「よこすか京急沿線ウォーク」というイベントに参加し、横須賀の普通見られない史跡を見学してきました。
その一つが戦前に横須賀鎮守府があったころ、使用されていた鎮守府長官の官舎です。
普段は非公開で1年に一回、桜の季節にだけ公開されていますが、今回はこのウォーキングイベントのため、特別公開されました。
和洋折衷式の建築になっています。門を入るとこのように洋式の部分だけ見えます。
建物は現在海上自衛隊で管理されています。
長官官舎の初代居住者は海軍中将、東伏宮依仁親王(ひがしふしのみやよりひとしんのう)でした。
その後も有名どころでは岡田啓介、野村吉三郎、永野修身、米内光政などが、歴代鎮守府長官として居住しています。
建物自体は現在も要人の接待や会議場として使用されています。今回は残念ながら外観だけで、中までは見学できませんでした。
住宅は一度に全容が写しきれなかったのですが、こちらの左手の部分は洋館になっています。1913年(大正2)年に建設されました。
左が洋風平屋のイギリス住宅、右手が和風二階建ての和洋折衷となっています。
長官庁舎の設計者、桜井小太郎はロンドン大学へ留学し日本初の英国公認建築士の称号を得た人物です。帰国後は海軍技師となり、1908(明治41)年から3年間、横須賀海軍経理部建築科を務めました。
桜井小太郎。1870(明治3)年-1953(昭和28)年
夏なのでサルスベリが咲き、セミが盛んに鳴いていました。他にモミジ、桜、ビワ、センダンなどが植えられています。
木陰があり涼しそうに見えますが、この日の気温は35度以上の焼けるような暑さでした。 この史跡はウォーキングコース初めの方だったのに、もう暑さでバテバテ・・・。
庭の奥には見晴台やベンチがあります。ここから横須賀の街を一望できます。
この長官庁舎は戦後アメリカに接収され、1964(昭和39)年まで9人の在日米海軍司令長官などが居住していました。以後は防衛庁の管轄となっています。
遠景に海が見えて、昔はここから艦艇が入港したのが見えたのかもしれません。
しかし暑い・・・。
ウォーキング前半に軍事関連の見学施設が集中していたのもあり、後半の行程はスキップして戦艦三笠を見に行きました。
それでもこの日は計4万歩歩きましたからね、真夏の炎天下でのウォーキングはキツかったです。
■田戸台分庁舎 (旧海軍横須賀鎮守府司令長官官舎)