書いていくことにする。
鬼頭先生は2018年に雑誌『イブニング』誌上でインタビューを受けていて、『イブニング』12号から13号にかけてそのインタビューが掲載された。
そのインタビューの中に、鬼頭先生が"鬼頭莫宏"名義でデビューする前に描いていたエロ漫画についての言及がある。
まぁ実際に読んだ方が早いかもしれない。
——サラリーマン時代はまったく漫画は描いていなかったのですか?
鬼頭
絵を描かなくなるのはいやだったので、不定期でも描ける場所を探そうと思い、「COMICペンギンクラブ」という成人向け雑誌で何本か描いたりしていました。実はこの情報は公にしていなくて、名前も別のものを使っていたのでウィキペディアにも載っていません(笑)。
でもエロ方向はウケが悪くて、自分にはそっちの才能はないなと実感しました。やはり別の方向に進もうと思っていた時に、コミケで「週刊少年チャンピオン」の編集さんに声をかけてもらったんです。(http://evening.moae.jp/news/4486より)
本人がこう言っていて、それを受けてそういうことが得意な人がどうすればこの『ペンギンクラブ』の鬼頭先生の漫画を見つけられるのかを調べたりもしている。(参考)
このインタビューだとなんという名義でやっていたか分からないから、作業としては全てのペンギンクラブという雑誌を確かめていって鬼頭先生のものっぽい漫画を探すというそれになる。
ただけれども、何というか世の中には色々な人がいるらしくて、鬼頭先生がこのインタビューを受ける前から鬼頭先生がそのようにエロ漫画を描いていたということを知っている人がtwitterに居た。
なので、今回はそのツイートを引用するだけですはい。
ただまぁ、補足の説明も入れていく。
まず、鬼頭先生は"ものみち湖"というペンネームでエロ漫画を描いていたらしい。
この"ものみち湖"というペンネームに僕は見覚えがあって、鬼頭先生がイラストを提供したエロゲ?ギャルゲ?の名義はこのものみち湖だった。(参考)
『ヴァンデミエールの翼』でアフタヌーンでデビューする前の名義がこのものみち湖だったか、さもなければエロ漫画の場合はものみち湖だったのかどちらかなのだと思う。
ちなみに、ものみち湖で"ものみち ひろし"と読むらしい。
絶対"ものみちこ"だと思ったんだけどなぁ。
このものみち湖名義は鬼頭先生にとっても愛着があるらしくて、実は今鬼頭先生が書いているブログのURLが、ものみちというそれになっている。(参考:http://monomichi88.blog95.fc2.com/)
monomichiの後につく、88の意味が良く分からないけれど、もしかしたら鬼頭先生が漫画家として活動し始めたのが1988年なのかもしれない。
blog95とあるけれど、ブログを始めたのは95年なのかね。
さもなければ鬼頭莫宏名義が1995年からなのかもしれない。
とにかく、鬼頭先生がエロ本を描いていた時の名義はものみち湖ということで良いと思う。
鬼頭先生自身は『ペンギンクラブ』で描いたと言っているのだけれど、まぁ30年近く前のことをあんまり覚えていなかったようで、実際は『ペンギンクラブ』では漫画は描いていなかった。
そういうことはマジでやめてほしいんだよなぁ。
実際に描いていたのは、『ペンギンクラブ』ではなくて『キャンディータイム』という雑誌らしい。
まぁ人間の記憶は曖昧だから仕方ないね。
鬼頭先生が描いた漫画とその掲載された雑誌は以下の通りになる。
『キャンディータイム海賊版』1990年8月号 掲載「アプリリアの季節」
『キャンディータイム』1990年10月号 掲載「ホンダの季節」
『キャンディータイム』1991年3月号 掲載「エグリの季節」
『キャンディータイム海賊版』1991年7月号 掲載「免許でいこう」
このような形で掲載されたと言及があった。
なんというか、色々見たほうが早いと思うので、とりあえずその人が撮った実際の鬼頭先生の作品を持ってくることにする。
「アプリリアの季節」
(参考)
「エグリの季節」
(参考)
「免許でいこう」
(参考)
以上になる。
…鬼頭先生のエロ漫画、使えるか使えないかの観点では絶望的に使えなさそうですね。
一応、補足を入れておくと、ホンダだのエグリとかってのは、車とかバイク関係の用語になる。
鬼頭先生はメカニックオタクで、車とかバイクとかが好きなのであって、短編集に原付バイクが主題の漫画とか、車が主題の漫画とかが収録されている。
僕はそういうのに一切興味がないから、今ググって知ったのだけれど、アプリリアとエグリはバイクの名前らしい。
なのだから、ホンダというのもバイクメーカーとしてのホンダなのかもしれない。
というか、これを読んでいる人も僕も持っている情報量は同じなのであって、これを読んでいる人が分かる程度のことしか僕にも分かっていない。
最後の免許でいこうについては…なんでバイク縛りをやめたんですかね?(無知)
