2020年、私も決意したことがある。それは、すべて売ってしまった日本株を買い戻す検討に入ったこと。まだ、決めたわけではないが、日本株を買うとすれば、成長が期待できるセクターの銘柄を選ぶつもりだ。 -- AERA dot.

 

ジム・ロジャーズといえばジョージ・ソロスと伝説のヘッジファンドの創立者である。世界三大投資家とも評されるが、正直、バフェットやソロスに比べると見落とりするのは否めない。たしかに彼は投資で儲けたのは事実だが、ソロスの手腕によるところが大きい。実際、彼の発言がどの程度の信憑性があるのかは分からないが、昨今の発言は節操がないと言わざるを得ない。彼について以前も記事を書いたが(前記事)、迷走ぶりは加速している。

 

彼の従来の主張だと、日本は少子化なのに移民を受け入れないから労働人口激減で経済は疲弊し、日本は2050年に犯罪大国になると主張していた(LINK)。一方で、韓国は朝鮮統一により強大国になると豪語していた。なぜなら北朝鮮の資源と安価な労働力と、韓国には多くの資本があり、専門家多く、これらのコンビネーションにより経済大国になる素地があるという。ただ、ドイツですら東西統一後は経済停滞に追い込まれたのに、独裁の北朝鮮と朝鮮統一なんてしたら、栄養失調の北朝鮮の国民(情報統制の中に生きてきたので現代社会の常識は通用しない)が、韓国に押し寄せて大混乱になることは容易に予想できる。彼の予見は、楽観を通り過ぎてあまりにも素っ頓狂だった。

 

(ただ、ロジャーズの指摘のうち、朝鮮半島が統一した場合、人口規模で一定の勢力になるのは事実だ。歴史的に朝鮮半島は寒冷な気候で濃厚に適していないので人口は多くなく、日本の3~5分の1の人口の弱小国だったが(LINK)、日本統治時代に衛生環境・所得向上で人口が大幅に増加し、現在、韓国・北朝鮮の合計は7700万人にものぼる。これは日本の6割程度の人口規模だが、ここまで人口比が近接したのは歴史上初めてだろう。もし南北統一した場合、タイを上回り世界20位の人口規模になる(日本は現在第10位)。日本は侮っているが、日本が善意(というか間抜けにも)資本・技術を惜しみなく投資したので、朝鮮半島はいままでの弱小国とは違う点は考慮すべきだ。)

 

彼はすでに2013年時点で、望みがないと彼は判断し、日本株のすべてを売却している(LINK)。2019年1月には、彼は、朝鮮統一の実現により、「北朝鮮バブルが来る」「観光が盛んになるから大韓航空の株を買った」(LINK)と発言している。しかし、その後、韓国が仲介したベトナムでの米朝対話は破断し、金正恩は大恥をかいた。南北対話の機運が下がり、さらに韓国で日本ボイコット運動が発生したために韓国の航空会社は窮地に陥り、韓国の航空会社は全社が赤字に追い込まれた。その一方で、日経平均株価は2019年末に24,000円を回復し、現在もバブル後の最高値を更新する勢いだ。はっきり言って、彼の予見は大ハズレだったと評価せざるを得ない。

 

現在のところ南北朝鮮統一は非現実的なものとなった。(もともとジム・ロジャーズ以外の誰も予想していた通り)韓国経済は、左派政策により疲弊してる。親北・親中の韓国はアメリカの反感を買い、政権維持のために反日化している韓国に日本は激怒し、旧宗主国の中国は再び朝鮮半島を勢力化におこうと画策し、ロシアは朝鮮半島を東側に組み込もうと圧力を加えている。さらには、イランは韓国に国交断絶の可能性すら示唆しており、「四面楚歌」どころか、友好国が全くいない「全面楚歌」になりつつある。中国は韓国の技術水準にキャッチアップしており、韓国は近く人口絶壁に直面し、2100年には韓国は2000万の小国に再び転落する。

 

彼は、日本株は今更ながら当面上昇するだろうと予想し、日本株に投資を開始した。しかし、私は逆の予想だ。安倍政権が終焉した場合、政権が不安定化する可能性がある。長期政権の小泉政権後に政権は不安定化した。安倍政権後に長期政権が築けなければ再び日本経済は停滞する可能性がある。何より懸念点は、高齢化社会により、社会全体が保守的になり、新しい技術の導入に消極的な点だ。IT系のGAFAが世界市場を席巻しているが、日本はIT系の人材が圧倒的に不足しており、ましてAIについては、まともな研究者も企業で活躍できる技術者もほとんどいないのが実際だ。日本政府は、文学部等への予算は削減し、情報系の学部への予算を増やすべきだ。このままでは大陸の隅っこのただの島国舞い戻ってしまう。

 

ジム・ロジャーズの予測の逆をいけば良い投資が出来るかもしれない。彼は投資において良い反面教師だ。彼は訳の分からない駄本を執筆し、無知な人に売りつけているが、昨今のチグハグな主張によりそろそろ化けの皮がはがれ投資芸人としての命運も付きつつあると思う。