実際にあった「アーヴィング対ペンギンブックス・リップシュタット事件」の裁判を描いた作品。ホロコースト学者のリップシュタットが、ナチス・ドイツ研究者のアーヴィングを、著書の中でホロコースト否定論者とレッテルをはられたとして名誉棄損だとして英国で訴訟を起こす。英国では被告に立証責任があるので、リップシュタットは弁護士団とともに、アーヴィングが嘘をついていると立証するために戦略を練る。
かなりスピード感ある法廷映画。ストーリー展開もよく練られておりまったく飽きない。また出演陣の演技も見事。ただ、テンポが良くてよいが、主人公をはじめ全員が始終早口であり、また、ホロコースト問題を扱っているので仕方がないが、主人公はじめ感情の起伏が大きく、観てて結構疲れた。
日本にもアーヴィングのような歴史修正主義者はいるが、彼らの歴史改竄の手法が垣間見れて、興味深かった。それに、英国の法廷の様子がとてもうまく描かれていて勉強になった。映画中、主人公が英国弁護士と話すシーンで、「私はソリスターなので法廷にはバリスターが出ます」といってきょとんとするシーンがある。英国では弁護士は2種類おり、事務弁護士(ソリスター)と、法廷に立つ法廷弁護士(バリスター)に分かれているのだ。また、裁判官がカツラをかぶっているなど、日本の裁判とはだいぶ様子が違う。アーヴィングの詭弁を論破するシーンも見ものだが、裁判様子の違いも見どころだろう。
歴史問題、ホロコースト問題、法廷映画に興味があるなら楽しめるだろう。★3.8