読めば分かるのかもだけれど、僕自身にやる気がないからなぁ。
そうそう。
実際、そのような雑誌に掲載されたと分かったところで、今現在読めるのかということが問題だと思う。
結論から言うと、読めます。
ここからは僕がしっかり調べました。
最初の方に『ペンギンクラブ』から鬼頭先生の作品を見つけ出すサイトを読んで、僕は雑誌というものが保管されている図書館の存在を知った。
で、『キャンディータイム』を調べたのだけれど、どうも米沢嘉博記念図書館という東京にある図書館に収められているらしいということが分かった。
更に調査したところ、この鬼頭先生(ものみち湖先生)が描いた漫画が掲載されている号もしっかりあるということが分かっている。
だから、東京のお茶の水にあるこの米沢嘉博記念図書館に行って多少のお金を払えば読むことが出来る。
そして、この図書館は複写も可能であって、金を払えば印刷してもらえるということまでわかっている。
雑誌に掲載されたのが何月の何号かということも分かっているのだから、それこそ米沢嘉博記念図書館に行ってその情報を元にその雑誌を窓口で言うだけで、鬼頭先生のエロ漫画を読むことが出来る。
気を付けなければいけないのは、米沢嘉博記念図書館図書館は平日は月曜と金曜しかやっていなくて、しかも14:00-20:00という変な時間帯で、土日祝日は12:00-18:00という時間で開いている。
行って閉まっているという事態もあり得るから、しっかり調べた上で行ったほうが良いと思う。
それに年末年始はやってないし、時々不定期に閉館である時があるらしい。
まぁ僕は行かないけれど。
そこまで分かっているのなら、どうして読みに行かないの?と思うお友達もいるかもしれない。
それは僕のやる気の問題です。
さして鬼頭先生の描いたエロ漫画に興味がないし、金払ってまで、東京に行ってまで読みたいとは思えない。
絶対、読んでも面白くもなければ良くもないんだよなぁ…。
そもそも、僕は鬼頭先生の同人誌に対して1万円くらい金払っているし、その詳細をあのサイトで公開したけれど一人しか感謝のコメントはなかった。
何百人、何千人も読んだはずなんですけどねぇ…。
まぁ労ってもらえるだけで色々十分なのだけれど、そういうことを踏まえて僕が思うのは、なんで僕が金払ってまで鬼頭先生の書いたエロ漫画を複写してきてもらわなければならないのかということになる。
僕もう東京に住んでないよ。
東京に住んでる人が行ってきてよ。
僕は漫画の解説をたくさん書いてきて、その中で得た利益なんて皆無なのであって、それなのに僕が米沢嘉博記念図書館に行って複写してきて、そのデータをこのサイトとかに公開しなければいけない理由が見いだせなかったし、そういう風に公開をしないのなら、わざわざ東京に行こうとは思えないし、別にその漫画自体を読みたいとも思わなかった。
"誰か"が東京のお茶の水の米沢嘉博記念図書館図書館に行って、複写してきて、その複写してきた紙をスキャンしたデータを僕に送ってもいいんじゃないかと思う。
ただ、そんなことをやってもらおうとは考えていなくて、僕がそういうことをやらない理由としてそういう話をしている。
僕がこれをやらなきゃいけない理由はないし、やりたいとも思えない。
以前、僕がニコニコ動画にしょうもない動画を上げた時に、こんなコメントが来てた。
「なるたるのためにパンセ読むんだよあくしろよ」
僕はそのコメントを見てマジ切れしてたし、未だにこのことを忘れていない。
あの動画を上げた時、僕はtwitterでそのことを通知していて、その頃の僕は鬼頭先生がインタビューでパスカルっていう哲学者の『パンセ』って本のフレーズについて言及していたから、そのことについてtwitterで呟いていた。
それを受けての上のコメントなのだけれど、僕はそのコメントを見た時本気でキレてた。
僕は素直に思う。
お前が読めよ。って。
当時の僕はtwitterで僕のことをフォローしている人は、概ね僕にとって味方だと思っていた。
僕はあの瞬間、敵が混じっているという事実を知ることになった。
実際、このサイトとtwitterを連動させなくなったのはそのことが理由としてかなり大きいと思う。
信頼できると僅かにでも思っていた人の中に、裏切りを見た時の失望感たるや、思い出しただけで虚しさが去来する。
僕は漫画の解説のために何百時間とあれこれやって、一方でそれを甘受する形でただ読んでいるだけなのに、どうして僕に要求するのか、さっぱり意味が分からなかった。
そもそも僕が勝手に公開しているだけなのだから、勝手に読まれる分にはそれは僕が勝手に書いているように勝手に読めばいいと思っているけれども、どうして僕に何かを要求するのかさっぱり分からない。
僕にそのようなことを要求するならば、自身も『パンセ』を読んだ上で、「俺もやったんだからさ」と要求するのが筋ではないのか?
