【映画 / DVD】 「人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊」 | 太平洋戦争史と心霊世界

太平洋戦争史と心霊世界

海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。


言語:日本語、公開:1968(昭和43)年、製作国:日本、時間:104分、監督:小沢茂弘、出演者:鶴田浩二、松方弘樹、千葉真一、梅宮辰夫


人間魚雷・回天 

  タイトル通り人間魚雷・回天の創始者が試行錯誤して回天を開発する場面から、初めて回天で出撃した特攻隊員たちが敵艦の撃沈に成功するまでの話が描かれています。 


回天一型模型、ハッチ部分 

回天一型模型、ハッチ部分

設計図 

 この映画はネット上の評価を見ると、「感動した」という感想が多く、評価も高めなのですが、私自身は見ていて何故か、とても疲れてしまいました。

 

正直なところ、この映画は途中で見る気がしなくなったのですが、批評を書かなきゃいけないので、最後まで何とか見終わりました。


大里史郎大尉  回天を創案し、開発した大里史郎大尉役を鶴田浩二さんが演じています。

 

最初は渋る軍令部にまで押し掛けて行って、回天を開発するよう嘆願しました。彼の実名は黒木博司大尉という人物で、映画には出ませんでしたが実際には全面血書の嘆願書を軍令部に提出したりしていました。

 

このような所業を聞くと、現代人には悪人のように聞こえるかもしれませんが、映画上では熱血の愛国者といった扱いになっています。


号泣する部下  回転開発者の大里大尉は、回天のテスト航行中に事故死してしまいます。号泣する部下。

 

 ここで大里大尉を慕っていた部下が泣いたりするのですが、この映画ではどこかでいつも人が泣いていたり、ウェットな映画が苦手な私はちょっと引き気味・・・。( ̄_ ̄ i)


泣いている人  なんでこんなに泣いている人が出てくるんでしょうか。

 

こういう事書くとまた「けしからん」とお叱りをうけるのかもしれませんが、いかにも「ここで見ている人を泣かしてやろう」的な演出はちょっと苦手です。

 

反対にこの映画に高得点を付ける人は、この辺りで感動して、見てよかったと思うのかもしれません。


出撃 

 何でこの映画は見ていてこんなに疲れたのか・・・。多分理由は二つ。

 

1.    回天創始者という特攻の旗手を英雄視・美化している。

 

2.映画の雰囲気がセンチメンタル、感情的過ぎて自分自身の気質に合わず内容についていけない。

 

 実は私は子供の頃から「気合や根性で何とかなる」という、現状を精神論で目いっぱいカバーしようとする、体育会的論理が大嫌いでした。


講義 

この映画では「戦局が悪くなってきたから特攻しかない」「日本は絶対に負けるわけがない」という、状況を精神論で打開しようとする根性論に満ち満ちていましたので、演技といえどもその雰囲気に嫌気が差したのだと思います。

  出てくるのも体育会系的な軍人タイプばっかりですから。

 

 映画作品自体の出来は良いのではないかと思います。物語としては、熱血な人たちが根性論を地で行くような話になっており、特攻の見方も「自己犠牲にのっとった素晴らしい行為」という風に、どちらかというと肯定的に捉えられています。

 

だから映画の雰囲気や演出が私自身の好みや気質に合わない・・。これはしょうがないですね。う~ん、この映画は人によって評価がかなり違ってくるのかもしれません。

 

 しかし・・・戦争映画評は自己の思想が反映されますから、日常を題材にした映画よりも書くのがホント難しいですね~。 


松方弘樹 

ええっ、この人松方弘樹さん!? 別人やん!( ̄□ ̄;)!!