言語:日本語、公開:1959(昭和34)年、製作国:日本、
時間:104分、監督:松林宗恵、出演者:池部良、三橋達也、三島耕、平田昭彦
昭和34年に公開された潜水艦が主役の映画です。ただし話はフィクションで、史実でも イ-57は実在しましたが、物語の舞台になった時期には既にイ-157と改名されていました。
昭和20年6月の戦争末期。
イ-57の艦長、河本少佐(池部良)は、連合国との和平工作の交渉のため、某国の外交官たち2人をアフリカの中立国・カナリー諸島まで送り届ける命令を受けます。
そしてマレー半島のペナン基地から潜水艦・イ‐57に乗り込んできたのは、某国外交官とその娘、ミレーヌ(20歳)でした。
この頃「女は乗せない輸送船♪」という軍隊小唄が流行りましたが、ここでは潜水艦に女性乗せていますね、フィクションですけど。

こうして女性を乗せた潜水艦内は、どこかおかしな具合になっていきます。
ミレーヌに特別食をあげようとした烹水(ほうすい)班員が殴られたので、大きなしゃもじを持っている烹水班長が出てきて水雷科とケンカを始めました。
烹水班長「おい、こいつ(自分の部下)殴ってどうするんだ?」
水雷科「何だ飯炊き!貴様ら一度でも敵やっつけたことあるかっ!?」
烹水班長「もう一度言ってみろ!水雷科だけで戦争しているのかっ!?バカ野郎!」
と、殴り合いが始まります。 この辺に兵科(水雷科含む)が幅を利かせている様子が出ています。
フロに入れないので垢をこすって、時間内でどれだけ取れるか競います。お食事中の方はごめんなさい。 映画で見せるのだから、実際にも行っていたのかもしれません。
一番垢が多かった者には、褒美にオスタップ(洗面器)一杯の水がもらえます。
上官「アカが多いのはそれだけ働いた証拠だ。特別配給だ。これはな、俺の水だがアカ取り競争の賞品として特にお前にやる」
水は大変な貴重品でした。ほかにもミレーヌが身体を拭きたいと水をもらい、乗組員たちから、そんな事に水を使うな と怒りを買われる場面もありました。
後編に続きます。