名門の一族でメディア関係者に親類が多い。例えば、彼女の弟のアンドリュー・バーキンは、脚本家・映画監督で、1993年の『セメント・ガーデン』でベルリン国際映画祭監督賞を受賞していたりする。そのほか、「パフューム ある人殺しの物語 」(2006年)の監督としても有名だろうか。

 

バーキン一族はレース製造業で財を成した一族で、曾祖父のトーマス・アイザック・バーキンは、准男爵を叙爵している。現在、第6代バーキン准男爵位は現在はサー・ジョン・バーキンが襲爵しているようである。彼はジェーン・バーキンの従兄弟にあたる。

 

なお、准男爵(Baronet)は、男爵(Baron)と混同されるが、全く違う。男爵は貴族であるが、准男爵は男爵より下の爵位であり、平民の扱いである。騎士爵より上位であるが、貴族ではないので敬称もLord(卿)ではなく、騎士爵同様にSir(サー;相当する訳語は存在しない)である。もともと中世英国において、財政が危機的だったときにお金で購入できる爵位として販売されていたものである。世襲はできるが、貴族とはみなされないただの名誉的な称号である。ただ社会的に成功した一族という証にはなるだろう。

 

こうしてまたファッション史に名を残した方が逝去されたことは悲しいことである。心よりご冥福をお祈り申し上げたい。

 

さて、この前、京橋のアーティゾン美術館で開催中の「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」へ行ってきた。

 

 

セザンヌを起点に、それ以降の美術の発展を現代に至るまで、抽象絵画に焦点を当てて展示している。写実的な絵画は、写真の登場によってその現実を描写する役割を奪われ、絵画にしかできない表現を探求し、様々な発展を遂げる。その絵画の発展には作家それぞれの美術世界の探求があったのは当然であるが、画家同士の相互作用などもあり次々に新規的な創作を生んでいったのだ。

 

抽象絵画は主には欧州で発展し、米国へと渡り、我が国でも様々なアーティストに刺激を与えた。本展示会では日本の若手の作品も展示されおり、絵画は現在でも創造され続けているということを実感させてくれた。個人的にはザオ・ウーキーの作品がすごい好きだった。ハンガリー人アーティストのリタ・アッカーマン、水面をモチーフとした鍵岡リグレアンヌ、色彩豊かなエモーショナルな作品の津上みゆき、絵具を付着させた糸を弾いて立体的に積み上げていく”LINE”のシリーズが見事な横溝美由紀などに非常に感銘を受けた。特に津上みゆき横溝美由紀が特にお気に入り。たまに美術館来るといい刺激になりますね。

新宿・伊勢丹をウロウロしていたら、キャビアカフェ(キャビアバー?)を発見。

「Café Prunier Paris」というフランスが本店のチェーンらしい。

眺めていたら店員さんが丁寧に説明してくれて、味わってみることに。

さくっとキャビアとシャンパンを楽しめて良いお店でした。

お会計は1.9万円。まぁ、たまにはいいか( ̄▽ ̄;)

 

 

 

 

宣伝無しということで話題を集めていた宮崎駿の最新作。前提知識で鑑賞してほしいらしく、パンフレット販売も現状無しという徹底ぶり。

製作陣の意思を尊重して、あえて細かくレビューしないが、印象的なキャラや映像描写はジブリらしくてホント素晴らしい。また、過去の作品のオマージュも散りばめられどこか懐かしさを感じた。ただストーリーの推進力が弱く、途中で少し飽きてしまった。ただメッセージはとても響いてきた。うーん、語りたいが、語ることははばかられる。

 

宮崎駿は年を経るにつれて思索的で哲学的な傾向を強めているように思う。ただ個人的にはナウシカ、ラピュタ、もののけ姫みたいなジブリ作品がもう一度観たいなと思う。

(公開からもう少し時間が経過したら再度レビューを書くと思う。)

 

(追伸) 宮崎駿の引退の撤回についてとやかく言う人いるけど、英国の名匠ケン・ローチ監督しかり、ピアニストのマリア・ジョアン・ピレシュしかり、世界的に大御所の引退の撤回は良くある話。人間の創造性は際限がないのだ。

 

★ 3.7 / 5.0

さて、昨夜は、渋谷のさくらホールでレオノーラ・アルメッリーニさんのピアノリサイタルを聴いてきた。レオノーラ・アルメッリーニさんは、2021年ショパン国際コンクール第5位入賞を果たし、イタリア人女性としては最高位入賞とのこと。2010年のショパンコンクールでセミファイナリストだったが、その頃から推しだったので、今回、生演奏を聴く機会に恵まれてよかった。素晴らしい演奏でした。なんか演奏からロゼワインを連想した。

 

【曲目】

ハイドン:アリエッタと12の変奏 Hob.XVII:3 変ホ長調
プロコフィエフ:「ロミオ&ジュリエット」より
 ・街の目覚め op.75-2
 ・モンターギュ家とキャピレット家 op.75-6
 ・別れの前のロミオ&ジュリエット
プロコフィエフ・ピアノソナタ 第2番 op.14
ショパン:ピアノソナタ 第3番 op.58


(アンコール)

ショパンop.25-1, 10-12

メンデルスゾーン 紡ぎ歌

 

笑顔で颯爽と舞台に出てきたが、楽し気で気さくなお人柄が伝わってくる。ハイドンの「アリエッタと12の変奏」は初めて聴いたが、軽やかな主題と、その主題の変奏が、愛らしく展開され楽しめた。本当に座った席によるのかもしれないし、ホールの音響の問題もあるし、ピアノにもよるが、本当に音が艶やかでふわっと音が響き天に昇っていく感じがする。この軽やかなハイドンの後はプロコフィエフが続く。プロコフィエフ作曲の「ロミオ&ジュリエット」から3曲が演奏されたが、オーケストラのような力強い響きとテンポの良いリズムが心地よい。「ピアノソナタ 第2番」はモダニズムの響きや曲想が面白かった(プロコフィエフについては私は門外漢なのでただの印象論です)。最後のショパン「ピアノソナタ 第3番」は、第一楽章の入りの音のキリっとした音の際立ちが美しかった。いい演奏だなぁと聴き入っていたらあっという間に、軽快で情熱的で力強い第4楽章になっていた。演奏直後はスタンディングオベーションでした。

 

全体的に艶やかで芳醇な音で伸びやかに、また、テンポよく演奏していたと思います。オーケストラの響きのような広がりのある響きが素敵でしたが、一方で、演奏に愛らしさもあります。そして全体的にカラっと明るさがありながら、情熱的だったり、シリアスだったり、様々な感情が垣間見えてまるで目くるめく色彩と音響のオペラのようでした。

 

ただ会場の客席は半分以上が空席で残念だった。こんなに素晴らしい演奏家なのに・・・。月曜日ではなく、また、オールショパンプログラムだったらもう少し集客できただろうか・・・。絶対にこの演奏は日本人に刺さる演奏だと思うのだが。。ぜひ再来日してもう少しメジャーな曲のプログラムでリサイタルをして、多くの人に聴いてほしいほしいなと思った。

 

次の動画はアルメッリーニさんのファイナルの演奏。