宇山氏の韓国暴政の歴史についての本である。彼の「朝鮮属国史」は読んだが、まぁ、納得する反面で、やや論調が乱暴なところも散見される。しかし、日本人が知らない歴史も多い。隣国ながら平和で豊かだった日本と、大国に蹂躙され隷従してきた朝鮮では全く思考が異なる。そんなことをよくリマンインドしてくれる一冊だった。
よく日本史の見方として、朝鮮半島から文明が伝わったと考えている人も多い。しかし、朝鮮半島発祥のもので日本に伝来したものはあまりない - 資源の鉄ぐらいだろうか。稲は中国南部から琉球ルートで伝わったことが、稲の遺伝調査で判明しているし、仏教にしてももともとはインド発祥で、それが中国に伝わり、日本の友好国だった百済を経由して日本に伝来しただけで、朝鮮半島は経由地に過ぎない。少なくとも記録のある限り、朝鮮歴代王朝や渤海が日本に朝貢した記録はあるが、その逆はない。
そんな日本の友好国だった百済は、唐に隷従することを選んだ新羅と、大国の唐によって滅ぼされ、その百済の遺民は日本に渡ってきた。新羅は、朝鮮半島南部の日本の支配圏だった伽耶も侵略している。新羅が唐に隷従化したことにより、朝鮮半島から日本の友好国も支配圏も失われたのである。当時も朝鮮半島は中国と日本の「緩衝地帯」に過ぎず、朝鮮半島が中国側についたので、日本が追い出されてしまったというのが実際だ。それ以後、朝鮮は属国としての歴史を歩み、儒教を頑なに守り、強固な身分制により民衆は抑圧された。常にバックには大国がいたので、暴政の王朝も民衆の手によって倒されることなく温存され、「恨の文化」が醸成されていったのだ。歴代朝鮮王朝は大国のいいなりで、女性を捕えて中国に貢物として差し出すなど中国の圧政下におかれ、李氏朝鮮王にいたっては清皇帝の使者を迎恩門で9回も土下座して出迎えた。
朝鮮半島は、日本によって独立を果たす。当初、日本は、極貧の朝鮮半島の併合に反対だった。ロシアの南下の脅威はあったが、そのためにはせいぜい保護国として独立させ、緩衝地帯として利用すればよかったが、安重根が併合反対派の伊藤博文を暗殺したことで、併合派が勢いを増して朝鮮半島を併合するに至る。これが大きな禍根を残すはめになった。散々日本は朝鮮に投資し、朝鮮王朝は日本の皇室とも婚姻関係を結び、王公族として特権階級にあったが、現在の韓国ではそんなことを知る人は少数派だ。清皇帝の使者を迎えた迎恩門は現在独立門になっているが、これを日本からの独立を記念した門と勘違いしている人も多いが、実際は清からの独立を記念した門である。
韓国の独立については、人民の独立運動により日本から独立したと本気で信じている人もいる。文大統領もその一人だ。実際は、日本が敗戦した後に、米国から戻った英語が話せる李承晩が棚から牡丹餅で大統領になっただけで、抗日パルチザンの指揮官だった金日成に比べて正統性で劣っていた。李承晩は、正当性を補うために独立運動を壮大に脚色して、改竄した歴史を学校教育で教え込んだ。韓国は先の大戦での戦勝国だと信じている人もいるというから笑ってしまう(当時、朝鮮半島は日本の領土であり、日本人として大戦を戦ったのだ)。
こうした誤解はメディアによっても拡散されている。映画「ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女」では、この高宗王女の徳恵翁主を独立運動に身を投じたように改竄して描いているが、実際は、対馬の宗武志伯爵に嫁いで仲睦まじく過ごしていた。彼女は、晩年に帰国のために離縁し、異母兄の李垠の妃だった李方子(梨本宮方子)とともに昌徳宮内で過ごしている。ちなみに、梨本宮方子は昭和天皇の妃候補に上がるほどだったが、日韓友好のために大韓帝国最後の皇太子に嫁いだ元皇族である。敗戦後、方子の夫の大韓帝国最後の皇太子である李垠は、戦後に帰国しようとしたが、帝政復古を疑われたため、李承晩に妨害もされなかなか帰国できなかった。彼の息子の李玖はアメリカ人女性と結婚していたが子供がいなかったので、彼の死をもって朝鮮王朝の直系は絶えたのだ。こうした事実を踏まえるに、日本が李氏朝鮮を蹂躙して滅亡させたというようなイメージは全くの誤解であるが、なぜか日本ではこうした歴史を教えない。
韓国でも「反日種族主義」がベストセラーになるなど、韓国内でも従来の歴史観がぐらついている。日本も自虐史観をやめて、当時の日本の政策・戦略などを冷静に見つめなおすべきだ。地球上に反日国は中国・朝鮮だけだが、日中関係が好転しているので、実質上、朝鮮だけである。日本の統治が悪辣であれば、台湾・パラオなどの親日は説明ができないし、アジア諸国(中韓を除く)の対日感情の良さも説明できない。宇山氏の本はやや断定的で慎重な議論とは言い難いが、自虐史観が根強い日本人には、これぐらい喝破するぐらいでちょうど良いと思う。