僕は僕がやったからという理由で一つたりとも何かを要求したことはないというのに、それどころか自分では一切何もしないくせにどうして僕に要求してくるのか。
自分で『パンセ』を全部読んで、何社の何という『パンセ』の翻訳の何ページの何段目、何節目に鬼頭先生が言及していたフレーズがあるかを調べ上げて僕に通達したり、何節目にこれこれこういう言及があって、一方で鬼頭先生の何々という作品にはこのような描写があるから、このことが『パンセ』由来の描写であるという可能性がある、ということを網羅的にまとめて僕に提出するくらいするのが道義ではないのか。
これを読んで、僕が無茶な要求をする酷い奴だと思う人も居るかもしれないけれども、僕に「なるたるのためにパンセを読む」ということを要求することは、そういうことを僕にやれと言っているということを意味している。
僕が読むということは上記の内容をするということで、何で僕が敵の要求でそんなことをやらなければいけないのかさっぱり分からない。
僕がそのことに何か不快を感じるということは道理に適っていないことなのだろうか。
何故僕がそのようなことをしなければならないのか。
お前がやれよと思うことは突飛な発想であるのだろうか。
それと同じように、『ぼくらの』の解説を要求されたところで、お前が書けよとしか思えない。
しかも今回は要求をするなと書いたというのに要求があって、本当に無理だった。
するなって言ってないからするなら分かるけど、するなって言ってするのはおかしいと思う。
そのコメントがあったということは、僕に対して悪意があって僕の感情を逆なですることを目的に僕に書くことを要求してきたか、僕が書いた何かをろくすっぽ読んでないが故に僕が要求すんなと言っていることを理解出来ずに要求してきたか、その人が僕が要求すんなって言っているということを理解出来ない程度の読解力しか持ってないから要求してきたか、さもなければその僕の要求をするなという言葉を読み飛ばしてしまったが故に要求してきたということになる。
敵のために続きを書こうとは思わないし、ろくすっぽ読んでない人のために続きを書く気にはなれないし、僕が要求するなって言っているのに要求してくる程度の読解力しかない人のために書こうとは思えないし、読み飛ばしてしまう程度の集中力の人のためにどうして書かなければいけないのかさっぱり分からなかった。
どのパターンであれ、僕に喧嘩を売っているとしか判断できない。
するなって言ってないからするなら分かるけど、するなって言ってするのはおかしいと思う。
あまりの苛立ちで、けれども強くは言えないというのが実際だから、ただ歯を食いしばるムカつきがあって、『ぼくらの』の解説の続きを書こうとするたびにそのことを思いだして歯噛みしてしまって続きが書けなかった。
そして、鬼頭先生が描いたエロ本について。
読みたいなら自分で行ってくればいい。
僕は行かない。
そう僕が言うのは傲慢だろうか。
まぁ色々書いたけれども、純粋に鬼頭先生が描いたエロ漫画がつまんなそうということが僕がわざわざ米沢嘉博記念図書館図書館に行かない理由になる。
冷静に考えて、面白くないと分かっている漫画を読みに東京に行って、金払って漫画を借りるって意味不明ですよね…。
絶対、鬼頭先生が描いたエロ漫画はエロ本として寸分の価値もないようなそれだろうという推断があって、なんというか、良い作品だったら鬼頭先生はそっちの路線で活躍している。
本人もあんまり反応は良くなかったと言っていて、実際に漫画の一部を見ても駄目みたいで、さらに30年近く前のエロ漫画とか、楽しめそうな要素が一つたりともない。
そうとすると、わざわざ行く理由なんて、複写して貰ってここかあのサイトで公開するという理由になるのだけれど、何で僕が金払ってそんなことをしなくちゃいけないんですかね…?
