私がマイクロソフト社のフライトシュミレーターをやり始めたのは、カナダでパイロットに成ると決めた後でした。それ以前は飛行機の知識はゼロに等しくて、飛行機がなぜ飛ぶのかもよく知らないぐらいでした。
カナダでフライト訓練が始まる前に、ちょっとでも飛行機について知っておこうと思いシュミレーターを購入してみました。
実際、PPL, CPL, IFR, インストラクターと訓練を受けてきましたが、このシュミレーターは本当に自分の訓練に役に立ってくれました。
たまに実機の動きと大きな差があるので役に立たないという人もいましたが、私の感想はセスナ C-172 の動きはほぼ同じで練習するのにはほとんど問題が無いと思います。
( ただし、一部のエキササイズは再現できません。例えば、右スピンやForward slip 時の速度計の under read error を表示しないなど。また、Landing の練習では Flare を行ったら滑走路が見えなくなってしまうので、計器の画面を下に下げ前方景色の画面を下側に伸ばす必要があります。)
我々人間は陸上の動物なので、空を飛ぶという異次元の世界では脳の能力が 30% ぐらいしか発揮でいないと言われています。
シュミレーターを使った練習で地上と上空での能力の差を縮めることができるのではないかと思っています。
自分が行った練習はいくつかあります。
まず一つ目は マルチタスク能力の向上。
飛行機を操縦しながら (高度、進路、速度を維持しながら)、ノーマルプロシージャー、エマージェンシープロシージャーあるいはグランドスピード・到着予定時間の計算、フライトログへの記入、無線機やGPSの操作など。
コツは二つのことを同時にはできないので、飛行機の姿勢とパワーを確立・維持、そして、他の事を行う (ただし 4秒以内)。この繰り返しで安定した飛行を維持しつつ、もう一つの事をを並行して行えます。前方の景色や計器から長時間目を離してしまうと、飛行機は必ずバンクしたりピッチが変わり、あらぬ方向へと飛行し始めますので短時間に抑える必要があります。
二つ目は、各エキササイズの練習。
飛行訓練では指定された Air Speed (A/S) と Vertical Speed (V/S) を速やかに確立する訓練があります。 パワーを 100 rpm 変えると A/S が 5 kts、V/S が 100 feet/min 変化、それに合わせた適切なピッチとトリムの取り方などかなり練習し実際のフライトで活かすことができました。。
特に、滑走路へのアプローチパスを維持しつつ、A/S chage は実際の飛行訓練ではスムーズできるようにり安定したランディングに役立ちました。
また、ストール、スピンとスパイラルダイブからの回復ではてきぱきと回復動作を行う必要があります。その手順の練習には最適だと思います。
着陸は難しい訓練の一つです。特に、横風着陸ではクロスコントロール ( 例えば、右からの横風の場合。エルロンを右に切り右バンク、左のラダーペダルを踏み込み、ヘディングの維持 ) を行い、機体を風上にバンクさせたまま直進飛行というやや不安定な飛行を維持しなければいけません。どれだけバンクさせるかは横風成分が強くなるれば大きなバンクが必要となり、バンクが大きくなればもっとラダーペダルを踏み込む必要があります。
何度も練習することで、どれぐらいのバンクが必要か経験から分かってきます。また、風は一般に地上に近づくにつれ風速が弱くなりますので、高度が下がるにつれバンク角を減らす必要があります。
実機の訓練で毎回横風があるわけではないので、シュミレーターでコツと感覚を掴んでしまえば、実機の時も同じようにできるはずです。
もう一つ訓練生にとって難しい訓練に Forced Landing があります。
エンジンが停止し、安全な場所にグライディングで不時着する訓練です。フライトテストの不合格で一番多い科目がこれです。
この科目も何度もシュミレーターで練習し、実機では確信を持って毎回、確実にランディングエリアにタッチダウンできるようになりました。
コツは Fixed Point または Zero Point ( 下降中に地面を見た時、地面のある一点はWind Shield 上の同じ所に留まっている。上にも下にも移動しない地面上のポイント。 つまり飛行機はこの Fixed Point に向かって飛行している。 ) がタッチダウンポイントと同じか少し奥にあるように飛行することでランディングエリアに着陸できます。
そして、最後に大いにに立ったのが Instrument Flight (計器飛行) であったのは言うまでもありません。 特に ILS Approach 中に片方のエンジン停止。 エマージェンシープロシージャを行いつつ、ローカライザーとグライドパスを維持し、ATC も行うという難易度の高い飛行です。
今回自分が行ってきたフライトシュミレーターをどう実際の訓練に役立てたかの一部を紹介をしました。
もちろん、個人でシュミレーターをやらずに短時間の訓練で立派なパイロットに育った方はたくさんおられますので、無理に買う必要はありません。ただし、皆イメージトレーニングや予習・復習を人一倍やって努力されてます。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
Have a nice day (^O^)/


