
シルバーバーチとはかつて3000年前に地上生活を送り、地球を霊的に浄化するため、人間に霊的真理を届けようと地上に降りてきた高級霊です。
今回は因果律(カルマ)の働きの一つとして、集団のカルマのうちの「国家のカルマ」をご紹介します。国家のカルマは以前ご紹介した、「家のカルマ」と基本的には同じですが、規模的には国家になりますから、大きな集団のカルマということになります。
(シルバーバーチ)
「個人であろうと集団であろうと、民族であろうと国家であろうと、摂理に反したことをすればそれ相当の代償を支払わねばなりません」。
【解説】個人ばかりでなく、人が複数集まった国家という集団の中でも、「自然の摂理」に反した行為が行われれば、因果律(カルマ)が発生します。
「自然の摂理」とは自然界の中の、目に見えないルールを指しています。例えば地上で水は100℃で沸騰し、氷は0℃で溶けるという科学の法則と同様の規則です。「自然の摂理」に反した行為とは、例えば殺人、他人に危害を与えるなどの利己的な行為が該当します。
(質問)
「戦争と事故、疾病などで何万人もの人間が死亡した場合も業だったのだと考えるべきでしょうか。もって生まれた寿命よりも早く死ぬことはないのでしょうか。戦争は避けられないのでしょうか。もし避けられないとすると、それは国家的な業ということになるのでしょうか」。
(シルバーバーチ)
「業というのは詰まるところは因果律のことです。善因善果、悪因悪果というのも大自然の因果律の一部です。その働きには何者といえども介入を許されません。これは神の公正の証(あかし)として神が用意した手段の一つです。もしも介入を許されるとしたら、神の公正は根底から崩れます。
因果律というのは行為者にそれ相当の報酬を与えるという趣旨であり、多すぎることもなく少なすぎることもないよう配慮されています。それは当然個人だけでなく個人の集まりである国家についても当てはまります。(中略)
戦争が不可避かとの問いですが、それはあなたがた人間自身が解決すべきことです。自由意志によって勝手なことをしながら、その報酬は受けたくないというようなムシのいいい話は許されません。戦争をするもしないも人間の自由です。が、もし戦争の道を選んだら、それをモノサシとして責任問題が生じます」。
【解説】戦争が起こったということは、当然最初に蒔かれた種があったということになります。そして戦争の原因となった動機が利己的であればあるほど、戦争も大規模化するなど、より困難さを伴うようになります。
また戦争は初めから必ず起きると決まっているものではなく、人間の努力如何によって回避可能なイベントです。戦争は神が起こすのではなく、人間には自由に物事を選択できる意思が与えられていますので、戦争は人間たち自身で起こしていることになります。
一旦戦争が勃発すれば、その動機により関係者はそれ相応の責任を、因果律により必ず取らされます。
■国のカルマ:因果律(カルマ)の働きにより、結果として戦争が勃発する。上記例での国家のカルマは戦争になる。国家のカルマという集団のカルマのほかに、国民もそれぞれ個人のカルマを持って生まれ、戦争などの国家の大枠のカルマを利用し、各個人の持っているカルマを解消する。
●国民・A男:かなり大きなカルマを持って生まれ、死を持ってカルマを返さねばならなかった。そこで国家のカルマを利用し、戦争に召集され戦死した。
●国民・B女:カルマが小さかったため、戦争の起きる可能性のある国へ、戦争で直接戦わずにすむよう女性として生まれ、殺戮には関わらずに済んだ。しかし空襲での恐怖や、物資不足のための窮乏を体験しなければならなかった。
●国民・C男:大きなカルマを持っていたため、戦争という国家のカルマを利用し戦争に参加、負傷し片腕切断などの障害者となる。そのため仕事や生活等で、一生苦労しながらカルマを返すこととなった。
(これらは筆者自身が創作した架空の例です。実際には各個人へのカルマの働きは千差万別であり、トラブル続きの人間は前世に悪事を働いたからである、などと断定できるものではありません)
●東京シルバーバーチ読書会・解説『シルバーバーチの霊訓』(5)、3章 死後の後悔
『シルバーバーチの霊訓』(4)、3章 再生の原理
『シルバーバーチの霊訓』(12)、4章 宇宙の根本原理-因果律
キーワード:因果律、カルマ、集団のカルマ、国家のカルマ、戦争は神が起こすのか