848 名前: ◆wF1pnJN. 01/08/30 22:07 ID:7MbWhP3w
A君という男の子が小学生の時に体験したというお話。
A君は明治時代からあるという古い旅館の子供だったんだ。 A君のお母さんの生まれ育った家でもあった。 つまり、A君のお父さんはお婿さんに来たんだね。
A君は、子供だったから、古い家は何だか怖かったんだって。 自分の家なのに。
それで、 A君は小学1年の時から自分の部屋を与えられて 両親とは別に寝るようになったんだけど、 夜、真っ暗になるのがどうしても怖くて
でも、暗いのが怖いというのが恥ずかしかったんで、 家にある古い大きな倉庫から、とっても古い電気スタンドを探してきて それを自分の枕元に置いたんだ。 怖くなったら電気を付けられるように。
ところが、ある晩、電気スタンドの灯りを付けて絵本を読んでいたら 何だか、女の子のささやくような声がしたんだって。
「・・・・うん、・・・・大丈夫・・・早く寝て・・・・」
とか、誰かと話しているような声だったんだ。
怖がりなはずのA君だったんだけと、不思議とその時は怖くなくて、 その後、何だか眠くなってきて、灯りを消して眠ったそうだよ。
それから、女の子の声は、毎晩のように聞こえたんだって。 不思議だったけど、A君は両親にもそのことを話さなかった。 電気スタンドを勝手に倉庫から持ってきたことがばれちゃうから。
毎晩、聞いているうちに、 女の子の声は、どうやらその女の子の母親と話をしているらしいことが分かった。 でも、聞こえるのは女の子の声ばかりで、 相手になっているはずの母親の声は全然聞こえなかった。
そのうち、A君はどうしてもその女の子と話をしてみたくなったんだ。 それで、ある晩、とうとう声をかけてみたんだって。
「こんばんは、君は誰?どこにいるの?」ってね。
そうしたら 女の子から、驚いたような声で、 「君の方こそ誰?声しか聞こえないよ?」という返事があったんだ。
しばらく、いろいろと話しているうちに 女の子の方も電気スタンドが枕元にあってそこからA君の声が聞こえてきていることが分かったんだって。 それで
「僕のスタンドは家にあったすごく古い奴なんだけど・・・君のは?」
ってA君が聞いたら、 女の子の声は
「友達からもらったの。私が病気だから、仲のいい友達がプレゼントしてくれたんだ。」
って答えたんだって。 その女の子は入院中だった、そうなんだ。
(記事が字数オーバーのため2回に分け、解説は次回になります)