仕事が忙しくブログ執筆が遅くなったが、第19回ショパン国際ピアノコンクール(ワルシャワ)の1次予選の結果が7日に発表された。2次予選進出コンテスタントは40人。一次から半分以上がバッサリと落とされたが、日本人も13人から半分を大きく超えて8人落とされて、二次予選は5人のみ。中国が最多で14人、地元ポーランドからは4人が進出、韓国・アメリカが各3人、カナダ・イタリアが2人。中国だけで35%、日中韓で55%を占めるので、半数が東アジア勢である。
日本人通過者は次の通り。健闘を祈りたい。
Shiori Kuwahara 桑原 志織(29)
Yumeka Nakagawa 中川 優芽花(24)
Miyu Shindo 進藤 実優(23)
Tomoharu Ushida 牛田 智大(25)
Miki Yamagata 山縣 美季(23)
それにしてもリーズ国際ピアノコンクール第2位・浜松国際ピアノコンクール第3位の小林海都氏が落選。私が好きな演奏の山﨑亮汰氏(ブゾーニ国際ピアノコンクール第3位)も落選だったのが残念だった。正直、山﨑亮汰氏の演奏は、誠実で実直過ぎて、個性という点や、ショパン的な詩情と憂いという点が弱かったのだろうと思う。ベトナムのグエン・ヴィエット・チュン氏は前回のコンクールで好きな演奏で注目し、サントリーホールのコンサートにも訪問したが(その時の記事)、今回は一次で落選してしまった。個人的には、派手さがないが、真面目で素朴な演奏が好きだが、やはり出場者が多い大規模な国際的なコンクールだと、埋没してしまう。
聴いていて思うが、音楽教育が普及し、超絶技巧がコモディティ化している中で、日本勢はもう少しエッジの効いた個性がないと、審査員に訴求できないのだと思う。今回の中国勢の演奏のレベルの高さは想像以上で、安定した技巧と演奏に、個性というスパイスをまぶして存在感を放っていた(ただ果たしてショパンコンクールの入賞者として選定されるかどうかはまた別問題なのではあるが)。正直、日本勢で安定的で風格があるのは特に牛田氏と桑原氏であるが、ケヴィン・チェンのような異次元の天才肌の演奏との相対評価で、二次三次でどう評価がされていくのか気になるところだ。
話は変わるが、前回に続き、ヤマハが不調で、今回もヤマハピアノを選択したコンテスタントたちが次々に落選。二次ではヤマハ使用者は1名だけ。60%がスタインウェイで安定的だが、次ぐのがシゲルカワイで27.5%なのが意外。世界シェアではカワイはヤマハの後塵を拝するが、カワイピアノの上級モデルのシゲルカワイ(SK ‒EX)は躍進が止まらないのは面白い傾向だ。次ぐのがファツィオリで、ベヒシュタインは一次予選で姿を消した。やはりコンクールでは派手に豊かに響くスタインウェイが有利なのだと思う。
素晴らしい才能が集っているので、ぜひ推しのピアニストを見つけてほしい。二次予選でも全コンテスタントの健闘を祈りたい。