普通に考えて、それをするメリットが一つもないですよね…。
そんな感じです。
では。
・追記
鬼頭先生のブログの88という数字についてあれこれ書いたけれど、鬼頭先生がものみち湖名義を1988年から使っているということが88という数字の採用の理由として可能性が高そうということが分かった。
鬼頭先生はものみち湖という名義でエロ漫画を描いていたのはそうなのだけれど、同時に"マイクロはげチャビン"というサークルでエロゲを作っていたらしいということが分かっていた。
元々、『家庭教師アドベンチャー2』というゲームをものみち湖名義で作っていたということは知っていたのだけれど、そのサークル名について大した関心を僕が払っていなくて、今さっき思い出したようにサークル名であるマイクロはげチャビンでググったら、いくつかの同人ゲームを作っていたことが分かった。
タイトルを列挙すると、
『あたっく25』
『家庭教師アドベンチャー』
『家庭教師アドベンチャー2 ~季節が彼女を連れていく~』
『テルミネーチャン』
というタイトルのゲームを出していたらしい。
上三つのソースはここ。(参考)
このサイトを読む限り、鬼頭先生がゲームを作っていたのは古く1989年にまでさかのぼるということが分かる。
まぁどれ程信憑性のある情報なのかは分からないけれども、おそらくは1989年の時点で既にものみち湖名義で活動していたわけであって、その前年である1988年からその名義を使っていたと考えてもそこまで突飛とは思えない。
というか、このサイトを見る限り(参考)、『家庭教師アドベンチャー2』の時点で1989年なのであって、家庭教師アドベンチャーは無印もあるので、普通に1988年の時点で既に活動していると考えていいと思う。
そして、鬼頭先生がアフタヌーン四季賞で準入選したのが1995年なのだから、やはり88と95はそれぞれの名義を使い始めた西暦に由来すると考えていいと思う。
自分で書いててあれなのだけれど、まさか本当に88と95という数字がそういう意味だとは思わなかった。(小学生並みの感想)
そんな話はさておいて、これらのソフトは、どうも今年の三月にヤフオクに出品されていたらしい。(参考)
何がすげぇって媒体がフロッピーディスクなんだよな。
(https://aucview.aucfan.com/yahoo/e157972691/より)
フロッピーディスクというのはCDが普及する前にパソコンで使われていた媒体で、5MBくらいの容量があったりなかったりした。
こんなものを読み取る機械なんて手元にないし、例え今後ヤフオクで同じものが出品されて落札できたとしても、プレイしようもない。
そして、そもそも『家庭教師アドベンチャー2』については、Windowsに移植したから未だにプレイできるのであって、そもそもWindowsではないパソコン用のソフトなんだよな、上に挙げた四つのソフト。
なんというか、歴史を感じてしまう。
今後、何処かでマイクロはげチャビンの作ったゲームを手に入れても、コレクションアイテム以上の意味を持つことはない。
まぁそういう技術を持った人が落札すれば、話は違うのだろうけれども。
今回はそういう話がしたくて、鬼頭先生のブログのURLにかこつけての追記でした。
以上です。
・追記2
マイクロはげチャビンというサークル名自体は、マイクロチャビンというゲーム会社のパロディであるらしい。
そんなゲーム会社、世代の問題で知らないんだよなぁ。
ちなみに、そのマイクロはげチャビンで出してた『テルミネーチャン』のゲーム画面はこんならしいっすよ?
(http://www.geocities.jp/x68world2/x6800/T/trm.htmより)
勝手にエロゲだと思い込んでいたけれど、別にエロゲってわけではないのかもしれない。
どうでも良いけれど、『テルミネーチャン』はこのねぇちゃんが襲ってくるゲームで、『ターミネーター』のパロディらしい。(参考:1、2)
…Twitterで『テルミネーチャン』で出てきたの全部調べたら、やっぱエロゲらしっすね。(参考)
それ以上言いたいことはないけれど。
・追記3
なんやかんやで『テルミネーチャン』をプレイしたのだけれど、どうやら、『テルミネーチャン』制作には鬼頭先生は関わっていないらしく、『家庭教師アドベンチャー』からサークル、マイクロはげチャビンの創作活動に関わっていたらしい。
『テルミネーチャン』は絵が全然違ったからね、仕方ないね。
ただまぁどっちみち、鬼頭先生はものみち湖名義で1989年には活動していたことは確定的に明らかだから、サイト名の88はそういうだと思うよ。
・追記4
ちょっとした補足記事を書きました。(参考)